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正門良規が若き登山家役を熱演 『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド~虚空に触れて~』開幕前会見&プレスコールレポート

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(左から)田中亨、浅利陽介、正門良規、古川琴音、トム・モリス

Aぇ! groupの正門良規が主演する、パルコ・プロデュース2024『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド~虚空に触れて~』が2024年10月8日(火)にPARCO劇場で開幕。開幕直前には、プレスコールと開幕前会見が行われ、正門と古川琴音、田中亨、浅利陽介、演出のトム・モリスが登壇した。

本作は、登山家、ジョー・シンプソンが1988年に執筆した回想録を舞台化。ジョーがサイモン・イェーツとともに、ペルーのアンデス山脈にある標高約6400mのシウラ・グランデ山に登頂した際に、実際に起きた壮絶な遭難事故から困難を乗り越えて生還を果たす姿を描く。日本では、今回が初演となる。

この日、プレスコールでは4シーンを披露。まず、ジョーの姉・セーラ(古川)とサイモン(田中)、ジョーの登山仲間のリチャード(浅利)が「なぜ山に登るのか」を話すシーンからスタートした。サイモンから説明を受けているうちに、セーラはいつの間にか岩壁を登っている気分になる。それまで使っていた机を岩壁に見立てて、必死でよじ登ろうとする古川の演技は迫真に迫り、見応えのあるシーンになっていた。

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

続いて、セーラとサイモンとリチャードが会話をしている奥からジョーが登場するシーンを公開。4人が揃って、シウラ・グランデの地図を覗き込み、山の美しさに魅了されていく姿を楽しそうに魅せた。

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

その後、リチャードがセーラとジョーの話をしていると、その背後にシウラ・グランデが出現する場面を披露した。そのシウラ・グランデに、ジョーとサイモンは登っていく。鉄骨で組み立てられた“シウラ・グランデ”は圧巻の一言。まるで本物のアルプス山脈かのような美しさと壮大さを感じさせるセットは大きなインパクトを残した。

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

そして、最後に、その山脈を登っていたジョーとサイモンが雪山の中で一夜を過ごす場面が演じられた。二人は、雪穴から見る美しい景色に感動しながら夜を明かし、翌朝、山頂に成功して、最後の食料のチョコ・ダイジェスティブを食べる。ところが天候が悪化して、緊急ビバークが必要となってしまう。ジョーとリチャードが互いを気遣いながら夜を明かすシーンでは、観客席も山の中になったかのような寒さも感じるほど、正門と田中の芝居に引き込まれた。

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

今回、プレスコールで公開されたのは20分程度のシーンだが、そのわずかな時間でも舞台上で立体化するのが難しい雪山を見事に出現させ、雄大な自然と過酷な登山を客席も一緒になって体感することができた。全編を通して観劇することで、きっとさらなる大自然の脅威や美しさを感じられることだろう。

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』舞台写真

プレスコール後には、演出のトムも含めて会見が行われた。

ーー演出のトムさんから、本作を初めて観る日本のお客さまにメッセージをお願いします。

トム:初めての日本版を作り上げていることに楽しみを覚えています。素晴らしい時間を過ごしております。そして、演劇づくりをするのにこれほど素晴らしい場所で自分が携われていることに大きな喜びを感じています。東京はとてもエキサイティングな街であるだけでなく、各セクション全てのスタッフ、キャスト陣一丸となって、類まれな仕事っぷりで最高峰の公演ができています。素晴らしいキャスト陣のスキル、素晴らしさに感銘を受けています。この公演を作っている間、みんなで楽しいハッピーな時間を過ごしてまいりました。

トム・モリス

ーー出演者の皆さんから、プレビュー公演初日を迎える今のお気持ちや意気込みを聞かせてください。

正門:ついに初日がきたなと、ワクワクドキドキしております。先ほどお見せしたセットもそうですし、やることが4人にしては非常に多い作品です。その分、感動とエネルギーの詰まった作品になっていると思いますので、期待をして劇場に足を運んでいただけたら嬉しいなと思います。

古川:待ちに待った初日がきたなという気持ちです。一刻も早く皆さんに観てもらいたいなと思っています。ここ数日は、舞台稽古で本物のセットと本物のエフェクトの中でお芝居をしていたんですが、今すぐ舞台を降りてお客さんとして見たいというシーンがたくさんあって。自分自身がそう思える舞台に出演できていることが私にとっては本当に幸せなので、感無量です。でも、舞台が開けてからもみんなと一緒に新しく探りながらお芝居できたらいいなと思っています。

古川琴音

田中:鬼のように段取りが多いんです(笑)。一つひとつが危険なので、慎重に、丁寧にやっていきたいと思います。舞台でこんなことをやっていいのということが盛りだくさんな気がしていて、お客さんに早く観ていただきたいですし、その反応が今から楽しみです。

浅利:お二人がアンディ(※)に登りますが、アンディのおかげですごくいいお芝居ができているので、そこも観てもらえたらと思います。後半ではシウラ・グランデがどんな山なのかがきれいにバックグラウンドに映るんですが、それが美しくて、こういう山なんだとリアリティを感じていただけると思います。それを受け取って、渋谷の街に出ていってもらえればいいなと思います。

(※カンパニー内で使われている、シウラ・グランデのセットの呼び名。アンデス山脈からきているそう)

ーー正門さんは、これまで登山やロッククライミングの経験はあるんですか?

正門:ロケで一度、三人四脚で六甲山を登るという経験をしました。だから、この人たち並みにクレイジーなことは1回やっているんです(笑)。ただ、アルパインスタイルという二人一組でアイスピッケルを使ってという本格的な登山はないので、勉強、勉強の日々でしたが、監修の方に丁寧にイチから作品についてや山について教えていただけました。昨日、その監修の方がゲネプロを観てくださったんですが、すごく興奮したテンションで「良かったよ」と言っていただけたので、そこはひとつクリアできたのかなと自信を持っています。

ーーどんなトレーニングをしたのですか? 体も作りましたよね。

正門:体作りもしました。各々やっているところもあれば、稽古前にピラティスとかヒートのトレーニングの時間もあって。結構、特殊な工程でした、稽古自体が。それは全員やっていますし、今日も朝イチでやりました。

正門良規

浅利:個人的にもジムに行っていたでしょう?

正門:行ってました。

浅利:どんどんデカくなっていたよね(笑)。日に日にデカくなっていないかって。それは、享もそうで。腕も太くなっていて。

浅利陽介

田中:アンディのおかげです。

トム:とてもフィジカルな身体を使う公演なんです。良規と享にとってはオリンピックのようなもので、今は効く身体になっています。幕間は汗だくになっています。こんな演劇はほかにないですよね(笑)。

正門:ないない、最高にエキサイティングです。

ーー最後に、楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

トム:この公演を日本の観客の皆さまがどのように捉えてくださるか楽しみにしています。稽古場にいらっしゃった方々が「こんなの舞台でできないでしょう」と言いました。でも、この4人はそれを舞台上でやってのけてしまう。東京、日本全国の方々が観にきてくださるのを楽しみにしています。

田中:とにかく僕たちとしては安全に一公演一公演やっていきたいと思います。ちょっとでも怪我したらできなくなっちゃうので(笑)。でも、自分を守りすぎずに、ちゃんとお客さんに届けることを意識して、自分自身も楽しんでいけたらと思っています。

田中亨

浅利:近年、稀に見るくらい大変な仕事に携わったなという実感があります。ですので、とりあえず毎日毎日、一公演一公演、しっかりやっていきます。6000m級の山の上にお客さんを連れていけたらと思っています。楽しんでいただければ。

トム:もう一つ、付け加えさせてください! この公演はエキサイティングさと危険を扱っています。ですが、笑える瞬間もありますよ。いらっしゃっていただく方に申し上げたい。笑いたくなったら思いっきり笑ってほしいです。

古川:本当に皆さん、驚かれると思います。その空気を早く肌で感じたいと思っています。私自身も登山の経験はほとんどないですが、心を震わされるような、心に届くメッセージがたくさん詰まった作品になっているので、ぜひたくさんの人に観にきてもらいたいです。

正門:無事にこの日を迎えられたので、あとは一歩ずつ、丁寧に安全第一で、観客もスタッフさんも僕ら演者も全員が楽しむということが大事なことだと思います。小説が原作ですし、映像化もされていますし、ファンの多い作品ですが、僕は一番、舞台でやる意味があると思います。皆さんに体感していただいて届く感動があると思っていますので、ぜひ舞台で、生でこの作品を感じていただけたらと思っています。

取材・文・撮影=嶋田真己

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