市立小学校の統合 「地域の衰退」を懸念 シンポに40人参加
横須賀市立小学校計4校が4月に統合することを巡り、市民団体の「ヨコスカをよくする会」は25日、同市日の出町のヴェルクよこすかでシンポジウムを開催した。対象校に通う児童の保護者や地域住民ら約40人が参加。小学校統廃合に関する課題意識を共有した。
同市では来年度から走水小と馬堀小、田浦小と長浦小が、それぞれ後者の学校名と校舎を引き継いで統合する。
走水小PTAの中村育己さんは、同校と馬堀小の統合に向けて児童らが複雑な思いを抱いていることを報告。「家では前向きな声かけをしているが、子どもの気持ちを無理に変えるのは難しい。今後の計画ではより子どもに寄り添う姿勢を見せてほしい」と訴えた。
坂本中校区が対象に
逸見、沢山、桜、汐入各小学校(坂本中学校区)が対象となる「横須賀市教育環境整備」の後期計画は当初2026年度からの開始とされていたが、市教委は想定よりも児童減少が進行していることから「喫緊の課題」として前倒しで今年度中に着手する構え。同地区では昨年、保護者ら地域住民らによる「横須賀坂本中学校区小学校再編地域課題検討会議」が発足し、山越えやトンネルでの通学となる統合後の児童の安全などを議論している。
「学校は地域の拠点」
「子育て世代は学校のない地域に住みたいと思うだろうか。まちが衰退しないか心配」。シンポジウムでは、小学校がなくなることによる流入人口の減少に危機感を持つ声もあがった。かつて汐入地区で学校統合計画に反対した関係者は学校がなくなることで地域の空洞化が進む可能性を指摘。一方で、「『統合はだめ』という一方的な意見だけでは議論が進まない。結論ありきにならず、行政と意見を交わすことも必要では」といった意見も挙がった。