最高気温35℃以上の猛暑を境に、出社意欲が低下 7割超がテレワークなど通勤負担の配慮を要望
パーソルキャリア(東京都千代田区)の調査機関「Job総研」は6月8日、最高気温35度以上の猛暑を境に個人の出社意欲が低下し、9割が業務の生産性に支障を感じているという調査結果を発表した。
夏の暑さが出社や通勤を仕事に及ぼす影響や、職場の熱中症対策の理想と実態などについて調査。出社回帰が進む中、夏季の理想の働き方として、テレワークを希望する割合と実際の出社状況との間に大きなギャップが生じていることなどが示された。
新たに設定された「酷暑日」、出社したくない7割超
調査によると、最高気温が「猛暑日:35℃以上」以上になると、出社したくない人が約半数に達する(「猛暑日以上」と「酷暑日以上」の合計)。また約3人に1人は「真夏日:30℃以上」でも出社意欲が低下すると答えている(32.5%)。
2026年から最高気温が40℃以上の日の名称が「酷暑日」に決定したが、酷暑日の出社意欲について聞いたところ、7割以上が「出社したくない」意思を示したことが明らかになった。最多の「できれば出社したくない」(32.7%)をはじめ、28.9%が「原則テレワークにしたい」と回答。「休業・特別対策が必要だと思う」人も11.7%いる。
別の設問では、76.0%が今夏は「出社が多い」と答えた一方、夏の理想の働き方では61.7%が「テレワーク希望」と回答しており、実態と理想に大きなズレが生じていることも示された。
夏の暑さが業務パフォーマンスに影響、体調不良経験者も
夏の暑さが仕事に及ぼす影響については、ほぼ全員が「影響する」と回答(90.1%)。具体的な業務への支障として、最も多いのは「集中力が続かなくなる」で61.9%だった。38.6%が「作業スピードの低下」、33.3%が「判断力の低下」と答えており、業務パフォーマンスへの直接的な影響が浮き彫りになった。
また、回答者の半数以上が夏の出社で体調不良を感じており(58.1%)、症状としては強い疲労感やめまい・立ちくらみのほか、頭痛や脱水症状、熱中症などが挙がっている。
「通勤が何よりも苦痛」暑さで増加する移動負担
夏の出社で負担を感じる場面のトップは、「自宅から駅までの移動」で56.1%だった。48.9%が「満員電車・バス」、33.4%が「帰宅時の暑さ」と答えており、調査では出社への抵抗感というより、職場へ向かう過程での負荷が課題になっている可能性を指摘する。回答者からも酷暑下での通勤に悩まされている実態が明かされた。
・通勤が何よりも苦痛。ほかの人の体温と相まって電車が苦しい。通勤を考えるとモチベーションが下がる
・年々増す暑さで健康被害に悩まされる。酷暑レベルでの出社や通勤が不安になる
安全面にもかかわる職場の暑さ・熱中症対策、「不十分」7割超
職場の暑さ・熱中症対策が「不十分」と感じる人は70.9%に達した。企業に求める対策で最も多かったのは「テレワークの推奨」で58.7%。次に「出社判断を個人に委ねる」が36.3%で続く。時差通勤の導入(29.4%)や、通勤負担への手当支給(28.9%)など、通勤への配慮に関する項目が上位に挙がった。
回答者からは「早い時間に出社したいが、空調が動くのが朝9時なので、出社しても暑い状態が続きしんどい」など、オフィス環境の影響を訴える声も寄せられた。調査では、「特に酷暑日は、就業環境や生産性、安全面にもかかわるテーマとして捉えられ始めていることがうかがえる」として、企業には通勤の負担減など、酷暑対策や熱中症リスクへの配慮がより求められるとしている。
『月刊総務』の調査では、84.4%がテレワークよりオフィスの方が生産性高く働けると回答している。
「2026年 夏のはたらき方実態調査」は、全国の20歳代から50歳代の男女に5月20日から25日の間インターネット調査で実施し、446人から有効回答を得た。調査の詳細は同社公式リリースで確認できる。