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木更津の梅酒がにっぽんの宝物・圏央道大会、新体験部門でグランプリ受賞

ちいき新聞

木更津の梅酒がにっぽんの宝物・圏央道大会、新体験部門でグランプリ受賞

▲べアーズ代表 林利江さんと受賞した「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」

木更津市中里の自然食品と酒の店「ベアーズ」が、袖ケ浦市にある農園「しまむらファーム&ガーデン」と、ハーブ研究家のそらゆきさんに協力を仰ぎ作り上げたオリジナル梅酒「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」。

この梅酒が「にっぽんの宝物・圏央道大会2020-2021」新体験部門でグランプリを受賞しました。

地方大会を勝ち抜いたこの梅酒は、JAPAN大会に進出。

さらに勝ち抜くと世界大会にも出品されるそう!

木更津から世界へはばたく「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」について、商品開発の道のりや、地域にかける思いなどを伺いました。

にっぽんの宝物・圏央道大会2020-2021とは

▲「圏央道の宝物グランプリ 2020-2021」受賞者の皆さん

「にっぽんの宝物」とは、日本各地の、優れているにもかかわらず、流通に乗りにくく、担い手も失いつつある商品や技術を国内外に広く紹介し、販売支援しようと発足したプロジェクトです。

株式会社アクティブラーニング、にっぽんの宝物JAPAN事務局が各地域の自治体等と連携しながら全国規模で実施しています。

このプロジェクトに参加した生産者・食品加工業者は、他事業者や他業種とのコラボレーションや商品のPRなどを3回のセミナーで学び、年1度開催される地方大会に向けて、商品開発や商品のブラッシュアップ行います。

2020年度の地方大会は、千葉・圏央道・奈良・高知・佐賀・滋賀・山口・オンラインの8大会。ベアーズが出場したのは、圏央道沿線地域の生産者・製造事業者が対象となった、しんきん圏央道アライアンス主催の「圏央道の宝物グランプリ 2020-2021」です。

地方大会のグランプリ・準グランプリ受賞者などは、日本代表を決定するJAPAN大会に出場。

そこで勝ち進むと、シンガポールで行われる予定の世界大会へと出場します。

そうしてグランプリを獲得した商品は世界に紹介され、販路開拓が支援されるのです。

安心安全な本物の食材にこだわる「ベアーズ」

木更津市にあるベアーズは、1994年にお酒のディスカウントストアとして創業しました。

当初は市販の酒を販売していましたが、創業して7年後「地域のお客様に、安心安全な『本物』の酒や食品を届け、生産者と消費者の懸け橋となる販売店になりたい」とする経営理念を掲げます。

▲九州の蔵元から直取引している焼酎は量り売りで購入できる

それからは九州の蔵元に焼酎の製造を依頼し、量り売りの販売を始めるほか雑穀や菜種油の量り売り、オリジナル開発商品を含む500点以上の自然食品を取り扱うようになり、現在の「コミュニティマーケット ベアーズ」は誕生しました。

▲雑穀も10gから量り売り可能

落ちたままの梅たちに心を痛めて

ベアーズ代表の林利江さんは、木更津市で農業にも力を注いでいます。

そんな林さんは、畑のとある光景に心を痛めていました。

それは収穫されることなく、地面に落ちたままになっている梅の実でした。

「猿は梅の実を食べないので、木更津でも猿被害防止のために梅の木を植えている農家さんが多いんです。でも梅の実の値段は安いので、商品として成り立たないんですよ」

出荷もされず、落ちたままの梅の実をもったいないと感じていた林さん。何とか活用できないものかと思いついたのが梅酒作りでした。

▲車で来店していない成人なら、梅酒や焼酎の試飲もできる

木更津産クラフトリキュール誕生までの道

「リキュール」とは、蒸留酒をベースに、果物やハーブなどで風味を付けたものを指し、梅酒もリキュールの一種です。

一般的な梅酒の作り方は、ホワイトリカーに梅と氷砂糖を漬けこむ方法です。

しかし林さんは「砂糖を使わずに梅酒を作ることは出来ないか」と考え、お米と米麹の甘さだけで果実酒が作れるという、果実酒作りの常識を覆した「ライスリカー」を開発します。

▲ライスリカーは2017年の「フード・アクション・ニッポンアワード」100選に入賞

当初は、このライスリカーを使った梅酒の製造を蔵に依頼したものを販売していたのですが、やがて「より自分たちの理想とする味と品質に仕上げたい」と、ベアーズで梅酒の製造販売をしたいと考えるように。

しかしリキュールを自分達で製造、販売するためには免許が必要となります。

リキュールを国内で製造・販売する免許の条件の一つに「最低年間6000リットルという大量のリキュールを製造しなければならない」というものがあり、免許取得の高いハードルとなっていました。

そこで林さんが調べると、民間企業や地方自治体からの提案を受け、国の規制を特例的に緩和し地域経済を活性化させる「構造改革特区」という制度があることを知ります。

この制度を使い、木更津市が国に「地域特産物リキュール特区」の申請をして認められれば、木更津市の特産物として指定した市内生産農産物を市内の自製造場で製造することを条件に、最低製造数量が年間1000リットルに引き下げられるのです。

そこで林さんは市に、国に対し「木更津市地域特産物リキュール特区」の申請をしてもらえるように依頼。そして2017年に市内全域が国から「木更津市地域特産物リキュール特区」の認可を受けると、林さんはこれを活用してリキュール免許を取得しました。

▲自然や、体内のよいものが「めぐるように」という願いが名前の由来

こうしてベアーズは2019年に初のオリジナル商品「木更津meguriシリーズ プレミアム梅酒」を販売しました。

すると、その年の全国梅酒品評会で、なんといきなり銀賞を獲得するのです。

「しまむらファーム&ガーデン」とのコラボ

▲「しまむらファーム&ガーデン」はbayfmで「島ちゃん」の愛称で知られる人気DJ島村幸男さんと「芸農」マネージャーであり奥さんの富士美さんが営む農園だ。

こうして新しい活動を始めた林さんの元に、『にっぽんの宝物プロジェクト』と圏央道沿線の5つの信用金庫による『しんきん圏央道アライアンス』が共催する「圏央道の宝物グランプリ 2020-2021」に参加しないかとの話が舞い込みます。

林さんは出場を決意。

大会には、3回のセミナーを受けて他事業者や業種とのコラボレーションや商品のPRを学び、それらから生まれた新商品や、ブラッシュアップした自社商品を出品します。

セミナーを受けた林さんは、オリジナル梅酒にハーブを配合するというアイデアを思い付きます。

▲しまむらファーム&ガーデンで出荷される農産物たち

そこで生産者同士の活動を通して意気投合した「しまむらファーム&ガーデン」の島村富士美さんに協力を依頼。

自身もかねてよりハーブのお酒を作りたいと考えていた富士美さんは快諾し、しまむらファーム&ガーデンの手伝いをしているハーブ研究家そらゆきさんと共に、ハーブを配合した新しい梅酒の開発に着手するのです。

「ライスリカーを使用したmeguriプレミアム梅酒に、インパクトのあるビジュアルを加えたい」と林さんより相談をうけた富士美さんとそらゆきさんは、抽出すると色の美しい何種類かのハーブを提案します。

ハーブの中には、組み合わせると効果が無くなったり、梅酒の味を邪魔するものなどがあり、ハーブ選びには苦心しました。

試行錯誤を繰り返し、「ハーブの酸味と梅酒の酸味の成分が良く似ているので梅酒の味に影響がなかった」点と、「美しい発色がいつまでも続く」という点から、ハイビスカスティーの原料として知られる「ハイビスカス・ローゼル」に決定します。

ハイビスカス・ローゼルの花

さらに、ハーブの配合や、梅酒とハーブの色が2層になる方法などの助言を受け「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」はついに完成します。

「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」は圏央道大会の1次予選を突破した16組40事業者の中に選ばれ、2020年12月3日開催のグランプリへの出場が決定しました。

グランプリ受賞!木更津産の梅酒が生んだ新しい夢

▲(左から)そらゆきさん、富士美さん、林さん

大会では商品を使ってプレゼンを行います。普通の炭酸割やロックだけでは面白みがないと思った林さんは「お米(ライスリカー)と梅と小麦が一度に摂れて面白いかな」と、梅酒をジュレにしてそうめんの上にのせ提供しました。

大会には手ごわいライバルもいたそうで「名前を呼ばれるまでドキドキでした。呼ばれた時は「やったー!」という気持ちでした!」と、林さんは受賞の瞬間を振り返ります。

ハイビスカス・ローゼルの、赤色が層になった美しいデザインや、砂糖不使用で作った梅酒本来の味などが評価されたとのこと。

「自分では【調理/加工部門】だと思っていたんですが、【新体験部門】での受賞となりました。砂糖不使用の梅酒が新体験だと評価されたようです」と林さん。

「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」は今後、日本代表を決めるJAPAN大会に出場し、そこで勝ち進むとシンガポールで行われる世界大会へ出場します。

木更津発の梅酒が、世界進出するかもしれないのですね!と林さんに言うと、「いえ、梅酒の製造を始めたときから世界は狙っていました。と言うのは、販売を始めて知ったのですが、梅酒は日本独自のお酒で、香港では酒屋にずらりと並んで販売されているんですよ。うちでもすでに香港へ梅酒を出荷しています。今後は梅酒だけではなく、ブルーベリーや、ライスリカーで使う米などで地域復興の力になれたらと思っています」とのこと。

すでにワールドワイドに展開していたとは!

▲しまむらファーム&ガーデンの全て食べられるハーブやエディブルフラワーのブーケ

しまむらファーム&ガーデンの島村富士美さんは今回のコラボ企画について「かねてから念願だったハーブのお酒を、林さんにお声掛けしていただいたおかげで実現できました。今後、私もハーブだけのお酒を作ったり、薬剤師とコラボをし、効能など、よりわかりやすく日常にハーブを取り入れていただけるような活動をしていきたいです」と、これからの展望を話してくれました。

コラボで生まれた梅酒が、新たな夢を生み出しました。

今後もどんなコラボが夢を生むのでしょう。

皆さんの活動から目が離せません!

木更津meguriシリーズ 赤富士プレミアムの楽しみ方

▲「赤富士」の名にふさわしい、美しいデザイン。使用するハイビスカス・ローゼルは、しまむらファーム&ガーデンで自然栽培されたもの

「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」はアルコール度数15度。これは日本酒と同じ位のアルコール度数です。

ハーブ研究家のそらゆきさんに、梅酒やハイビスカス・ローゼルに含まれる成分、摂り入れることで期待できる効果、アルコールが苦手な人でも楽しめる、おすすめの方法などを教えて頂きました。

「梅酒には、脂肪を分解燃焼、カルシウムの吸収促進の効果があるとされるクエン酸や、肝臓機能の強化につながるというピクリン酸が含まれています。また、ベンズアルデヒドという香り成分には、リラクゼーション効果があると言われています。梅酒はアルカリ性食品で、血液サラサラ、老廃物排出などの効果が期待できます」

ハイビスカス・ローゼルにはクエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸、鉄、ビタミンCや、善玉菌の活性化、腸内環境を整えると言われているペクチンが含まれています。期待できる効能としては、強壮、利尿、健胃、代謝促進、消化促進、美肌、肉体・眼精疲労の予防改善などです。

「木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」は通常の梅酒と同じようにロックやストレートでお楽しみいただけますが、炭酸割りや水割り、お湯割りなどもおすすめです。アルコールが苦手な方は、鍋にお湯と梅酒を入れてアルコールを飛ばし、そこにハチミツや、グレープフルーツジュースを足すと飲みやすいです。暖かくなったら、凍らせてかき氷やゼリーにしても美味しいですよ」

健康こだわり酒屋 ベアーズ

住所/千葉県木更津市中里590(駐車場完備)

営業時間/11:00~18:00(水曜、木曜定休日)

電話/ 0438-23-7776

HP/http://bears-gt.com/

※木更津クラフトリキュールmeguri プレミアム梅酒 赤富士」はオンラインショップで購入可能

しまむらファーム&ガーデン

HP/https://www.facebook.com/Shimamuragarden/ ※自家採取やオーガニックの種や、農薬処理をしていない種を使用し、農薬はもちろん肥料も使わずに育てている、しまむらファーム&ガーデンの野菜やハーブ類は、袖ケ浦市農畜産物直売所「ゆりの里」などで購入可能。野菜の取り扱い店や、イベント情報などはフェイスブックを参照のこと

ハーブ研究家 そらゆき

HP/https://sorayukiyukimosora.wixsite.com/sorayuki ※ハーブの栽培アドバイザーや、ハーブ教室の主催などで活動。教室の開催状況などはHPを参照のこと

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