尾道の新拠点が生まれる！スモールホテル「Arbor Onomichi」は歴史建築×コーヒー×パブ
広島県尾道市の中心街にある旧中国銀行尾道支店が、複合型スモールホテル「Arbor Onomichi（アーバー オノミチ）」として2026年春に開業します。
全16室のコンパクトなホテルに、コーヒーショップとパブを併設し、宿泊者と地域が自然に交流できる街の拠点を目指します。
歴史ある元銀行建築をリノベーション
尾道市は古くから商港として発展し、寺社群や坂道がつくる独特の景観、しまなみ海道へのアクセスなど、多彩な文化的魅力を備える街です。
今回ホテルとして再生される建物は、尾道駅から続く「尾道本通り商店街」と石見銀山街道が交わる角地に建つ、3階建ての旧中国銀行尾道支店です。
同建物は1・2階が吹き抜け構造となっており、大きな開口部から差し込む自然光、柱のない開放感を活かした空間設計が特徴。
1階にはコーヒーショップ、パブ、ホテルレセプション、ロビーがひとつながりのラウンジとして整備され、宿泊者だけでなく地域住民や観光客にも開かれた場となります。
客室は主に3階に配置され、全16室を多様なタイプで展開します。
スモールホテルブランド「Arbor」
「Arbor」は、Backpackers’ Japanが地方都市を中心に展開を計画するスモールホテルブランドで、尾道店が1号店となります。
大規模化を追わず、スタッフが宿泊客・地域と深く関わることのできる適正規模を「スモールホテル」と定義。館内にコーヒーショップと小さなパブを備えつつも、街全体での観光体験を積極的に促す「街とともに楽しむホテル」を目指します。
空間デザインは、土地の文脈を読み解きながら設計を行う合同会社根を這うの須藤修氏が担当します。
コーヒー「BERTH COFFEE」＆夜はパブに
朝から夕方は、Backpackers’ Japanが手掛けるコーヒーブランド「BERTH COFFEE」が出店。産地や焙煎にこだわったスペシャルティコーヒー、自社製造の焼き菓子、地域食材を活かしたモーニングやブランチなどを提供します。
夜はパブとして営業し、タップビールや国産クラフトビール、ナチュラルワインなど、全国の作り手の思いが伝わる多様なドリンクを揃えます。
全16室、多様な旅のスタイルに対応
客室構成は以下の通りです。
○シグネチャールーム：1室
○ファミリールーム：1室
○ダブルルーム：9室
○ツインルーム：4室
○ドミトリー：1室
50平方メートルほどのシグネチャールームから個人旅行者向けのドミトリーまで、幅広いニーズに応える客室ラインナップを整備します。
ローカルガイド機能を強化
Arbor Onomichiでは、ホテルスタッフによる街案内を重要なサービスとして位置づけています。土地の歴史や文化への敬意をもとに、宿泊者と地域双方が心地よく過ごせるローカルガイドを実施し、Arbor独自の視点を活かした滞在体験を提供します。
尾道の新たな観光拠点へ
本プロジェクトは、周辺エリアの活性化を目指す不動産オーナー・株式会社TACKSELと、地方都市で新たな観光拠点を創出したいBackpackers’ Japanのビジョンが一致し、実現したものです。
設計は株式会社K構造研究所 広島事務所、施工は積水ハウス建設中国四国株式会社CRE事業部が担当し、現在改修工事が進行中です。
また、株式会社BJOは同物件を活用する主体として、観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」に応募し採択されています。
尾道中心部という立地を生かし、宿泊者・観光客・地域が自然に交わる新たな交流拠点として整備が進んでいます。