【衝撃】生まれて初めて競艇場に行ってビビったこと →「競艇好きのおっさん」がクズすぎる
基本的に私(あひるねこ)はギャンブルに興味がない人間である。競馬も、パチンコも、カジノゲームもほとんどやらない。そんな私を、あろうことかボートレースに誘ってきたのが当編集部の原田たかしだ。
ボートレース……ギャンブルの中でも特に興味がないジャンルであるが、先輩を立てるのも後輩の務め。というワケで、生まれて初めて東京都府中市にある「ボートレース多摩川」に行ってきた。
【画像】ギャンブル素人がちょっとカッコイイと思うボートレース好きの仕草
・人生初ボートレース
この日の出来事については、すでに原田が熱い記事を書いているのでぜひご一読いただきたい。さて、会場に到着すると、一足早く現場入りしていた原田が私を待ち構えていた……のだが。
こんな分かりやすい風貌のおっさんがいるだろうか? ポケットだらけのベストに(どこに売ってんの?)、マークシートやペンがやたらと差さっている。絵に描いたような「競艇場のおっさん」である。
こんなコテコテのおっさん、実際に存在するわけがない……と思いきや、中に入ってみて驚いた。
めっちゃおる……!
あちこちにおる……!!
どこを見ても「競艇場のおっちゃん」だらけ……!
・想定以上
嘘だろ、原田のようにベストを着ているおっちゃんがわんさかいるぞ……! そして驚くべきキャップ率。みんな帽子をかぶってる。ただのコスプレでは出せない本物の味としか言いようがないだろう。
おっちゃんはもちろん、年季が入った歴戦のおじいさんみたいな人たちも大勢いたが、間違いなく言えるのはバイブスめっちゃいいってこと。
そう、場内の人間全員が完璧に仕上がっている。おっちゃん特有の緩さと、勝負師としての緊張感が見事に共存しているのだ(もちろん若い人や女性もいました)。
あるおっちゃんは出走表を熱心に読み込み、あるおっちゃんはそこに何かを必死にメモし、またあるおっちゃんは真剣な眼差しでモニターを見つめている。その姿が、私にはなぜかカッコよく見えた。
・圧倒的非日常
いざレースが始まると、ボートの速さとエンジンの爆音にとにかくビビる。昔、取材で鈴鹿サーキットに行った時も同じことを思ったが、やはり映像で見るのと実際に見るのとでは迫力が別次元だ。
特にカーブに突入する時がヤバイ。あのスピードで旋回しながら、同時に高度な駆け引きも展開しているのがヤバすぎる。とても人間が乗っているとは思えない。
ちなみに、原田の記事でも書かれている通り、ここで私は生まれて初めて舟券を買ってみた。原田にアドバイスをもらいながら「1-2-3」「1-3-2」の3連単を500円ずつ購入。結果は……
・爆勝ち
うおおおおおおおお! 「1-2-3」キタァァァァアアアア!! まさかのビギナーズラックにより、払い戻し額は4800円に! そう、3800円のプラスである!! よっしゃァァァァアアアアアアア!
ボートレース面白ェェェエエエ!!
とはいえ、これで気をよくしてガンガン突っ込むなんてことはしない。無茶賭けはギャンブラーの始まりである。プラスのまま終わるのが賢明だろう。一方、原田はというと……
最終レースの優勝戦にすべてを賭けるとかで……
凄まじい集中力をもって検討を重ねていた。
その姿はさながら、メルエム戦を前にオーラを研ぎ澄ますネテロ会長。こんな真剣な表情の原田は見たことがない。仕事もそれくらい熱意を持ってやれ。
・勝負する男
予算5000円を「1-5-全」「1-2-5」にベットした原田。文字通りすべてを賭けた大勝負の行方は……! 見事勝利を収め、私を焼肉に連れて行ってくれるのか!?
気になる結果は記事でもお伝えした通り……!
大爆死……! まさに塵(ちり)一つ残らず……!!
まさかこの一瞬で5000円が消えてなくなるとは……。ボートレースの楽しさと共に、ギャンブルが持つ底知れぬ恐怖を間近で味わったのだった。
・帰宅
その後、魂の抜け殻になった原田は何を聞いても「そうやね」「ええやん」と繰り返すのみ。これが勝負に負けた男の末路なのか。
原田の介護をしながらボートレース場を後にし、西武多摩川線に乗ってJR武蔵境駅へ。
ここから帰り道が分かれますけど……原田さん、大丈夫ですか? 一人で帰れます? ねえ、原田さんってば! そして10分後……。
え!?
・延長戦スタート
気付くと我々は、なぜかカウンターでビールを飲んでいた。ついさっき軍資金をすべて失ったはずなのに……どうしてこうなった?
原田「勝負が終わったらノーサイド。ボートレースの後は、酒を飲んですべて水に流すって相場が決まってるんよ」
勝利の美酒なら分かりますが、ついさっきまで原田さんは尻の毛まで抜かれて虚無botと化してたじゃないですか。飲んでる場合じゃないでしょ。
原田「それはそれ、これはこれなんよ。今日の負けはその日のうちに清算しとかんと、勝てるレースも勝てなくなるからね。そう、これは次のレースのための投資なんよ」
悪質なビジネス系インフルエンサーみたいなことをのたまう原田。すでに失敗する未来しか見えないが……。
ボロ負けした後にさらに飲みに行ったことで(場内でも飲んだ)、大幅な赤字を計上した原田。さすがにこれで気が済んだだろう……と思いきや。
え!?
ちょ、おま……
また日高屋かよ!
・シームレスで日高屋
以前の記事でもトリキから日高屋をハシゴした原田であるが、またしても今夜、華麗に日高屋入店をキメたのだった。
原田さん、いくら日高屋が安いからって今日は大負けしたんですから、大人しく帰った方がいいんじゃないですか? さっきの店でもそこそこ飲んだじゃないですか。
原田「いやいや、あれは飲みじゃないから。禊(みそぎ)を済ませただけだから。こっからが本番よ。選手たちは水上で命かけて戦ってるんやから、俺たちも気合い入れて水を流し込まんと」
・クズの星
ちょっと何を言っているのか分からなかったが、もしかしたらボートレース好きとは皆こういう人種……なのかもしれない。
知らなくても生きていける。が、知っているとより人間に深みが出る──。生まれて初めて行ったボートレース場で私は、人生を学んだのだった。
取材協力:ボートレース多摩川
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.