【茅ヶ崎 ショップレポ】鈴木茶舗 - 創業100年の老舗茶舗で出会う、本物のお茶と心地よい時間
茅ヶ崎駅からほど近い通り沿いに、のれんが揺れるお茶屋さんが静かに佇んでいます。店先には季節のお茶や手書きのPOPが並び、地域に根ざした温かな空気が広がります。
周囲には地元の人がゆったりと行き交い、どこか時間がゆっくり流れているような穏やかな雰囲気が漂っています。
創業は1926年。長く地域に寄り添いながら、日本茶の魅力を伝え続けてきた老舗——『鈴木茶舗』さんにお邪魔してきました。
店内に広がる豊かな香りと、選り抜かれた茶葉の魅力
店外には手に取りやすい数々の茶葉が並び、通りを歩く人が思わず足を止めるような温かい空気に包まれています。
手書きのPOPが添えられた籠や棚には、煎茶やほうじ茶、玄米茶など、日常使いしやすいお茶がずらり。外からでも“お茶のある暮らし”が自然と想像できる、開かれた店構えです。
店内に足を踏み入れると、まず感じるのは茶葉の豊かな香りです。棚には煎茶やほうじ茶、玄米茶、和紅茶など、種類ごとに丁寧に並べられた茶葉が整然と並び、老舗ならではの落ち着いた雰囲気が漂っており、日本茶のある暮らしを自然とイメージできる空間です。
リーフ茶(茶葉)
静岡県を中心に、信頼する生産者から仕入れた茶葉を扱い、その年ごとの出来を見極めながら商品を選んでいます。
茶葉の状態や香りを確かめながら仕入れるため、店内に並ぶ商品はどれも自信を持っておすすめできるものばかり。
中でも人気が高く、常連さんの1/3ほどが決まって購入していくのが静岡産のやぶきただそう。
店内には静岡産だけでなく、鹿児島・滋賀・埼玉など、全国の産地から選び抜いた茶葉も並んでいます。産地ごとの個性を飲み比べるのも楽しみのひとつです。
日本茶を飲む習慣にない方も、試飲をしながらお好みの茶葉を相談できます。
ティーバッグ
急須でじっくり淹れるリーフ茶だけでなく、忙しいときに一杯ずつ手軽に楽しめるティーバッグも充実しています。
店舗中央に並ぶ白いパッケージは、鈴木茶舗オリジナルのティーバッグシリーズ。お湯で淹れるタイプに加え、暖かい季節に嬉しい水出し煎茶も揃います。
その隣には、贈り物にも選びたくなるフレーバーティーも並び、日常に取り入れやすいアレンジ商品として人気を集めています。
種類が豊富で迷ってしまいますが、店主が丁寧に好みを聞きながら提案してくれるため、初心者でも自分に合った一杯に出会えるのが鈴木茶舗の魅力です。
淹れたてのお茶とソフトクリームを楽しむ
店内には茶葉以外にもテイクアウト・イートインメニューがあり、淹れたてのお茶や人気のソフトクリームを楽しめるのも鈴木茶舗ならではの魅力です(イートイン席は、30分ほどのご利用にご協力をお願いいたします)。
鈴木茶舗のソフトクリームは、お茶屋ならではの“お茶の香りとミルクのまろやかさ”が調和した上品な味わいが特徴で、煎茶やほうじ茶など茶葉の個性を生かしたフレーバーが人気を集めています。
通年で楽しめるのは「たっぷりの抹茶をかけたむせるMATCHA、VANILLA」の2種類(600円、550円・税込)、そのほか季節に合わせた限定フレーバーが選べます。
ソフトクリームと一緒に、一杯ずつ丁寧に淹れられたお茶と合わせて味わうことで香りの広がりや余韻がより深く感じられ、日本茶の新しい楽しみ方に出会えます。
こちらも季節によっては限定フレーバーが登場することもあり、訪れるたびに新しい発見があります。
「まずは気軽に日本茶を楽しんでほしい」という店主の思いが、テイクアウト・イートインの提供からも伝わってきます。
取材当日、筆者はソフトクリーム むせるMATCHA(600円・税込)と近江の春番茶(200円・税込)をいただきました。
メニュー名にもあるとおり、心の準備をしていても少しむせてしまうほどたっぷりかけられた粉末抹茶に驚き。ソフトクリームの甘さに負けないしっかりとした苦みを感じられ、とてもバランスの良い味でした。
火曜・金曜は6:00オープン。朝の一杯を楽しむ「朝活」
鈴木茶舗では、火曜と金曜に「朝活」として朝6:00から営業する日があります。
茅ヶ崎で暮らす人々の生活に寄り添い、日々その景色を見つめてきた店主が、「朝に一杯のお茶を丁寧に味わう時間をつくってほしい」との思いから、2022年7月に始めた取り組みです。
煎茶やほうじ茶などの定番に加え、時期ごとに変わるおすすめの茶葉を含む約15種類の中から選ぶと、茶葉の特性に合わせた温度で朝の一杯を丁寧に淹れてくれます。
1~2分ほど待つと提供されるお茶は香りが鮮明で、一口飲むと心と体がすっと整うような感覚があります。朝の気分に合わせて店主がおすすめを提案してくれることもあり、日本茶の新しい楽しみ方に出会える時間です。
取材日には、その日がお休みでこれからおでかけの方、地域の子どもの通学を見守るボランティアの方、仕事へ向かう電車に乗る前にマイボトルへお茶を入れに来た方など、さまざまな人が立ち寄っていました。
ほんの短い時間の中に、たくさんの「朝活」の一瞬が重なっているのが印象的でした。
朝活は、地域の方々にとって一日のスタートを気持ちよく切るための小さな習慣として定着しつつあります。鈴木茶舗が「暮らしに寄り添う店」であることを象徴する取り組みといえるでしょう。
地域に根ざし、日本茶文化を未来へつなぐ取り組み
鈴木茶舗は、茅ヶ崎の日本茶文化を広めるために、地域とのつながりを大切にした活動を続けています。市内のイベントやマルシェへの出店、地元企業とのコラボレーション、お茶の淹れ方講座やワークショップなど、その取り組みは多岐にわたります。
中でも、子ども向けの体験会や若い世代に向けたカジュアルな日本茶の楽しみ方の提案は、老舗でありながら新しいアプローチを続ける象徴的な取り組みです。
地元の小学校から依頼を受けて家庭科の授業でお茶文化を伝えた際には、急須を知らない子どもたちが多く、その驚きとともに「お茶のある暮らし」を次世代へつなぐ大切さとやりがいを実感したといいます。
取材の日、店主は線が引かれたテキストや丁寧に書き込まれたノートを開きながら、お茶の種類や製法の違いを一つひとつわかりやすく説明してくださいました。
老舗としての歴史に頼るのではなく、自ら学び続け、その知識を惜しみなく伝えようとする姿勢が印象的です。こうした真摯な学びと発信が、鈴木茶舗を“地域の日本茶文化を未来へつなぐ存在”として支えているのだと感じました。
※定期的に開催している日本茶教室の次回開催は2026年3月14日(土)。詳細はこちらの記事をご覧ください。
日常に寄り添う一杯を、これからも
創業100年を迎えた鈴木茶舗ですが、その根底にあるのは「日常に寄り添うお茶を届けたい」という変わらない想いです。
丁寧に選ばれた茶葉、気軽に楽しめるテイクアウト、イートイン、そして朝活や地域とのつながり。そのすべてが「お茶のある豊かな暮らし」を体現しています。
近年は「お茶=無料で配られるもの」という意識や、ペットボトルで手軽に買える便利さが当たり前になりました。しかし、物価高でペットボトルのお茶も100円では手に入りにくくなっている今だからこそ、「丁寧に淹れた一杯の価値」を改めて感じてほしいと店主は話します。
その想いから、テイクアウトや朝活のお茶は200円(税込)に据え置き、こだわりの温度と淹れ方で提供し続けているのだといいます。
日本茶の奥深さや、暮らしに寄り添う一杯の心地よさを感じに、ぜひ鈴木茶舗へ足を運んでみてください。ふだんの一杯が、少しだけ豊かに感じられるはずです。
鈴木茶舗
営業時間
水曜日・木曜日・土曜日10:00〜18:30
火曜日・金曜日6:00〜18:30
定休日
日曜日・月曜日
電話番号
0467-82-3274
支払い方法
現金、QR決済(PayPay)
アクセス
JR茅ヶ崎駅北口より徒歩8分
住所:神奈川県茅ヶ崎市十間坂1-4
駐車場:なし