安くて美味しい!まだ知られてないお魚、食べませんか?
先日、日本経済新聞に、豚肉高騰という記事がありました。輸入豚肉は国内の卸値が4割高くなり、国産の豚肉も40年ぶりの高値をつけたと・・・。食卓の味方が次々に高くなって頭が痛い中、今日は、家計の救世主になるかもしれない、という魚のお話。
今、獲れてるものを食べればいいんです!!
どういうことなのか。一風変わった魚博士?魚名人?無類の魚好きに話を聞きました。
四半世紀に渡って、日本各地の港やスーパーを巡り、今までに3500種類の魚介類の名前(地域ごとの呼ばれ方も含む)から値段、美味しい食べ方を調べて、ウェブサイト「市場魚貝類図鑑」で発信を続けている、藤原昌高さんのお話です。
WEBサイト「市場魚貝類図鑑」ぼうずコンニャクさん、こと藤原昌高さん
「お魚の値段ってびっくりするくらい上がったんですよ。輸入も上がったし、船のオイル代も上がり、獲れる量が少なくなってるのでびっくりするくらい上がりました。
じゃあ安い魚、国産のお魚買うかというと、そこに目を付けてくれないんですよね。一番獲れてる、今獲れてるものを食べればいいんです。
イサキという魚で、イサキってこれから子どもがたくさん獲れるんですよ。で、イサキはちっちゃくても美味しいんですけど、ほとんど今、エサにしてしまってる、もしくは廃棄してしまってるんです。ものすごく美味しくて、漁師さんもみんな、おかずで持って帰るナンバーワンなのに。だからもったいないんですよ、これ課題なんですよね、今。イサキの子どもちゃん。大量にもう、日本中で獲れるので。お手頃です、かなり安いと思います。」
今、たくさん獲れているものを食べれば安く美味しく食べられる!ということなのです。その一つが、大量に獲れているイサキの子ども。
(イサキの子ども=小イサキ「市場魚貝類図鑑」より)
魚は大きくならないと美味しくない魚と、小さくても美味しい魚がいますが、イサキは小さくても美味しい!一度食べてもらったら、びっくりすると思います!と藤原さん。
ところが、漁港では売り物になる魚とそうでない魚に分けられ、人の口に入らない魚、魚や家畜のえさになる魚は大きな容器にいれられてしまうのです。
ちなみに、この容器をダンベというのですが、イサキの子どもは、今、大量にダンベに入ってしまっているんです。日本中で獲れているのに、日本中で食べられていないなんて、ホントにもったいない!
今まで食べてた魚が獲れなくなって、全く知らない魚が大量に獲れてる時代!
藤原さんとしては、このダンベに入ってしまう魚を食べて、減らしたいわけですが、 今、どんどんダンベに入る魚が増えているのだそうです。再び、藤原さんのお話です。
WEBサイト「市場魚貝類図鑑」ぼうずコンニャクこと藤原昌高さん
「相模湾、たぶん1980年くらいの漁師さんをそのまんまタイムマシンに乗せて、今の海を見たら、『なんで沖縄なんだろう?』と思うと思います。そう、沖縄でしか獲れないものが上がってるので。まったく別の海です。
今まで食べてた魚が獲れなくなって、全く知らない魚が大量に獲れてる時代なんで、本当は選んでられないはずなのに選んでるっていう状況なんです。
小田原のスーパーが、小田原で上がって多様なものを全部売る、全部並べる、もう二年くらい前からですけど、それをやり始めたので、未来が出てきたかなと思っています。
実を言うと東京都が一番遅れてたんですけれど、こういう新しい魚を入れるというのは、やっぱり地方は自分のとこで獲れるものを並べたりするんですけど、最近すべてのスーパーが頑張ってる気がします。
だから意外に、賢く買うのはやっぱり知識が必要な時代になったと思います。」
今まで食べてた魚が獲れなくなって、全く知らない魚が大量に獲れてる時代。ちょっとショッキングな言葉ですよね。でも、なにしろ、まったく別の海になった、ということを分かって欲しい。
実際、現在、藤原さんのところには、名前が分からない魚が持ち込まれ、新種かどうか調査している魚が2件もあるのだそう!・・・確かに別の海なのかも。だからこそ、見たことのない魚を手に取る冒険を始めるときなのかもしれません。
ちなみに、イサキの子どもの他にも、最近、藤原さんが都内のスーパーでよく見かけている
のが、ヨコスジフエダイ。(聞いたこと、あります??)
(ヨコスジフエダイ:「市場魚貝類図鑑」より)
比較的どう料理しても美味しくて、今は刺身がいいという魚。ヨコスジフエダイがスーパーにありますか?と、思わず聞いてしまいましたが、ありますよ!鮭を買いに来た人は、鮭しか目に入ってないのかもですね、と・・・。(失礼しました!)
珍しい名前の魚、買ったことあります!!最初怖かったけど。
そこで、街のみなさんは、普段どんな魚を買っているのか、知らない魚に気づいている人はいるか?聞いてみました。
「鮭か、あとは味噌漬けみたいになってるやつ、あとはサンマ焼くくらいかな。うーん、でもスーパーにそんなに名前聞いたことも無いようなお魚っていうのは、無いので、普段行くところは。」
「私は、もうイワシとかアジとか、特に鮭は良く買いますね。」
「鮭、ブリ、カジキ、あと切り身のヒラメ、カレイ。うーん、私の中でちょっと馴染みのないのが、メヒカリって知ってます?ちっちゃな。どうやるの?って聞いて、から揚げにして食べました。」
「鮭とタラ、あとサバ、それくらいですかね。一度、ちょっと名前忘れちゃったんですけど、安くてなんか珍しい名前のお魚があって、最初怖かったんですけど、まあスーパーで売ってるし安心かなと思って、天ぷらにして食べましたね。美味しかったです。値段で、はい決めました。やっぱり値段と量!」
知らない名前の魚、馴染みの薄い魚も、買ってみたという方がちゃんといました!最後の方が言うように、やはりお手頃価格で、量も多くてお買い得なんですね。
しかし、一方では知らない魚は見かけない、という方や、いつも同じお魚を買ってしまう人も多かったです。スーパーは頑張って多くの種類の魚を置くようになってきている、ということですが、消費者が買ってくれないとなれば、当然置かなくなってしまいます。
一定の魚を、だけ食べるというのは、お財布にも地球にも優しくないので、ぜひ多様なものを食べて欲しい、と藤原さんはおっしゃっていました。
そのつもりでスーパーの魚売り場を見てみたら、発見がありそうです。賢く買うのには知識が必要!という藤原さんの言葉通り、買い方に工夫をしてお財布にも地球にも優しくしたいですね!