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「がんばれ」と言わない。落語家であり僧侶・露の団姫さんに学ぶ 「心が楽になる穏やかな生き方」

saita

まるこさん落語

落語家でありながら、実は天台宗僧侶でもある露の団姫さんに仏教の教えを取り入れた生き方について教わる第2回。今回は、団姫さん作の「仏教落語の面白さ」と「宗教との出会い」について、です。

縁日寄席に伺いました。

寄席に行ったことはありますか?
露の団姫さんのお寺、道心寺では「3」の付く日に縁日寄席が開かれています。お芝居や映画なら2時間で1本ですが、落語なら3~4本のお話が楽しめるので、気分転換にはとてもいいエンターテインメント。そして何より大笑いできるのがストレス解消にも最適です。ワクワクしながら2階へ上がると、すでに会場は満席。実は寄席の前に団姫さんが仏の教えを現代の出来事や人々の思いに絡めて語られる「法話会」があり、こちらから参加されている方も多いとのこと。
団姫さんの人気とお寺の活動が地域に根付いていることがよくわかります。

みんなの日常に生かせる!仏教の教え

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前回もご紹介した、団姫さんの著書「ぽくぽくぽく・ち~ん」で、団姫さんは最もお気に入り&オススメとされている法華経というお経の教えをわかりやすく説いておられます。お釈迦様、仏教、法華経と聞いて「あらステキ!」と思われる方は、おそらくあまり多くはないだろうと推測しますが、この本の中には日常生活の中で誰にでも起こりうる悩みについて、団姫さんがわかりやすく「心の持ちよう」を指南して、楽になる方法を教えてくださっています。

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少しその悩みを挙げてみると…いじめられたとき、妊娠したい時、恋人にフラれたとき、自分が何をしたらいいかわからないとき、嘘をつかれたとき…などなど。
どうですか?こんな経験、ありませんか?どうやって乗り越えてきましたか?団姫さんは決して「がんばれ」とは仰いません。気持ちの持ち方、自分を納得させる方法にについて、しんどい心に寄り添って語り掛けてくださいます。

仏教落語「ホトケは君をホットケない」

落語で大笑いしていた高座のすぐ横には、本堂があります。正面におられるのが本尊・明星観世音菩さま。左手に金星を持ち、その光で人々を 暗闇から明るい世界へと導いてくださる仏さまだそうです。金星を手に…というところに惹かれて、明星観世音菩薩さまのことをたくさん調べましたが、その話はまたいつか(笑)ということで、今回は、団姫さん作の仏教落語について触れます。

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団姫さん作の仏教落語「ホトケは君をホットケない」は、暴走族にいた17歳の少年がバナナの皮に滑って転び、打ちどころが悪くて亡くなった(!)ところから物語がスタートします。オカンが棺の中に六文銭を入れるのを忘れたせいで三途の川を渡ることができず、お地蔵さまの計らいでハローワーク極楽で紹介されたスーパー・サンズ・リバーにて働くことになるのですが…どうですか?もうすでに「ふふっ」と笑ってしまうでしょう?

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ガードマンは仁王さま、本名は金剛力士。お寺の門で「あ・うん」の呼吸で悪いものを入れないように守っている、というわけです。続いて現れるのがドラッグストアの薬師如来さま。ここに来る人々の体の不調を治すために業務?に勤しんでおられます。
さまざまな仏さまが適材適所で力を発揮するスーパー・サンズ・リバーを巡る中、少年は最後にレジ係の「お釈迦さま」に会い、「反省しているのなら、過去(生前の悪事)を全て許しましょう。」と告げられ、迎え入れられます。そして「得意分野で自分を生かして人のためになるように。」と教えられます。(とても面白いので続きはぜひ落語会か本で!)

私は、スーパー・サンズ・リバーの案内係

「団姫さんなら、スーパー・サンズ・リバーではどんなお役目を?」とお聞きすると、「私自身は、法華経の教えやお念仏の教え、坐禅や密教の教えを通して、さまざまな方法で信仰のお手伝いをする案内係だと思っています。車でスーパーに来ると最初に会う、駐車場スタッフのような役割でしょうか。」

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宗派によって違いがありますが、お題目やお念仏、坐禅、写経、御朱印など一般人が仏教と触れ合える活動はさまざま。団姫さんはその中から「一度坐禅をやってみますか?」「写経をしてみるのはどうでしょう?」と、ご提案されるそうです。その内容は、ご本人の望んでいる生き方やお悩みに合わせている、とのこと。ひとりひとりにきめ細かく寄り添っていただけるのが心強いです。

信仰のきっかけ

ここで道心寺に通う方々が、どんなきっかけで信仰をもつことになったのかを聞いてみると「ご家族との死別とか、大きな悩みを抱えられて…という深刻なタイミングでは必ずしも無いようですね。パワースポット巡りや御朱印集めに興味があった、という方が、もっときちんと仏教を学びたいと思って来られる場合が多いです。信仰を始めたいというよりも、お寺と近くなりたい、仏教を知りたい、という動機ですね。お寺は気軽に訪れていただくものだと思っているので、きっかけが御朱印集めでも落語会でもいいので、仏の教え、心に触れていただけるのは嬉しいことです。」
宗教、仏教という言葉にはつい堅苦しいような、敷居が高いようなイメージがありますが、小さな悩みや少しの迷いを自分らしく解決するヒントが満載です。御朱印をいただいた時には、ぜひそのお寺のご本尊や神社の祭神について学んでみたいですね。

お話を伺ったのは…露の団姫(つゆのまるこ)さん

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1986年生まれ。兵庫県尼崎市在住。
落語の創始者、初代・露の五郎兵衛が僧侶であり、説法をおもしろおかしく話したことが落語の起源と知り、高校卒業を機に初代・露の五郎兵衛の流れを組む露の団四郎へ入門。
2011年、天台宗で得度。2012年、比叡山行院で四度加行を受け正式な天台僧となる。
年間250席以上の高座と仏教のPRを両立し全国を奔走する異色の落語家。

みやむらけいこ/ライター

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