燻香漂う大人の味、師匠への思いと品格に満ちた焼き菓子ギフト
2015年12月、福岡市内の桜坂に開業し、今やお客様の絶えない人気店となったパティスリー「オー フィル ドゥ ジュール」。その看板商品である焼き菓子「ビスキュイモカドール」が生まれたのは、2019年11月のことでした。
私が最初にこのお菓子をいただいた時、思わず涙ぐみそうになりました。シェフの吉開雄資氏のこれまでの歩み、深い思いが滲み出るような品だったからです。
この「ビスキュイモカドール」は、吉開シェフが、パリの「ホテル ル・ブリストル」で共に過ごした師匠、故ローラン・ジャナン氏への敬意と感謝を込めて創作した焼き菓子。
師が好んだコーヒーと葉巻の要素を採り入れ、コーヒー味のバタークリームにほのかな燻製の香りをつけ、細長いアーモンドのビスキュイでサンド。美しい金箔の文字を施した木箱風のボックスを開くと、まるで葉巻がシガーボックスに収められているかのよう。品格に富んだお洒落な雰囲気です。
ダックワーズの生地のようなビスキュイは、表面はサクッとして中は少し引きのある歯応え。アーモンドの豊かな風味が、コーヒーのクリームの香り高さを引き立てます。強すぎず、けれども印象的なスモーキーさが、このお菓子でしか味わえない唯一無二の存在感を醸し出します。
さかのぼれば、吉開シェフと最初にお話したのは2007年頃。茨城県・結城市の「アルチザン・パティシエ・イタバシ」で二番手を務めていらして、師匠の板橋シェフがそうであったように、間もなくフランスに修業に行かれると伺いました。
その後、約7年の間に、パリで働いていらした吉開シェフを何度か訪ねました。その中でも、ミシュラン3つ星のメインダイニングを備えた格式あるホテル「ル・ブリストル」で、シェフパティシエとして活躍されていたローラン・ジャナン氏の右腕を務められた日々は、吉開シェフにとって輝きと充実感に満ちた大切なものでした。
私も、吉開シェフの友人だからと歓迎していただき、デザートを作っている厨房の様子を見学させていただいたことが懐かしく思い出されます。
帰国され、故郷の福岡でご自身の店をオープンされた吉開シェフ。その店名「Pâtisserie au fil du jour」は、フランス語で「パティスリーの流れゆく1日」を意味し、ジャナン氏の書籍のタイトルをもらったもの。ジャナン氏は2017年7月に若くしてご逝去され、パティスリー業界に大きな衝撃が走りました。
そんな悲しみを乗り越え、師匠から受け継いだ精神を軸として、ご自身ならではのお菓子を作り続ける吉開シェフ。その姿を、ジャナン氏も天国から笑顔で見守ってくださっているに違いありません。
1本入、5本入、10本入、15本入から選ぶことができ、用途に応じた贈り物にもぴったりです。コーヒーと相性がいいのはもちろん、ミルクティーなどともよく合いますし、コニャックやウィスキーと合わせる大人ならではの楽しみ方もお勧めですよ。
商品名:ビスキュイモカドール 5本入り
販売:オー フィル ドゥ ジュール
文:お取り寄せの達人:平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)