高嶺のなでしこ 初の東京国際フォーラムホールA公演のライブレポートが到着!
クリエイターユニット・HoneyWorksがサウンドプロデュースを務める、アイドルグループ・高嶺のなでしこ(たかねのなでしこ)。7日は、2月からスタートしたツアー「高嶺のなでしこ Live Tour - Bouquet of 9 flowers -」のファイナル公演の様子のライブレポートが届いた。
【写真】初の東京国際フォーラムホールA公演のライブレポートが到着した高嶺のなでしこ(全3枚)
また、7日18時、この公演で初披露した新曲「生きてりゃいい」のMusic Video Teaserが公開された。
カラフルな衣装を着飾ったメンバーたちが、様々な表情を見せており、この短い映像だけでも高嶺のなでしこの元気さと可愛らしさが垣間見える。東京国際フォーラムでの初披露からますます盛り上がりを増している本楽曲だが、今までとはまた一味違った高嶺のなでしこの姿を見られるようで待ち遠しい。
【以下ライブレポート】
会場の照明が落とされ、「Overture」が流れるなか、メンバーがそれぞれをイメージした花を抱えてステージに登場すると大歓声が沸き立つ。そしてその花がブーケとなっていく様を表現するかのように、ライブは「花は誓いを忘れない」でスタート。爽やかで伸びやかな9人の歌声が、ライブの始まりを告げる決意のように会場中に鳴り響き、色とりどりのペンライトが会場中で揺れる。続けざまに、高嶺のなでしことファンのあたたかなつながりを感じさせる「アイドル衣装」、デートを楽しむ女の子のドタバタストーリーが表現された「メランコリックハニー」、そして人生をポジティブに祝福するような「ライフクエスト」、さらには恋のときめきをストレートに綴る「初恋のこたえ。」と、たかねこが表現する、様々な歌の魅力が会場中に熱気を生んでいった。
松本ももなが「ここまで一緒に走ってきた大切なメンバーと、大好きなファンの方たちのおかげで今この景色が見られています」と感謝の気持ちを告げる。東山恵里沙が「高嶺のなでしこが、HoneyWorksさんに初めていただいた曲です」と言って、「女の子は強い」を披露。女の子が恋をしたときの強さを表現する、とてもたかねこらしいパワーを秘めた歌だ。ソロでつないでいく歌声に、それぞれの思いがこもるようで、思わず引き込まれる。横並びのダンスで魅せるエアギターもキュート。
そして今回のツアーは、「Bouquet of 9 Flowers」というツアータイトルが示すとおり、本編中盤でメンバーそれぞれの魅力にしっかりフォーカスするセトリで構成されていた。9人それぞれが一人一人違った色で、違った個性を持つ花であり、その様々な花が集まって「高嶺のなでしこ」という唯一無二のブーケができあがる。その本質が明確に浮き彫りになる中盤だった。
まず東山恵里沙にスポットが当たる。「みなさん、たかねこちゃんのこと好きですか?私たちもみんなのこと大好きだよ。初めて出会ったときのことを忘れずに大切に歌います」と、「僕は君になれない」を歌い始める。東山の凜とした声が牽引するように、メンバーそれぞれのソロもエモーショナルに響いていく。ブレイクでは東山が思いを込めて「あなたの背中を押せるように」と静かに伝え、その歌声の切実な強さこそが東山の強みだと思い知る。
続いて星谷美来がセンターに。「みんな私たちに会いたかったよね」という問いに大歓声が起こる。そして始まったのが「病名恋ワズライ」。キュートな歌声は間違いなく彼女の個性。
間奏では星谷がメンバーひとりひとりの横に移動しながら、ともにポーズを決めてまわるコミュニケーション。そのパフォーマンスの天性のキュートさに心を掴まれる。
さらに、メンバーが一旦舞台を去るなかで、ひとりステージに葉月紗蘭の姿が。葉月はステージセンターで、スタンドマイクを前に朗読を始めた。変わらない毎日を過ごしていた自分。誰かに合わせるだけの日常。閉ざしていた感情。けれど「言葉にできない気持ちが、静かだった私の世界を変えようとしている」と、秘めたる想いを口にしていった。その後、再び9人が揃い「乙女どもよ。」を歌う。葉月の表情に、高嶺のなでしこの一員であることの誇りが滲む。その秘めた情熱に触れた思いがした。
曲終わりに「さあ次のページへ」と葉月が告げ、手にしていた本を閉じると、次にセンターに立ったのは日向端ひな。日向端はそこで一人芝居を演じてみせた。カメラがその表情を追い、観客はあたかも彼女と会話しているような気分になる。そのコミカルな演技。コメディエンヌ的な表現力が彼女の魅力。そこからの「男の子の目的は何?」は、青春時代のドギマギをとてもフレッシュに表現した。
続いては松本ももなのターン。白いチェアを使ってのソロダンス。しなやかな動きが観客の視線をぐっと引き寄せる。そのダンスの優美さに彼女の魅力の一端を見る。そして全員がステージに戻って「初恋のひと。」が始まると、歌つなぎに合わせて会場からのメンバーコールも最高潮。その声に煽られるように、さらに胸キュンなパフォーマンスで魅せるたかねこ。そして楽曲は「推しの魔法」へ。この曲でのメインは城月菜央。「これからみんなの元に行っちゃうよ!」と、ステージを下り客席フロアを縦横無尽に駆け回るサプライズ。会場中を巻き込んでオーディエンスとのコール&レスポンスは圧巻。この人懐こさと陽のエネルギーは城月ならではだ。
続いて涼海すうがセンターに立っての「ヒロインは平均以下。」。女の子のラブコメみ溢れるどこか自虐的な歌が、涼海の飾らないキャラクターと相まって、とても微笑ましく響く。アップテンポで駆け抜けるこの曲で披露するソロダンスもとにかく爽快。涼海はたかねこの躍動感にブーストをかける存在だ。
そして、ヘヴィなサウンドが響いて、籾山ひめりがキレのよいダンスを披露する。その力強い動きにどよめくような声があがる。ごく自然にほかの8人もジョインしてのダンスパフォーマンスはとにかくかっこよかった。楽曲は「決戦スピリット」。客席の特大のコールにも籾山は「まだ足りないよ、ついてこい!」とさらに煽動。たかねこの持つ絶対的な「強さ」を表現した。籾山のボーカルに牽引されてメンバー全員の声がさらに力強くなっていくのがわかる。これぞ強烈なキャプテンシー。
その「強さ」のバトンを受け取るのはやはり橋本桃呼だ。彼女自身によるナレーションが、「アイドルって何を見せる仕事?悔し涙は偶像には必要ない?」と自問を投げかける。「この世界は嘘でできている。それでも私はここにいる」と告げる、そのモノローグをコンテンポラリーダンスで表現するメンバーたち。そのダンスが内省的な世界へ引き込み、「この世界は嘘でできている」の披露。橋本の表情に、歌声に、演技とは思えぬ切実さが滲む。これが橋本の本気のエモーション。そしてこの歌を表現できるのが高嶺のなでしこなのだ。
こうして9人9様の魅力を見事に表現してみせた、このツアーならではの演出が見事だった。
そしてライブ後半、「撮影可能タイム」として2曲。「国内初披露の楽曲」と紹介して、「私は、わたしの事が好き。」を弾けるような歌声で届けたあとは、「(メンバー全員が)みなさんの近くに行っちゃいます!」と、客席に9人が散らばりながらの「可愛くてごめん」。ファンとゼロ距離で歌を届ける究極のサプライズ。たかねこのライブは、どれほど大きな会場になってもこの親密な距離感が魅力だ。そしてまたステージに戻ると、終盤のラストスパート。「世界は恋に落ちている」、「誇り高きアイドル」でのパフォーマンスには、このツアーを経て、メンバー9人それぞれに新たな自信が芽生えたことを感じさせた。ステージングに迷いがない。そして「恋を知った世界」では、強さだけではない、繊細な感情を歌に込める表現力にも進化を感じた。
ラストは「9人のメンバーと、皆様で作ってきたこの花束、最後に聴いてください」と東山が告げて「I'M YOUR IDOL」を。力強く響く楽曲が、とびきりポジティブに現在と未来とを照らすように届けられた。このライブは高嶺のなでしこの、しなやかで誇り高いアイドルとしての決意表明だったのだと思う。
アンコールの「たかねこコール」が響くなか、スクリーンに「エースコックはるさめ×高嶺のなでしこキャンペーン」の映像が流れ、そのままタイアップ曲「生きてりゃいい」を初披露。とてもあたたかく、そして頼もしく背中を包むようなチアアップソングであった。この楽曲は、5月13日から配信リリースされることも告知され、さらに会場は沸く。嬉しい告知はまだ続く。7月12日に全19組が出演する「たかねこフェスvol.6 〜サマーセッション〜」がEX THEATER ROPPONGIで、そして8月6日には「高嶺のなでしこ 4周年 Special Live」がKT Zepp Yokohamaで開催。また、翌8月7日には「4th ファンミーティング」がヒューリックホール東京で行われることも発表された。
その祝祭ムード溢れるエンディングのなか、さらなるアンコール曲として「ファンサ」、そして最後はやはり高嶺のなでしこといえばこの曲「美しく生きろ」。ステージと客席とで、どこまでも高まっていく歌声と歓声が響き合った。「アイドルよ!」と問いかける歌声に、9人の確信が滲んでいた。1本のライブのなかで、高嶺のなでしこというグループの、進化の軌跡をまざまざと見せつけられたような心地がする。1人1人の輝き、そして9人でひとつになることの誇り。まさに気高く可憐に揺れる、美しいブーケを受け取ったような、そんなライブだった。
Text by 杉浦美恵/Photo by 林晋介