かなっくホール 開館20周年を迎える 区内の文化・芸術の拠点
神奈川区民文化センターかなっくホールが開館20周年を迎えた。利用者数は延べ約200万人(推計)。7月13日〜22日には、20周年アニバーサリー展も開催され、これまでの歴史を振り返った。
かなっくホールは2004年7月16日、市内6館目の区民文化センターとして開館した。ホールには音響反射板と可動式のプロセニアム(演出効果を高める舞台形式)を備え、初めて音楽にも演劇にも対応する設備の区民文化センターとなった。ホールの緞帳は、浦島太郎伝説を基にした「青海波」のデザイン。よく見ると波間にはカメも隠れている。
開館式典では、公募で集まった女声合唱団や横浜創英高校吹奏学部が演奏を披露した。式典の司会は、オールナイトニッポン初代パーソナリティの斉藤安弘さん。当時の間瀬勝一館長が同じ高校の出身だった縁から実現した出演となった。それから20年が経ち、間瀬さんは「成人式を迎えるかなっくホールが、皆様の文化活動のお手伝いができたのなら『ホール』も喜んでいることでしょう」と祝福のメッセージを寄せた。
市民・著名人が活躍
市民の活動発表はもちろん、著名人も数多く出演し、地域の人々にたくさんの文化・芸術とふれあう機会を提供してきた。現在も地域ケアプラザなどで合唱を披露するコーラスグループ「コールスカイ」は、2006年の開館2周年イベントをきっかけに結成。以来18年間活動を続けている。3周年企画では、詩人の谷川俊太郎さんがオリジナルの詩『ありがとう』を自作。また、テレビ番組『笑点』でおなじみの落語家・春風亭昇太さんは、2011年から毎年独演会を開催。10周年の14年には、お城マニアでも知られる昇太さんと城址を巡るイベントも実施されるなど、ホール利用者には「想い出の師匠」となっている。
16年以降には、現在も続く人気企画「おとなJAZZ」「ランチタイムコンサート」「かなっく寄席」などが続々と誕生。直近のコロナ禍ではガイドラインによる制約がありながらも、地域の文化・芸術の灯を守り続けてきた。
アニバーサリー展では、こうしたホールの歴史の紹介や縁のあるアーティストらからのメッセージに加え、一般利用者の思い出写真展示も行われ、20年の歴史を振り返った。五十嵐誠一館長は、「地域の皆さんの支えがあってこその20年。今後も利用者目線に立ち、30年、40年と愛される場所にしていきたい」と話した。