「積み重ねた経験をキングスでぶつけたい」琉球ゴールデンキングス新加入の日本代表 川真田紘也の想い
琉球ゴールデンキングスに今シーズン新たに加入した川真田紘也選手。佐賀、滋賀、長崎とキャリアを重ね、日本代表としての国際経験も豊富な28歳は、移籍発表直後に負傷というアクシデントに見舞われながらも、前向きな言葉を口にし続ける。 沖縄での新生活、長崎での2年間が残したもの、そしてBプレミア元年に懸ける思いを聞いた。
驚きの沖縄生活
――沖縄に引っ越してきて、生活面での印象はいかがですか。 川真田選手 「正直、どの県に行っても似たようなものかなと思っていたんですよ。でも沖縄は違いましたね。最初に感じたのは、とにかく湿気がすごいということです。(笑)」 「これだけ晴れていれば洗濯物もすぐ乾くだろうと思っていたのですが、なかなかそうはいかなくて。しかも「夏はカビ対策でエアコンをつけっぱなしにしておいたほうがいいよ」という話も聞いて、驚きましたね。(笑)」 ――沖縄らしい場所には行けましたか。 「先週、何人かで北谷のアラハビーチを散歩しました。海を見たら「ああ、沖縄に来たんだな」としみじみ感じましたね。まだ”肌で感じ始めている”という段階ですが、少しずつ沖縄という土地を知れている感覚があります」
怪我と向き合いながら、できることを
――現在はリハビリが続いていますね。 川真田選手 「怪我をしてしまった以上、焦っても仕方ないと思っています。ちゃんと治して、いつでも復帰できる状態を整えることが今の最優先です。 左手は使えますし足も動くので、できることは全部やりながら回復を待とうという気持ちです」 ――週末には日本代表の韓国戦もありましたがご覧になりましたか? 「見ていました。もちろん自分もあの場に選ばれたかった、という気持ちはあります。でも怪我か、それとも実力不足か、選ばれていたかどうかも分かりません。 ただあの試合を見て、もっともっとできるという気持ちが燃え上がりました。琉球でもやることがたくさんあります。 加入したばかりですし、こっちでもできることを全力でやろうと気持ちを新たにしましたね」
意外なキングスとの出会い
――これまでのキャリアの中で、琉球ゴールデンキングスという存在はどのように映っていましたか。 川真田選手 「実は、アリーナがまだできていなかった頃に、沖縄市体育館で選手たちが練習している風景をニュースかSNSで偶然見かけたことがあるんですよ。(笑) 当時はまだプロでもなかったんですけど、「いつかこういうプロのチームに入れたらな」と思ったのが琉球への一番初めの記憶なんです。 その琉球に今こうして来られたことが、縁というか、本当にうれしくて。怪我はしていますが、チームのために頑張ろうという気持ちは変わりません。」 ――キングスでは自分のプレースタイルをどう生かしたいと考えていますか。 「安永さんもマクヘンリーコーチも、今の自分を見てくれてオファーしてくれたと思うので、やることの根本は変えなくていいと思っています。 そこにプラスアルファを加えながら、チームに貢献していきたいです。走るバスケをやりたいという気持ちもありますし、長崎での2年間も活きてくると思います」
長崎の2年間がくれたもの
――長崎での2シーズンは、振り返るとどんな時間でしたか。 川真田選手 「正直、なかなか思うようにいかないシーズンでした。試合に出たかったのに出られない時期があって、調子が上がってきたと思ったら怪我をする。そういう繰り返しでした。 でも、一番良かったのは人との出会いなんですよ。選手だけじゃなく、スタッフも、バスケに直接関わっていないマネージャーたちも、全員が本当に前を向いていた。出ていない自分にも「こうしよう、ああしよう」と向き合ってくれる。 チームとしての団結力とメンタリティの高さは、今でも強く印象に残っています。自分が前に進めたのは、そういう人たちに恵まれたからだと思っています」
国際経験とBリーグは「相互効果」
――豊富な国際試合での経験は、リーグ戦にどう活きていると感じますか。 川真田選手 「そこが自分の中ではむしろ逆なんですよね。笑 Bリーグにいるクーリー選手をはじめNBAやユーロリーグを経験してきた選手たちと毎試合やり合うことで、国際試合にも対応できているという感覚があります。 日本で経験したから国際試合でもできる、国際試合をやったからまた日本でも通用する。お互いが相互効果になっていると思っています」 ――沖縄サントリーアリーナについてはどんな印象を持っていますか。 「ワールドカップのときは日本代表として戦っているのでみんなが味方ですが、アウェイで来ると全然違います。(笑) あの広いアリーナが金色のユニフォームで埋め尽くされて、応援の声量も熱量もびしびし伝わってくる。やりづらいアリーナのひとつだと思っていました。(笑)今度はホームとしてあのコートに立てるというのが、リハビリを続けるひとつの原動力になっています」
覚悟を持ってキングスに
――契約時のコメントで「キャリアの中で最も大事な時期」という言葉がありましたが、その意味を聞かせてください。 川真田選手 「どのシーズンも大事だということは変わりません。ただ、28歳から30歳にかけてというのは一般的にも選手として非常に重要な時期だと思っていて。今まで積み重ねてきた経験を、この2〜3年でどれだけぶつけられるか。 だからこそ「やることはやるしかない」という気持ちで琉球に飛び込みました」 ――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。 「まず、怪我をしていてシーズン開幕に間に合うかどうかも分かりませんが、来た以上は全力でやります。試合では泥臭いプレーと身長を生かしたプレーでチームに貢献できるよう頑張ります。今シーズンはBプレミア元年でもあります。チームも大きく入れ替わって、ファンの皆さんが不安に思う気持ちも理解できます。でも僕たちは勝つつもりで加入しています。その想いはプレーで示すしかない。チームの団結力を高めながら、沖縄アリーナでたくさんの応援をいただけるよう、まずはしっかり体を治して戻ってきます」
取材メモ
部屋に入った瞬間から明るく、質問のひとつひとつに真摯に答えていただき一瞬でファンになりました! ムードメーカーとしての役割も期待される川真田選手。そういったプレー以外の面での成長を考え始めたのは実はプロになってからだそうで・・・。 大学までは日本人同士のマッチアップが多かったところが、プロになって、センタープレイヤーということもあり屈強な外国籍選手とマッチアップして、大学とプロの違いに驚かされたそう。 そういった経験からプレー以外の面でもプロとしての成長を!という気持ちが生まれたそうです。 キングスの一員として躍動する姿を実況するのが待ちきれません!
取材・記事執筆:植草凜(沖縄テレビアナウンサー)