【初心者困惑】生まれてはじめて歌舞伎座に行くことになった…「ドレスコードは?」「食事は?」「何時間?」全部体験してきたでござる
先日、生まれてはじめて歌舞伎座に行くことになった。映画『国宝』の影響……ではなく、大学時代の同級生が舞台に立つというので、その勇姿を客席から見届けるため。とは言いつつも、国宝で人気の「藤娘」「鷺娘」「道成寺」なども楽しめるらしい。
それはもう楽しみなのだが、はじめての歌舞伎座……なんとなく映画館感覚で行く場所ではない気がする。舞台は何時間あるのだろうか、ドレスコードはあるのだろうか。困惑しながら歌舞伎座に向かった。
・ビビる必要はない
結論から言うと、ドレスコードはないらしい。公式サイト曰く「ショッピングに行くときのような一般的な格好でOK」「もちろんオシャレをしたい人も大歓迎」とのこと。
ただ、あくまで一般的な格好なので、深夜のドンキでショッピングを楽しむ服装(スウェット・ジャージ・サンダル等)や、過度な露出は避けた方が良さそうだ。
今回は友人の楽屋にもお邪魔させていただく予定だったので、普段着る機会があまりないセーターとスラックスで行くことにした。
・いざ歌舞伎座へ
大都会の中にどっしりと構える歌舞伎座。歴史と伝統を感じる重厚な外観は外国人観光客にも人気らしく、多くの方が足をとめて撮影したり見上げたりしていた。んで、やはり着物を着ている来場者も多い様子。とても優雅である。
さて、今回は舞台を俯瞰できる3階席を予約。全体をじっくり見たい方にオススメの席らしい。いよいよはじめての観劇が始まる……!
・公演は10時スタート
公演は10時からスタート。パンフレットの解説を読みながら歴史ある舞踊劇を楽しんでいたのだが……2時間近く経っても友人が出てくる気配がない。
勝手に映画くらい(2〜3時間)とイメージしていたので、「幕間(まくあい):ひと幕終わって次の幕が始まるまでの休憩時間」に時間表を確認してみると……16時半頃までガッツリ楽しめるそうだ。って、まだ半分も終わってないんかい!
・食事処へ
それならじっくり歌舞伎座を満喫しようってことで、休憩がてら館内を散策していたら「花篭(はなかご)」なる食事処を発見。お弁当を売っているらしい。少し早いが買っておくか。
ということで「味しぐれ(1600円)」を購入。お弁当は花籠内でいただけるようだ。ちなみに味しぐれ以外にも、観劇を楽しむ特別な1日にふさわしい豪華なお弁当が色々あるという(事前予約が必要なメニューもあり)。
味しぐれの内容は、鮭塩焼き・千切り大根・玉子焼き・花蓮根・昆布巻き・海老芝煮・鶏と南瓜のつくね串、牛肉しぐれ煮、煮物、五穀梅ふりかけご飯。さすが歌舞伎座の弁当、とても上品である。
鮭は塩加減が絶妙で、牛肉しぐれ煮はご飯が進む濃いめの味付け。玉子焼きはふわっとしていて、煮物も出汁がしっかり染みている。観劇の合間にいただく特別なお弁当として十分満足できる内容だった。
ただボリューム的にもう少し欲しかったので、別の幕間に「復刻の元祖オリエンタルカレー」も1階の喫茶室で注文した。歌舞伎座は食事処も充実している。長時間の公演も、美味しい弁当とカレーのおかげで最後まで集中して楽しめたぞ。
・大満足の1日
そして何より、友人の舞台を観られたことが最高だった。伝統ある歌舞伎座の舞台で堂々と演じる姿を見て、誇らしい気持ちになった。なかなか入れない楽屋までお邪魔させてもらい、はじめての観劇は大満足。
正直、歌舞伎座に行く前は「敷居が高そう」と思っていたが、実際は普段着で気軽に楽しめる場所だった。また機会があれば歌舞伎座だけでなく、各地の劇場に足を運んでみたい。
みなさんも機会があれば歌舞伎座へ。そして当記事が伝統芸能に触れるキッカケとなれば幸いだ。現場からは以上です!
参考リンク:歌舞伎座
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.