9割が育休を希望する時代に企業はどう備えるべきか? 厚労省調査から探る、若手人材の定着策
厚生労働省の「共育(トモイク)プロジェクト」は8月3日、「仕事と育児の両立に関する意識調査」の速報結果を公表した。この調査は7月31日に開催されたイベント内で公表されたもの。
調査の結果、共育てに前向きな回答は若年層の約7割に上り、子育てと両立しやすい職場では「今の職場で働き続けたい」との回答が8割に達した。企業の職場環境づくりが、人材の定着に直結する実態が浮き彫りになった。
若年層の7割が「共育て」に前向き 両立しやすい職場では定着意向が8割に
調査によると、共育てについて「これからの時代に必要」「より子育てしやすい社会になる」などポジティブに捉える若年層は約7割に上った。「共育てのかたちは家庭ごとにそれぞれ」「社会や職場の支援が必要」との回答も約7割を占めた。
育休取得の意向を尋ねたところ、子どもを持つことを希望する若年層の約9割が取得を希望し、そのうち約7割が「1か月以上」の取得を望んだ。男女別では、男性が5割超、女性は約8割が1か月以上の取得を希望している。
さらに、自分の職場を「子育てと両立しやすい」と感じている人は、そうでない人に比べて「今の職場で働き続けたい」との回答割合が44.9ポイント高く、約8割に達した。
企業に求められる「職場のワンオペ化」脱却 業務量の適正化が課題
一方、家事・育児の分担については、理想と現実にギャップがみられた。配偶者・パートナーとの分担割合について、希望する割合を尋ねたところ「5:5」との回答が約4割で最多だった。しかし、実際に「5:5」を実現できている家庭は約2割にとどまった。
希望する働き方を実現する上でのハードルとしては、「業務量」「長時間労働」「突発的な業務」「上司の理解」「勤務時間の柔軟な調整」などが上位に挙がった。
また、希望する働き方と仕事の両立を実現できている要因としては挙がったのは「業務量が適切で、時間の余裕がある」「同僚・チームの理解や協力」「上司・管理職の理解」など。実現するために企業に求めることとしては、「業務量の適正化」「上司・管理職の理解促進」「長時間労働・残業の削減」「制度を利用しやすい雰囲気づくり」が上位に並んだ。
こうした結果について、同プロジェクト推進委員座長の羽生祥子氏は、男女とも育休を1か月以上取得したいという希望者が半数を超えている点を挙げ、働く人々のニーズへの理解を職場に求めた。
推進委員の平野翔大氏も、業務量や長時間労働、突発的な業務がハードルとして挙がる状況について、「職場のワンオペ化」という構造的な課題を示すものだと指摘している。
同調査は6月13日から17日にかけてインターネットで実施し、全国の17歳から39歳の男女1万5845人から回答を得た。調査の詳細は厚生労働省の公式リリース(PR TIMES)で確認できる。