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側弯症によい体操とは?縮んだ筋肉を伸ばし体幹を強化する運動を紹介

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側弯症の曲がってねじれていこうとする力に抗するための、トレーニングのやり方をご紹介します。かたちを整え、そのかたちを維持するのに役立つ有用なセルフケアです。【解説】石原 周(鍼灸師)

著者のプロフィール

石原 周(いしはら・あまね)

たんぽぽ鍼灸院院長。鍼灸師。あんまマッサージ指圧師。側弯症の治療を専門とし、老若男女を問わず多くの患者の施術に当たる。ゆがみ方や、ゆがみ具合が人によって全く異なる側弯症に対し、それぞれに適した治療を施すとともに、自宅で行うセルフケアを指導。多くの人を改善に導く。元陸上自衛隊第一特科隊。
[▼たんぽぽ鍼灸院](公式サイト)

本稿は『側弯症は自分で治せる! (専門治療院が教える驚きの実践的トレーニング)』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

イラスト・図版/田栗克己、山川宗夫(ワイエムデザイン)

トレーニングの前に確認しよう

本記事では、側弯症の曲がってねじれていこうとする力に抗するためのトレーニングのやり方をご紹介します。かたちを整え、そのかたちを維持するのに役立つ有用なセルフケアです。

矯正トレーニングには、かたちを整えること(矯正)と、かたちを支えること(筋力強化)という二つの目的があります。ただし、本書で紹介する矯正トレーニングは、それらの目的をはっきり分けていません。ストレッチ要素の強いものもあれば、体幹筋トレ的要素の強いものもあります。それらを総称して、矯正トレーニングと暫定的に呼んでいます。いずれにしても、側弯症の曲がってねじれていこうとする力に抗するために必要なストレッチであり、体幹筋トレであるとお考えください。

トレーニングの際は、必ず鏡を見ながら行ってください。自分の体のバランスを確認しながら行うことが重要です。側弯症の人は、背骨に生じているゆがみのために、バランスの感覚が正しく働いていないことが少なくありません。本人がまっすぐ立っているつもりでも、傍から見ると体幹や首が曲がっていることが多いのです。ストレッチを行う際、左右の肩の高さを水平に保ち、首をまっすぐキープするよう確認しながら、体を動かしましょう。こうした意識をもって体を動かしていると、感覚の調整に役立ちます。

矯正トレーニングの解説に入る前に、側弯症かどうかを確認するチェック法について触れておきましょう。最も代表的なものが、前屈検査です。側弯症になると、前屈した際、背中の左右の高さに違いが出てきます。自覚症状がなくても、左右で1㎝以上の差があった場合、側弯症を疑うべきです。前屈したときの背中や腰の出っ張りが、隆起と呼ばれるものです。前屈検査では、隆起の程度なども知ることができます。

続いて、まっすぐに立った状態で、ウエストラインや肩の高さ、肩甲骨の高さなどもチェックしてください。これも、側弯症のチェックポイントです。整形外科では、レントゲンなども撮られているでしょう。画像診断から、側弯の角度(コブ角)なども教えてもらっていると思います。こうしたデータや、隆起の程度、肩の高さの左右差などは、スマホで画像や映像を残したり、数値を記録したりして残しておくとよいでしょう。数値に一喜一憂することはありませんが、常に現状を把握しておくことは重要です。

トレーニング前の確認事項

①上半身裸、もしくは下着だけの状態で、両手の手のひらを合わせて、両腕を自然に前に垂らす。ひざを伸ばしたまま、背中を丸めて、ゆっくりと前屈する。

②前屈した際、肩の周辺や背中、腰で左右の高さに差があるかどうかを、前と後ろから、それぞれ確認する。家族や友人等に教えてもらうとなおよい。

側弯症矯正トレーニング


ヒップリフト

ねらい

あおむけになり、両手を頭上で合わせると、両手と背中が伸ばされて、背中の筋肉全体のストレッチになります。側弯症の人は、背骨を支える筋肉にも左右差が生じ、背骨にある脊柱起立筋のどちらかが縮んだり弱ったりしていることがあります。その筋肉を伸ばすのです。また、おしりを持ち上げる際には、腹部や骨盤周辺の多くの筋肉、太ももの大腿四頭筋などが使われます。これらの筋肉に対する増強効果が期待できます。

注意点

特に高齢者の場合、おしりを持ち上げるのがつらく感じる人がいるかもしれません。そうした場合、無理に持ち上げる必要はありません。両手を頭上に伸ばし、手のひらを合わせたり、バンザイをしたりするだけでも気持ちよく感じられるはずです。


あおむけになり、両手を伸ばして、頭上で合わせる。


おしりを持ち上げ、上げたところで10秒キープし、ゆっくり戻す。これを5~10回くり返す。

おしりが持ち上がらない場合は、腕を下ろして行ったり、頭上で手を合わせたりするだけでもOK。

側弯症矯正トレーニング


腹筋トレーニング

ねらい

側弯症を改善するためのトレーニングは、主に背中を整えることを重視しているので、背筋を使う動作に偏りがちです。背中ばかり筋力が強化されると、拮抗する筋肉である腹筋が負けてしまい、腰痛や背中の痛みにつながることがあります。バランスを取るために、腹筋を鍛えることも、とても重要です。このトレーニングでは、インナーマッスルである腸腰筋を鍛えることができます。へその下に「丹田」と呼ばれる場所があります。ここを意識して行いましょう。

注意点

へその下(丹田)をしっかり意識して行ってください。足は急に下ろさずに、ゆっくり下ろすように心がけましょう。


あおむけになり、両手を頭の後ろで組む。


両足を30~40㎝ほど浮かせて、10秒キープ。


そのまま上体を起こして10秒キープし、ゆっくり①の姿勢に戻す。①~③を5~10回くり返す。

側弯症矯正トレーニング


体幹バランストレーニング

ねらい

くずれたバランスを修正し、均等に体を使えるようになることを目指すトレーニングです。片手を前方に伸ばし、逆側の足を後ろにまっすぐ伸ばします。この姿勢をキープすることによりバランスが整い、背骨の弯曲や隆起が改善するよう働きかけます。

注意点

左右で伸ばしにくい側を特に意識して、よく伸びる側と同じだけ手足を伸ばすようにしてください。自分でまっすぐ行っているつもりでも、腰が曲がっておしりが左右にズレるなど、正しい姿勢が取れていないことがあります。できれば、そばで誰かに見てもらって、まっすぐになっていない場合は正しい位置を確認しながら行いましょう。


床に両手、両ひざをついた状態から、右手をまっすぐ前方に伸ばす。そのまま左足を持ち上げて、後ろにまっすぐ伸ばす。左手、右足を伸ばした状態で、10秒キープし、ゆっくり戻す。


手足の左右を替えて同様に、10秒キープし、ゆっくり元に戻す。
①と②を5~10回くり返す。

側弯症矯正トレーニング


背中伸ばしトレーニング

ねらい

立った姿勢で、腕を頭上に伸ばすことで、背中の筋肉に刺激を与えます。立って行うこのトレーニングは、上記のヒップリフトよりも、背筋の上部に働きかけることができます。縮んだ筋肉を伸ばすことをくり返すことで、弱った筋肉を強化します。

注意点

足裏全体で体を押し上げるイメージで、両手を上に伸ばします。ただし、腰を反らすと腰痛の原因になることがあるので注意が必要です。手といっしょに、背中も上へ伸びるよう意識するといいでしょう。鏡を見て、おしりが左右でズレていないか、肩が左右でねじれていないかを確認してください。


まっすぐ立った状態で、両手を頭上に伸ばし、手のひらを合わせる。背中を意識しながら、両手を高く伸ばす。伸ばしきったところで、10秒キープし、ゆっくり下ろす。


胸を広げるイメージで、できるところまで手を真横に伸ばしたら、10秒キープし、ゆっくり下ろす。
①と②を5~10回くり返す。

※【関連記事】「[【側弯症とは】背骨が変形する病気で多くが原因不明 収縮した筋肉を伸ばし鍛える2つのセルフケア]」もご覧ください。

なお、本稿は『側弯症は自分で治せる! (専門治療院が教える驚きの実践的トレーニング)』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

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