<無気力一家の甘さ>「学費がない、受験も面倒だからわが子は中卒」小学1年生に未来を見せない親の話
「子どもは進学させないとダメなの?」というトピックが、ママスタコミュニティで見つかりました。大学のことかと思いきや、進学先のなかには高校も含まれていたためコメント欄は驚きであふれます。
「勉強したくないから、農業を」わが子の宣言にママもパパも賛成
『今、小学1年生。勉強が嫌いなので「高校には行きたくない。農業をして暮らしたい」って。たしかに私も受験とか面倒くさいし、ぶっちゃけ学費もない。むしろ中卒でいてほしい』
投稿者さん夫婦はどちらも名門大学出身だそうですが、就活に失敗し現在は地方の零細企業に勤務中。世帯年収も少ないけれど「どうにかしたい」思いは皆無とか。「面倒くさいので、今のままでいいや」がふたりの共通認識といいます。これが事実なら、そこまで気の合うパートナーと巡り会えたことが奇跡です。 さらに驚いたのは、お子さんがまだ小学1年生ということ。アイドルやスポーツ選手などいくらでも夢がありそうな年頃ですが、やけに現実的な将来観があるようです。なぜ農業をしたいのかはわかりませんが、ダンナさんも「どうせ勉強したって意味ないし。農業いいじゃん」と賛成しているとか。
『小1で決めるのは早すぎ。ダンナも単なる家庭菜園を想像しているのでは? 商品になる物を作るのは大変なこと、わかってる?』
『自給自足ってこと? 本当に農業がやりたいのなら、高校の農業科に行くべきだと思うけど』
勉強がしたくないから農業、という考え方に疑問を投げかけるコメントが殺到しました。「今は農地習得が大変。実家や親戚に農家がいないと簡単にできない時代だよ」「育てる作物のことや農薬・害虫のこと、生産や品質の管理など、勉強しなくちゃいけないことは山ほどある」といった現実の厳しさを諭す声も続きます。
勉強嫌いだからダメ?小学1年生ならまだ挽回できるのでは
そもそも小学1年生のうちから将来を見据えられるものでしょうか。「農業」を目指すことになった発端は、お子さんの勉強嫌いです。
『勉強は嫌いだけど、できないわけではない。でも子どもも親に似て無気力で、1日中動画サイトを観ている。外に遊びに行くことも面倒がるし、旅行もレジャーも嫌い。私だって最初は勉強させようとしたけど、本人にやる気がまったくないんだもん。「ダメだ、こりゃ」って諦めた』
投稿者さんからコメントが届きました。ツッコミどころ満載の内容に、案の定たくさんの声が寄せられました。
『勉強好きの子のほうが少ないんだよ。嫌いでもいいから「やらなきゃいけない」と教えて、子どもが将来を自分で考えられる能力をつけたら?』
たしかに世のなかで勉強好きな人は少数派かもしれません。ただ、小学校低学年のうちはどうでしょう。勉強が難しくなりつまずくことが増えれば別ですが、1年生はまだその時期ではありません。「できた!」「わかった!」がうれしく、勉強は楽しいものと認識している子もいるのでは? 例えば投稿者さんの家庭では、楽しく学べる工夫をしていないのでしょうか。ゲーム感覚を取り入れたり、低いハードルをいくつも用意して達成感を味わえるようにしたり。学びを応用した実験を家庭ですることもできます。ただママもパパもすべてに無気力であれば、そんな発想もなさそうです。
『夫が名門大学に入れたのは、親に無理やり勉強させられていたから。それがトラウマで「子どもには勉強させたくない」そう』
投稿者さんが名門大学に入れたのは運が大きかったといいますが、ダンナさんは違うようです。今は「勉強しても意味はない」が、ダンナさんの持論とか。しかし、果たしてそれは本当でしょうか。
『そんなダンナも中卒だったら、今の零細企業すら就職できなかったと思うけど』
勤務先にコンプレックスがあるようですが、たしかにまったく勉強してこなければそこすら難しかったのでは。「今のままでいいや」が夫婦の合言葉のようですが、それはつまり現状に大きな不満がないということ。お子さんをこのまま勉強させず、ダラダラさせ続けていたらそれすらも望めないのではないでしょうか。
まだ親の価値観の影響が大きい時期。決めつけるには早すぎる
『この先いろいろ経験するなかで何に影響されるかわからないし、環境次第で考えも変わると思う。少なくとも親が「中卒でいい」と考えを押しつけたらダメ』
「中卒」も「農業」も、小学1年生のお子さんから出てきた言葉としては不自然に思えます。
『お子さんは知らず知らずのうちに洗脳されているのでは。でも親と子は別人格。親の主義を押しつけないで』
投稿者さんはお子さんの無気力を嘆いていましたが、家庭環境を考えればそうなるのも当然です。最近よく聞く「体験格差」という言葉もありますが、お子さんは圧倒的に体験が足りないように感じます。体験が不足する原因はお金以上に、親の意識が大きいのではないでしょうか。
『今はまだ視野が狭くて親と同じように無気力でも、この先たくさんの人と接するうちに思考が変わるかもしれない。数年後に「やっぱり進学したい」と言い出したときのために、お金は貯めておいてほしい』
中学卒業で農業を始めても、大学を出て立派な企業に就職したとしても。将来どんな職業に就くのであれ、親が何よりも願うのはわが子の幸せです。ただ、投稿者さん夫婦からはその思いが伝わってきません。「無気力な親とわが子の将来が同じでいいと思っているの?」「それって一種のネグレクトでは?」といったコメントもありました。
すべてが面倒で、とにかく無気力。投稿者さん夫婦はそれで大いに結構です。でも、お子さんは違います。決めつけてはいけません。せめてお子さんのことだけは面倒がらずに、より幸せな未来へとサポートしてあげてほしい。コメントをくれた多くのみなさんが、投稿者さんにそう呼びかけていました。