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【山鹿市】知っているようで知らない世界。山鹿灯籠民芸館には、一体何があるのか?

肥後ジャーナル

【山鹿市】知っているようで知らない世界。山鹿灯籠民芸館には、一体何があるのか?

山鹿。 レトロな雰囲気とお洒落なカフェやお店が建て並ぶ、今注目のスポットです。 その中でも一際目を引く、西洋レトロな建物が...

こちらの山鹿灯籠民芸館。 今から100年前、1925年の大正時代に設立された旧安田銀行山鹿支店という登録有形文化財です。 熊本県民なら誰しも一度は耳にしたことがある「山鹿灯籠」ですが、そもそも山鹿燈篭とは一体何なのか…? それを探りに、山鹿灯籠民芸館へ行ってきました!

山鹿灯籠って何?

山鹿祭りで頭に乗せる、金灯籠

山鹿灯籠→ 毎年8月15日から17日の明け方にかけて行われている「山鹿灯籠まつり」は、菊池川一帯に立ちこめた深い霧に進路を阻まれた景行天皇のご巡幸を、山鹿の里人が松明を掲げてお迎えしたという言い伝えに由来しています。その松明が室町時代の頃から和紙で作った灯籠の奉納へと変化していき、その奉納灯籠が和紙工芸となったのが「山鹿灯籠」です。 館内では「山鹿灯籠まつり」の紹介ビデオを見ることができますよ。 ちなみに山鹿燈灯籠興会公式HPでは、山鹿灯籠が発展していった経緯についてこのように説明があります。

和紙の原材料である楮の栽培及び紙漉きも全盛期であった江戸時代、山鹿の繁栄を支えた「旦那衆」とよばれる実業家によって和紙工芸による技の競り合いが盛んになりました。そうして、藩主をもてなすものとして、神事の奉納品として、人を呼び込む観光資源として発展し、現在のような高度な技術を要する和紙工芸「山鹿灯籠」が確立したといわれています。

『日本書紀』にも大足彦忍代別天皇として名が載る景行天皇時代(今からおよそ1700年前)の言い伝えから、室町時代(今からおよそ500年前)の奉納灯籠を経て、江戸時代に技術が確立し、現在も山鹿灯籠まつりと共にその技術が受け継がれている山鹿灯籠。 そのあまりに長い歴史とそれが現代にも続いている奇跡に、はわ…、と、思わずため息が漏れてしまいます。 そして山鹿灯籠はその歴史と作法から、平成25年12月に小代焼、天草陶磁器、肥後象がんに続き、4品目の国指定伝統的工芸品にも指定されました! 一見、金属のように光り輝いている山鹿灯籠は、女性たちが頭に乗せるにはさぞや重い気がしますが… 実は、和紙と少量ののりだけで作られているんです。ただ和紙と紙で作れば良いというものではありません。その制作には鉄則があり1、木や金具は一切使わず、和紙と少量の糊だけで作られる。2、柱や障子の桟にいたるまで中が空洞である。3、灯籠としての美しさや迫力を表現するために、建物などを単なる縮小ミニチュアではなく、独自の寸法で工夫して作られる。という厳しいルールがあるんです。 種類としては山鹿灯籠は神殿造り・城造り・座敷造り・矢壺・鳥籠・金灯籠といった多種多様な種類があります。その中の「金灯籠(かなとうろう)」は先ほどご紹介した、女性たちが頭に乗せる山鹿灯籠ですね。

内部まで再現された、実際の建物もここから近い八千代座。

この建物である山鹿灯籠民芸館の山鹿灯籠もあります。 この重厚感。とても和紙で作られているとは思えませんね…!

また、山鹿灯籠の大切な役割として「奉納灯籠(ほうのうとうろう)」というものがあります。読んで字のごとし「奉納する灯籠」である灯籠は、毎年8月15日に山鹿の各町内でそれぞれの山鹿灯籠を展示し、8月16日の夜に町衆たちによって大宮神社に奉納されます。 山鹿の街中の奉納灯籠を、実際に見に行かれるのもお勧めです!

灯籠の展示以外も見どころ満載!

1階の展示を見終えて、2階に上がると…

山鹿灯籠の制作製技術を集大成、広く公開した松本精記(1880~1973)の紹介と、当時実際に使われていた山鹿灯籠制作に関する資料が展示されています。

山鹿灯籠の種類の1つである、鳥籠も左奥に展示されています。

歴史を感じる部屋を味わい、また違う部屋に移動すると

今度はぐっと現代的なフォトスポットが。 浮いている幾何学模様は山鹿灯籠制作の技術を使って作られています。

この部屋の他にも山鹿灯籠の美人画が展示されていたりと、見どころ満載です。

灯籠師の「紙技」を見学!

実はこちらの山鹿灯籠民芸館、別館があります。その別館では何が行われているかと言いますと…

ここでは、山鹿灯籠の職人である灯籠師を目指す若手職人の実演を間近で見学することができるんです。なだらかな曲線をのりしろも使わず美しく仕上げる技術は神業…もとい、「紙技(かみわざ)」です。 話しかけても大丈夫です、とのことだったので制作のお邪魔にならない程度にお話しさせていただいたところ、本日勤務されていらっしゃった平山さんはもう修行して数年になられるそうですが、まだまだこの業界では若手という…流石、伝統の世界です。 ちなみに平山さんは元々プラモデルを作るのがお好きだとか。手先の器用さを伝統工芸の世界でも活かしていらっしゃるんですね。

山鹿灯籠民芸館ではミニ灯籠作り体験をすることも出来るので、現役の灯籠職人に習いながら金灯籠を作ってみるのはいかがでしょうか?(体験料 1500円/所要時間 1時間半/前日正午までの要予約) こちらの別館では山鹿灯籠を被って写真を撮ることもできます。

実際に乗せてみると、その軽さに驚きますよ!

歴史とモダンが調和する山鹿灯籠民芸館。皆さまも、是非足を運ばれてはいかがでしょうか。

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