【カプホ女子】名古屋の老舗カプセルホテル『アペゼ』(素泊まり4300円)がレトロで超落ち着く!! が1つだけ「女子にとっての超重大問題」が …
先日、名古屋で思い切ってカプセルホテルに宿泊してみた。多くの女子にとってカプホ泊は結構思い切った行為だ。名古屋駅から電車で10分。「今池」駅8番出口から徒歩5歩の好立地にある『アペゼ』というところ。これは私の人生2度目のカプホ体験である。
1度目は寝ることに特化した最新鋭の都市型カプホだったので、大浴場・サウナ・お食事処を併設してる系のガチ・カプホは初体験。いかにも「この地に根を張っております」といった感じのたたずまい。素人の私に攻略できるだろうか? 不安だァ……。
・カプホの洗礼
ここからは私のカプホ経験値がほぼゼロであることをご理解のうえ読み進めていただきたい。まずフロントよりも手前で靴を脱ぐシステムに、私は戸惑いを隠せなかった。
ガチ・カプホってこれが普通なの?
チェックインすると「ロッカーのカギ」を渡された。ロッカーは地下1階、カプセルルームは5階にあるらしい。ロッカーと部屋、遠くね!?
……と最初はビックリしたのだが、施設内を探検するにつれ「ここでいうカプセルルームとは部屋ではなく、ガチの “寝床” なのだ」ということを理解した。
アペゼには「浴場」「サウナ」「ピカピカのパウダールーム」はモチロンのこと「ただゴロゴロするスペース」「ダラダラできる喫煙スペース」「ひろーいお食事処」「仮眠室」「マッサージとかエステが受けられるエリア」……
さらには「ネカフェくらい広い漫画&インターネットコーナー」「パチンコ屋かと錯覚しそうなゲームコーナー」などなど極上のエンタメとくつろぎ空間が完備されている。要するに“就寝するとき以外はカプセルへ行く必要がない”のだ。
これってカプホ上級者には当たり前のことなのかもしれないけれど、私にとっては目からウロコが10枚落ちるくらい衝撃的な気づきであった。気が済むまで施設を堪能したらB1で歯をみがき、あとは手ぶらで5階の寝床に向かえばいいワケか。なるほど合理的にもほどがある。
これ……ホテルより全然よくね!?
・寝床について
テンション上がってご報告が遅れたが、アペゼの宿泊料金は「日曜~木曜日が4300円(朝食付 4800円)、金・土・祝前日は4800円(朝食付 5300円)」。
私が宿泊したのは金曜日だったうえ、なぜか朝食付プランしか予約できずMAXの5300円となった。それからカプセルルームは「上段」しか選択できなかった。女性の宿泊定員は20名なので、人気のプランは早めに埋まってしまうのかもしれない。
なおウエルカムドリンク券もいただいた。すでに「ホテルより全然いい」と思っている私にとって、これで5300円は激安。
こちらがカプセルゾーン。ロッカーキーをタッチすれば入れるシステム。もちろん男子禁制。
なんというか……「これぞカプセルホテル」って感じでエモい。
昔を懐かしむ系のテレビ番組で “バブル期のサラリーマンがカプホで眠る様子をとらえた映像” を何度か観たおぼえがあるが、まさにあの映像からイメージする世界観そのものが、ここにはあった。
もちろんUSBポートなんてない、だがそれがいい。イヤホンの差し口に圧倒的な歴史を感じる。
スペースは十分だし、空調もええ塩梅。私は超絶バッチリ熟睡をキメた。
なお上段へつながる足場と手すりは、かなりアスレチック要素に満ちたもの。以前ご紹介した中国の寝台列車と張るくらいの高難易度。ガチ・カプホ得意勢にとっては慣れたモンなんだろうか……?
・ラストの大どんでん返し(シックスセンス並)
翌朝。朝食券握りしめて1階のお食事処へ。
一般のお客さんも注文する朝食メニューの中から、好きなものを選んで朝食券で食べられるらしい。ここぞとばかりに一番高い『焼き魚朝定食』をチョイス。
「一生これでええ」以外の感想が出てこないパーフェクト定食きた。
周囲では常連さんとおぼしき中年グループが、すでにかなりのお酒を召されている様子だ。休日の早朝飲酒って王様になった気がしますよね〜!
お腹もいっぱいになったところで、最後にもうひとっ風呂やっとこーっと。
そこから私は風呂に入り、アメニティの化粧水と乳液を塗りたくり、備え付けのドライヤーをブンブンいわせ、メイクをした。あとは髪型を整えれば出発準備完了!
と……ここで私は妙なことに気がついた。広いパウダールームのどこを見渡しても「コンセントの差し口」がないのである。多くの女子にとってコレは “出かけるか・出かけないか” を左右するほど重要な問題だ。なぜなら……
ヘアアイロンが使えないから。
ご存知ない男性もおられるかもしれないが、実は皆さんが普段「綺麗なストレートヘアだなぁ」と思っている女性の中に、加工なしのストレートはほぼ存在していない。女子の身支度においてメイクと同等レベルに重要な工程……それは「髪の毛にアイロンをかけること」だ。
ましてやこの日、私は推しの撮影会に行く予定であった。アイロンなしで推しに会うこと、それすなわち ““死”” を意味する。
私はスタッフのお姉さんをつかまえ、「ヘアアイロンを使いたいが、コンセントの差し口が見当たらない」と告げた。そのときの衝撃的な回答を、私は生涯忘れないだろう……お姉さんは申し訳なさそうに、でも確かにこう言った。
「そもそもヘアアイロンの持ち込み自体が禁止なんですよ」と。
・それを差し引いたとしても
「ヘアアイロン持ち込み禁止」……これを聞いて、思わず泡吹いて倒れた女性読者もいるのではないか。
ただ、このとき私は片手にしっかりヘアアイロンを握りしめていたが「はい没収〜! 罰金〜!」とはもちろん、ならなかった。アペゼの従業員さんは人情味にあふれる優しい方ばかり。ある程度の融通はきかせてくれる。
しかしながら、一応そういうルールが存在していることは確か。あとはみなさんがどのように判断し、どのように動くか……私に言えるのはここまでだ。
とはいえ、少なくとも私にとってアペゼは「仮にヘアアイロンを当てにネカフェへ直行することになったとしても、また絶対に泊まりたい」と心から感じさせるスーパーナイスカプホであった。カプホに抵抗のある女子も、ぜひ1度トライしてほしいなぁ。
あ、それから「チェックイン13時〜(ルームインは16時〜)、チェックアウト〜12時」という太っ腹な時間設定も嬉しい。これは入館とロッカー使用が開始できるのが13時という意味で、推し活遠征には最適! 名古屋へ行ったら是非!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 リラクゼーション・スパ・アペゼ
住所 愛知県名古屋市千種区今池5-11-14
時間 24時間営業
定休日 無休
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.