アーティスト・声優の山崎エリイさんが趣味の“紅茶”について綴るコラム連載「Erii Salon」【最終回:四季を共に巡る紅茶の魅力】
アーティスト・声優として活躍する山崎エリイさんが、趣味の「紅茶」をテーマに綴るコラム連載「Erii Salon」。
日常的に紅茶を嗜みつつ、紅茶アドバイザーの資格も所持している山崎さんが、各月のテーマに沿って紅茶の魅力をお届けしてきました。
1年間、山崎さんならではの切り口で読者と紅茶との四季を巡った連載も今回がいよいよ最終回。このコラムで綴った1年間を振り返っていただきつつ、総括として山崎さんの考える紅茶の魅力について綴っていただきました。
前回はこちら
【写真】山崎エリイが“紅茶”を綴るコラム連載「Erii Salon」【最終回:四季を共に巡る紅茶の魅力】
最終回:四季を共に巡る紅茶の魅力
紅茶にまつわる様々な事柄をご紹介しておりましたEriiSalonは今月の更新で一区切り。
そこで今回は、四季ごとにこれまでのコラムを振り返りながら、私の最近の紅茶事情も合わせてお届けしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!
それではまず春から。春は華やかな装いの品が豊富に揃う季節。
Erii Salonでも可愛らしいイメージの紅茶やイベントに合わせた茶菓子をいくつかご紹介させていただきましたが、その中でとりわけ思い出深いのは第7回でレポートをしたサクラ&ベリーという紅茶。
私はこの出会いをきっかけにお花やベリー系を主役としたフレーバーを選ぶことが格段に増えました。
ちなみに先日リピートで購入したのは、ムレスナティーの『フラワリーローズガーデン』。
薔薇を使った紅茶は深く芳醇な香りや酸味に近い特徴的な味わいが強いため人によって好みが分かれやすいのですが、こちらには優しい甘さのベリーが加えられているおかげか薔薇の存在感はありながらもとても軽やかな味わい。
私の趣味の紅茶レビューノートには"貴婦人のような品のある香り"となんとも抽象的なメモが残されている程、一口いただくたびに優雅な気分になれるブレンドです。
春の季節にぴったりですので、ご興味ございましたらお手に取ってみてください。
続いては夏。この時期には喉をスッと通る涼やかなアイスティーやかき氷をご紹介しましたね。
実はその際にもう一つピックアップしたいなと思っていたのが、渋谷で41年続く常に行列ができるほどの人気店『紅茶の店ケニアン』のティーパフェ。
ミルキーな味わいでなめらかなホイップに凍らせたブルーベリーがアクセントになっていて、紅茶のコクを感じる濃いアイスも美味。底に敷かれたほろ苦い紅茶ゼリーはミルクティーと合わせた時にお口の中が甘くなりすぎず、とても良いバランスになっています。
ティータイム=ポットから注ぐ紅茶+軽食・お菓子のセットといったイメージがありますが、このように紅茶を使ったメニューをいただくひとときもある種のティータイムだと私は思います。
続いてErii Salonがスタートした季節の秋。
当初はご挨拶も兼ねて紅茶の基礎的なお話を中心にお届けしました。
ただその分、秋ごろ載せたいなと温めてきた私の最も好きなフレーバーをご紹介するタイミングをうっかり逃してしまいまして、未だ出番を控えたまま…。
さすがに登場してもらわないと切ない思いをしてしまいそうなので(笑)、この機会にお伝えをさせてください。
それがこちらのマスカットティーです!
これはあくまで個人的な意見ですが、フレーバーティーで迷った際はマスカットを選べば間違いないと思っております。どのブランドさんも爽やかな甘みで飲みやすいものばかり。
お写真はティーサロン Maison de Lでマスカットティーをいただいたときの一枚なのですが、こちらも風味が豊かでマイルドな渋み含めて美味しかった…。
また余談ですがMaison de Lの店内はお一人でも利用しやすいカウンター席があり内装もスタイリッシュなので、専門店だとちょっと入りづらいという方も安心できる空間かと思います。
ちょっとした隙間時間に本格的な紅茶をぜひ。
最後はもう時期訪れる冬。冬にはシナモンやジンジャーといったスパイスを感じる紅茶も良いですが、私はシンプルなストレートをゆっくりと飲みたくなります。
こちらも私のお気に入り、TWGのケニルワース。
ケニルワースはセイロンティーの一種なのですが、複雑さのない芯のある深みと程よいキリッと感がどんなお料理にも相性抜群!
(中でも中華やバターを使ったお菓子などをいただく際のペアリングに最適)
『フレーバーを加えていない純粋な紅茶って何を選んだら良いのかわからない』という方は、ダージリンやキーマンよりも比較的渋みの少ないセイロンティーから試してみてください〜!
またこの時期、休暇を過ごされる方も多いと思いますので、第4回でご紹介したようにひと手間かけてリーフから淹れてみたり、飲み比べを行ってみたりと贅沢に時間をかけて味わうのもまたオススメです。
という事でいかがでしたでしょうか?
どんな季節にもライフスタイルにも寄り添える柔軟さが魅力の紅茶。
今回は私の一例を駆け足でお伝えしましたが、もしご興味ございましたら皆さんそれぞれの楽しみ方を見つけてみてくださいね〜!
改めまして1年間、EriiSalonをお読みいただき、ありがとうございました!
…紅茶の魅力をお届けする役目は果たせておりましたでしょうか?
連載当初はあくまで紅茶好きの一人として普段の楽しみ方を綴るつもりでいましたが、
『Erii Salonで載せていたお店に行ったよ〜』
『オススメの紅茶飲んでみました!』
といった読者の皆さんからのお声をいただけるようになった喜びから、
様々な茶葉を学ぶためにお店をリサーチしてみたり、今まで飲んだことの無かったフレーバーに挑戦したりと以前より紅茶と向き合う時間が格段に増え、外出先でも茶葉の感想を1つ1つメモするようになりました。
初回で掲げていた"紅茶愛を深めながら学ぶ"が、すっかり馴染んだように感じます。
またErii Salonで特にこだわっていたのは文体。
普段のSNSとは違う一面をお見せできるようにと、あえて畏まった表現で書かせていただきました。
上手く言語化出来ていなかったり荒削りな所も多々あったかと思いますが、"何事も取り組ませていただくからには、こだわりと責任を持って向き合いたい"という自分に課した約束は貫けたと胸を張って言えるくらい、一語一句納得いくまで熟考できたかなと思います。
私にとって紅茶は、心を澄ます為の一呼吸を促してくれる存在。
これから先もたくさん紅茶の世界を旅していきたいです。
…さて名残惜しいですが、先程淹れたアールグレイも丁度飲み頃になりましたので、そろそろ筆を置いて一息つこうと思います。
それではまたどこかでお会いできる日を楽しみに。