レンタル福祉用具たちのサポートは強力だ~最新のベッドは機能が充実~
ヘルパーさんのこと
ボクの生活でいなくてはならない存在は、やはりヘルパーさんだ。ヘルパーさんの他にもさまざまな方がいらっしゃる。
週にすると、延べ13人の方が我が家にやってくる。そのほかにもリハビリ、マッサージの方が3人、訪問看護の方が2人、訪問の医師とその時にいらっしゃる看護師さん、訪問の歯医者さんとその助手の方。あと最近薬剤師さんもこのメンバーに加わった。ざっと数えて延べ20人。
ボクの場合、手のかかるこんな身で、こんな風に仕事もしているので、取材など外出することもある。すると、その時間に合わせて時間変更や、イレギュラーな回数が増えたりもする。
また、我が家はある事業所と24時間サービスを受けられる契約をしているので、ボタン一個押せばやってきてくれる。夜の時間帯など、毎日のサービスで補いきれないことをお願いするなどすればいいね、と契約した。当初、体位交換やおむつの交換など夜間に1、2回は必要になるだろうと、退院時のソーシャルワーカーさんやケアマネさんがそう計画した。
が、結局な話、帰ってきてみると同じ部屋で妻が布団を敷いて寝ているし、ヘルパーさんを夜中に呼んで何らかのサービスをしていただくってことは現実のはなかった。
入院していたときは、右半身にクッションを挟み、2時間経てば左半身にクッションを挟み直す。それを一日中繰り返す。全く寝返りのできないボクの体への圧力を分散するためだ。褥瘡防止にもなる。それを家に帰っても続けるためのケアメニューだった。
もちろん、自宅に戻っても入院中に購入した細長いクッションを挟んで寝ている。でも、クッションを挟み直すため、夜間にヘルパーさんに来ていただくことはない。
その代わり最新のベッド(マットレス)で寝ている。高性能エアーマットレスのモルテンのもの。モルテンの車椅子に惚れ込んで使用しているボクにとっては、ああこれもモルテン製だったのかと今更驚いているが随分前から使用していた。
そういえば、今回の福祉用具機器展を覗いた時もモルテンはマットレスをずいぶん熱心に宣伝していたなあと思い出す。
一回の体位交換は早いモードで45分、普通モードで60分、ゆっくりモードで75分かかって一周する。ボクは遅いモードに設定してもらっている。
以前は、エアーマットのように右側だけが空気が入って持ち上がり、次に左側の空気が入るものを使っていたが、ベッド横の柵にベタっと体が張り付くような感じになってしまって、うまくないなあと。そう思っていた数年前、出会ったのが今のマットレスだ。これは、体の膝や肩、そして逆の膝・肩のあたりともう少し細かく圧力がかかる場所が設定されている。体位交換自体の角度も8度と16度が選べる。
その他にも、寝ているときのマットの硬さも調整できるので、リハビリをするときはちょっと硬めに設定することもできる。膝がどう曲がっているかで膝下の角度や、腰捻り体位なんかの機能もある。マットの除圧もできる。
あと、足元には除湿機能がついていて、空気を噴出する機能もついている。布団内の蒸れを防ぐだけでなく、32℃に維持する冷え対策にもなる。
もちろん背上げ機能もついている。上半身を椅子のように上げた場合、体が沈み込まないように背上げしてくれる機能だ。ちょっとリモコンを見ながら説明をしてみてもこんなに多機能だ。
体位交換は細かく設定もできるし自動機能の設定ももちろんできる。
マットの硬さを選ぶ
→体が大きいか小さいかを選ぶ
→膝の曲がりがあるか
→発汗があるか
→冷えがあるか
→指定体位交換
→体位交換の時間の設定
こんな風に本当に細かく設定できる。
このマットのおかげで夜間にヘルパーさんがいらっしゃることなく、妻も起きることなく過ごせている。
こんなマシンでなくてはならないものは、外階段12段を玄関から門まで上げ下ろししてくれるドイツ製のペルモビルというリフト。そしてお風呂の湯船に入るためのTOTO製のこれまたリフト。
あと家用と外用の車椅子、吸入器。これはなくてはならないレンタル福祉用具たちだ。そして先にも書いた強力マンパワーがサポートしてくれている。
12年経ったチーム神足
もうこの生活を続けて12年になる。ケアマネさんは変わってしまったし、12年前からいらっしゃってくれているヘルパーさんはわずか1人。12年も通ってくれてると思うと頭が下がる。同じ事業所だが、社名が変わり定年を迎えたり退職された方もいらっしゃる。
新しい事業所もケアマネさんの交代によって増えた。リハビリ関係は当初から同じ方をメインにお願いしている。ボクがその方のリハビリを気に入っているからだ。だが、もう12年、年齢も重ねて地位も偉くなっている。週に何回かは新人さんがいらっしゃることも。そんな感じで、12年ずっとお世話になっている方はこの2人だけだ。名前も覚えないぐらいに早くいなくなってしまう方もいれば、大好きだった世間話をしていってくれる訪問看護師さんもいる。出産のため退職されたり、異動になったり、同じ事業所を大体使うことになるが長くて3年ぐらいで変わっていってしまう。
福祉用具の担当でさえ数年で変わる。どの方もその時々に一生懸命考えてくださるのでいなくてはならない方だった。担当が変わると言われたときはショックだった。だが、新しく担当になった方も数ヶ月もすればお互い感覚が掴める。今となっては我が家になくてはならない方となる。
知り合いのマダムに「福祉用具の方なんて一度お願いしたらあまり会う機会もないけどなあ」と言われてしまったが、年に何回かあるメンテナンスや、湯船を掃除するためにお風呂のリフトを取り外しをしてもらったり、車椅子の部品のことなどお願いすることも多い。
もう12年経ったチーム神足も、ちょっとずつ改善のされてきたが最初のケアマネさんがオーダーや計画してくれた細かいことは人が変わっていくうちに消滅していってしまったことも少なくない。
例えば、朝のケアに足浴や手浴が入っていた。手を洗ってもらうってことだ。体は毎朝拭いてもらっているが足浴や手浴までには至らない。脱いだ洋服や汚染されてしまった衣服やシーツなどの始末の仕方やゴミの捨て方は、それぞれの事業者で認識も違うし教育も違う。
もちろん同じ1時間のサービスでも時間が余る方もいらっしゃれば足りない方もいる。やっともらっているボクにしたら「おおこの方は丁寧だなあ」とか「あんまり好きじゃないやり方だなあ」なんて思ってしまう方だっている。
対人間だ。あちらだって好き嫌いもあるしボクを「ケアするのが大変な人」と思う方も「やりやすい」って思ってくれる方もいるみたいだ。
体が大きいから小さい女性ヘルパーさんは大変なんだとかはよく聞く。「神足さんは温和だし、嫌なことは何にもないです」って褒めてくれる人もいる。まあ、ボクはしゃべれないから基本「ああ、嫌だなあ」と思っても言えないし、そのまま過ぎていくことが多いからお互い嫌な気持ちになることも少ない。
でもでも、気の合うヘルパーさんは話ができないボクが相手でも、よく話してくれる。12年続いているヘルパーさんはそんなに余計な話はしないけど、さすがボクのベテランだ。力の入れ方が上手だし、ボクの方がここで腰を浮かそうとか思うと阿吽の呼吸でしっかり揃ったりする。
たまには確認のためこうして欲しいとか、お互い話し合った方がいいとは思う。サービス担当者会議とか最近ないもんね。あれってどういうタイミングでやるんだったんだろう?
とはいえ、ボクにはあまりこうして欲しいというリクエストはないかなあ。
あ、外から来たヘルパーさんが暑いとエアコンの温度を下げるんだけど、そのままにして帰らないでね。寝たきりのボクは寒いからとか、必ず水分を摂らせてねとか当たり前のことはお願いしたいけど。