源泉徴収票でわかる《リアル年収》技術職の43歳。老後も教育費も……。貯金を増やしたい【FPが解説】
読者から寄せられた「年収の額」を大公開。はたしてこの年代・業種で年収が多いのか少ないのか、質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【43歳 システムエンジニア】
【年収いくら?】43歳、システムエンジニアの場合
プロフィール
43歳、男性
情報サービス業のシステムエンジニア
▼現状
年収:570万円
ボーナス:年間114万円
労働時間:月160時間、残業は月平均30時間
世帯年収:570万円
家族構成:妻(40歳、専業主婦)、子ども1人(3歳)
【相談内容】老後や子どもの将来に備えてどのように貯金するとよいのでしょうか?
「システムエンジニアとして年収600万円を目指しています。さらに外食を減らすなどで支出を減らし、老後や子どもの将来に備えて貯金したいと考えていますが、どのようにすべきでしょうか?」
現在の年収は平均と比べると高い?低い?
相談者さんの現在の年収は570万円。
一方で厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」における40〜44歳のシステムコンサルタント、設計者の平均年収は約699万円*です。
従って、相談者さんの年収は平均よりも120万円ほど低い水準といえます。
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
貯金の一歩目は必要な金額の想定から
老後もお子さまの将来への備えも、基本的な考え方は同じです。
必要な金額の想定から始めましょう。
それぞれの必要な金額の考え方は、以下のとおりです。
老後
現在の食費や住居費、光熱費などの生活費をベースとして考えます。
さらに旅行や趣味など老後の楽しみに必要な金額も加算して、1ヶ月あたりの支出額を想定しましょう。
そこから年金収入を差し引いた不足額が貯金の目安となります。
お子さまの将来への備え
お子さまの将来への備えは、進学先によって大きく異なります。
大学に進学した場合、国公立と私立でかかる費用の目安は以下のとおりです。
・国公立大:約250万円
・私立大:約400万円
参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
理系の場合や一人暮らしの場合は、上記以上に必要となります。
多くのご家庭では、相談者さんのように老後よりも先にお子さまの大学進学があります。
教育費の貯金を多めにしておき、余った分を老後の資金に回すようにしておきましょう。
なお、いずれも資金が必要になるタイミングは15年以上先です。
NISAなどの積立投資を活用し、物価上昇に対応できるようにしておくと良いでしょう。
同年代の年収平均は……
国税庁の「令和5年分民間給与実態調査」によると、40〜44歳の男性の平均年収は612万円であるため、相談者さんの年収は40万円ほど低い水準となっています。
*……参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
まとめ
・老後資金、教育費ともに必要な金額の想定から始めましょう。
・老後資金よりも教育費のほうが早く必要になるため、教育費を多めに。
・老後資金、教育費ともにNISAなど積立投資の活用を。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。