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【カープ道】 ポスト誠也はアノ選手! 「カープの未来予想図2022」をデータで導く

ひろしまリード

今回の広島ホームテレビ『カープ道』は、プロ野球界のデータを知り尽くすスペシャリスト・データスタジアムの佐々木浩哉さんが登場。2021年のペナントレース全143試合のビッグデータを元に今季の戦力を分析。「データが導くカープの未来予想図」をテーマに、データ分析から見えてきた2022年の戦いを展望する。

データスタジアム 佐々木浩哉さん

「昨年は、パ・リーグで優勝したオリックスの山本由伸投手(2021リーグMVP)や宮城大弥投手(2021リーグ新人王)だったり、カープでも小園海斗選手や林晃汰選手だったり、若い選手が台頭。世代交代が進んだ1年だった」と振り返る佐々木さん。

小園海斗選手や林晃汰選手ら若手が台頭

チーム全体のデータでは「《得失点数》を見ると、2021年は2020年より得点こそ増えたが、失点がかさんでしまって、ここ5年で一番大きいマイナス32を計上。他球団と比較すると、得点はリーグ3位(557)。しかし失点は2番目に多い(589)結果となり、どちらが大きな課題を抱えていたかという点では、失点の方がマイナスは大きかったといえる」。

カープ 得失点差

セ・リーグ 得失点2021

活躍はあったものの失点も多かった投手陣のデータを見てみよう。《先発と救援の防御率》をを比較すると、2021年は前年より救援の数字が4.64→3.50に改善し良くなっている。「それはまさに新人王に輝いた栗林良吏投手のおかげ」と解説。

カープ 先発・救援別防御率

《栗林投手の月別成績》を見ると、目を引くのが自責点。ゼロの月が5回あり「本当に完璧。防御率も驚異の0.86」。

栗林投手 月別成績

《セ・リーグ ストレートの奪空振り率》を見ると、栗林投手は3位。セーブ王だったロベルト・スアレス(元阪神)投手の上をいく成績。「平均球速150〜151km/hの栗林投手が、160km/hを投げる投手と肩を並べる」。その凄さはストレートだけにとどまらず《セ・リーグ フォークの奪空振り率》でも4位にランクイン。2つの球種でトップ5にランクインしているのは栗林投手ただ一人。「まっすぐでもフォークでも空振りを取れる投手はなかなかいない。その上、カットボールも被打率.130とすごく効いていて、カーブも投球のポイントになっている。全部高精度で優秀」と感心する。

セ・リーグ 奪空振り率2021

1年間通して安定の投球を続けた栗林投手に心配されるのが疲労蓄積の問題。プロ1年目で53試合に登板。さらに東京オリンピックに出場するなどフル稼働のシーズンだった栗林投手に、佐々木さんは新たな起用法を提案。「2022年に限った話ではないが、先発をやらせるという手もある。他球団の例だが、若手ピッチャーは中10日あけて登板させる傾向がある。体ができていないので年間の投球回数の調整が必要。回復期間を長く設けることでパフォーマンスを発揮しやすくなる。そういった起用は今後若いピッチャーを育成する上で、トレンドになる可能性を秘めている」という。

ともあれカープは絶対的守護神がいることでリリーフ陣が安定。《7回以降リード時救援登板成績》も、2020年に比べると全ての数字が良くなっていることがわかる。「カープ投手陣の未来予想は、先発陣で安定した顔ぶれを育成できるかがポイント。うまく噛み合うと、安定感を増した救援がしっかりリードを守り切って、うまくつながっていくのではないか」と予想する。

続いては打者。去年は鈴木誠也選手が首位打者。小園選手がトップ10入りするなど、他球団に引けを取らない攻撃陣だが、《カープ ポジション別wRAA(平均的な打者をゼロとして、どのくらい多くの得点をチームにもたらしたか)》を見ると、プラスとマイナスが混在している。一塁・三塁と強打者が守るポジションがマイナス。「今年の戦力で言うと、ファーストを守ると言われているライアン・マクブルーム選手が打ってくれれば、かなりプラスになる可能性を秘めている」。

カープ ポジション別wRAA

その得点をもたらす数値で最も高い値を叩き出しているのが、鈴木選手がレギュラーとして出場していたライトのポジション。「カープのライトが平均的な選手だった場合、40〜50点が総合点からマイナスされる計算になる。さらに平均に満たない選手だと60〜70点差がついていく可能性がある」と危機感を抱く。「カープもチームとして鈴木選手がメジャー志向が強いとわかっていたので、宇草孔基選手や正隨優弥選手、ドラフト3位の中村健人、6位の末包(すえかね)昇大選手など20代後半の若手外野手を揃えている」。

鈴木選手の穴をうめる実力者は一体どの選手だろう? ポジション別wRAAでライトの次にプラスのポジションはキャッチャーの21点。やはり去年セ・リーグ打率2位で大ブレイクした坂倉将吾選手の覚醒が大きい。三振が少なく、フォアボールが多い選手を集めたランキング《セ・リーグ K-BB%ランキング2021》で坂倉選手は4位。「並んでいる面々を見るとベテランだったり中堅だったり。安定してタイトルを獲れるような選手が上にくる。

セ・リーグ K-BB%ランキング2021

逆に2021年のワーストが阪神の佐藤光明選手。若くて勢いがあるので、どんどん振ってアピール。三振が増えて勝負が早いからフォボールも選べない。若くして5位に入る坂倉選手はかなりすごい。打者として安定感のある一番理想的なタイプ。おそらく2022年も坂倉選手が大スランプで全然打てないと言うことは、故障しない限りはおそらくない。坂倉選手が完成度の高い選手になっていくためには、ストライクゾーンで振った時に本塁打が増えると、鈴木選手のような優秀で完璧な打者に近づく」とも。

坂倉将吾選手

また去年はファースト、キャッチャーの2つのポジションで出場していた坂倉投手は、《守備位置別打撃成績》を見ると、負担の大きいキャッチャーの方が打撃成績が良い。さらに、出塁率と長打率を足した《セ・リーグ捕手 OPSランキング2021年》も1位で、球界屈指の打てるキャッチャーだ。

坂倉投手《守備位置別打撃成績》

「カープ打者の未来予想図は、若い外野手がポスト鈴木選手を争う。マクブルーム選手がしっかり機能する。そしてキャッチャーは坂倉選手をメインでたくさん起用すれば、一気に得点力をあげる可能性を秘めている」と、データのスペシャリスト・佐々木さんは描き出した。

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 1月19日放送
ライター 湯谷葉子

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