展示室の中は国の文化財だらけ!御影郷『菊正宗酒造記念館』で感じる“酒造りの趣” 神戸市
酒造りの原点、ここにあり!今回伺った『菊正宗酒造記念館』(神戸市東灘区)は、”日本一の酒どころ”である灘五郷の1つ・御影郷で360年以上にわたって酒造りを行う「菊正宗酒造」が運営を行っています。
国の重要有形民俗文化財にも指定されている「灘の酒造用具」を始め、酒造りの情景がありありと浮かぶような臨場感のある展示を楽しむことができます。今回はそんな展示の見どころと、おすすめ商品を取材してきました。
入館してすぐの場所にあるのは、ケヤキの1枚板で作られた大きな看板。同館は戦争や阪神・淡路大震災の被害を受けたものの、柱などは1659年に酒蔵が建てられた当時のものが使用されているそうです。
酒造りにおいては細菌の繁殖リスクが低い「朝3~4時」が適した時間といわれており、展示室はその時間帯の趣を表した薄暗くて静かな雰囲気となっています。またここに展示されている道具の多くが、国の重要有形民俗文化財に指定された貴重なものです。
まずは「会所場」。灘五郷では農閑期に丹波篠山からやってきた杜氏や蔵人が酒造りを行うことが多く、こうした部屋で暮らしを行っていたとのこと。
米の洗い方もその米や踏桶の水の様子、その日の天気などに併せて少しずつ変わるのだとか。細部にまで宿るこだわりがその味の決め手となるのですね。
米は窯場で蒸された後、40℃ぐらいの温度に保たれた「麹室(こうじむろ)」にて麹がつくられます。
麹と並び、酒造りに欠かせないのが「酛場(もとば)」で育てられる酵母。中でも「半切(はんぎり)」や「暖気樽(だきだる)」といった道具は今でも”現役の道具”として菊正宗の酒造りで使用されているのだとか!
70年もの間大事に使われてきた道具には、独自の乳酸菌が宿っているそう。そうして作られたお酒は、伝統と歴史を体現しているといえますね。
このあとお酒は「造蔵」で仕込まれ、早いものでは2週間ほどで醗酵が完了。「槽場(ふなば)」で圧搾された後、「囲場」で火入れなどを行い完成です!
見学を終えたところで、担当者から「動物の名前がついた道具があったことに気づきましたか?」とのクイズが。確かに「猿」や「猫」などといった名前の道具があり、気になっていたのです。
こうした道具は「飯炊(若い見習い)がその道具の名前を覚えやすいように」という配慮から名づけられたものなのだそう。厳しい世界には違いないものの、そうした思いやりを知ってほっこりした気分になったのでした。
さらに同館は、酒器や盃を展示する「盃展示館」の運営も行っています(見学は事前予約制)。酒造りの歴史とは切り離すことのできない”酒器のあれこれ”や珍しい盃が数多く展示されており、こちらも見ごたえ抜群でしたよ♪
酒造りの伝統を学んだあとは、物販コーナーでショッピングや利き酒を楽しむことができます。
無料の利き酒は季節によって種類が変わり、この日は生原酒などをいただきました。
今年春から製造がスタートしたという「クラフトビール」は有料の利き酒コーナーでいただくことができます。記者も「兵庫ゆずエール」をいただきましたが、さわやかな柚子の香りが鼻に抜ける爽快な飲み心地で、これからの季節特にピッタリです♪
さらに物販では、人気No.1の「百黙(ひゃくもく)」シリーズがおすすめ。菊正宗の生酛造りのお酒は「料理を引き立てる辛口な飲みごたえ」が特徴ですが、こちらはより洗練され「これが主役になるような味わい」が楽しめるのだとか。
中でも担当者のおすすめは「無濾過」のものだそう!自分用にはもちろん、お土産やプレゼントなどにもよさそうですね。
「まずはお酒の文化を知ってもらい、お酒を楽しく飲んでもらえたら」と担当者。知れば知るほどに奥深い、日本酒の魅力を感じられること間違いなしです!
場所
菊正宗酒造記念館
(神戸市東灘区魚崎西町1-9-1)
時間
9:30~16:30(入館は16:00まで)
※『菊正宗盃展示館』は①11:10~ ②14:10~ ③15:10~(各回15人・所要時間は約30分)
料金
無料
言語対応
スタッフは日本語のみ 映像・パンフレット・2次元コードは中国語・韓国語・英語対応
休館日
火曜日(火曜日が祝日の場合は翌水曜日、火曜日・水曜日ともに祝日の週は休館なし)年末年始
所要時間
30~40分
アクセス
六甲ライナー「南魚崎駅」から歩いて約2分
阪神「魚崎駅」から歩いて約10分
駐車場
10台程度(大型バス5台を含む)
問い合わせ
菊正宗酒造記念館 078-854-1029
備考
●『菊正宗酒造記念館』は10人以上で見学の場合、公式サイトから事前予約が必要。40人以上で見学の場合、電話にて事前予約が必要
●『菊正宗盃展示館』は公式サイトから事前予約が必要