釣りをしながら自由研究のススメ:サビキ仕掛けで簡単に釣れる魚をあえてルアーで挑戦してみよう
魚釣りを夏休みの自由研究の題材にしようというなら、「アジング」がおすすめだ。アジングとは、アジをルアーで釣ること。エサを使う「サビキ釣り」とはまた違った世界で、はっきり言うと、「かなり難しい」。しかし、それだけ挑戦する甲斐があるし、実際に「やる価値のある自由研究」になるはずだ。
研究テーマ「アジング」について
少年諸君、アジとは、どんなふうに釣るものとイメージしているだろうか?おそらくその多くは、オキアミを使った、「サビキ釣り」だろう。あれは、実際に魚が好んで食べるエサを使う。一方で、今回紹介する「アジング」は、エサではなく、疑似餌(ぎじえ)という、エサに見せかけたルアーを使うのだ。
アジングのように、ルアー(疑似餌)を使って魚を釣ることを、広く、ルアーフィッシングと言う。ルアー釣りは、ハマる人は一度で見事にハマる。「どーせ夏休みの研究なんてテキトーに……」と怠け最優先派も、「やるなら何か手につくことを」と考えているマジメ勢にも、絶対におすすめしたい題材だ。
研究の理由と目的について
「サビキで簡単に魚を釣る」――そんなことよりも、「難しいルアーフィッシングでアジを攻略してやる!」、この心意気でいかないか?「身近な魚の釣り方をハードモードにする」、面白そうだろう?
広くて深いルアーフィッシングへの世界にも、アジングは最適な入り方といえる。いや――はっきり言うと、アジングは難しい。しかし、最初から難関に挑むことで、成功したときの喜びは大きく、また他の魚への応用もきく腕を身につけられる。
魚釣りとは、「漁」でもある。人類がこの先何かしらの極限状態に置かれたとき、手持ちの道具でうまく魚を捕れるかどうかが、生死を分けるかもしれない。すなわちサバイバルの予習としても、アジングを研究・マスターする価値は大きい。
アジングの準備・実践
サビキ釣りならまだしも、アジングには専用の「タックル」が必要とされる。タックルとは、竿とリールと、イトとルアーの組み合わせのことだ。「アジングタックル」というと、以下のようなものとなる。
アジングタックル要件
・150cmほどのアジングロッド
・1000番台のスピニングリール
・エステルライン0.3号
・ジグヘッド1g程度、1.5inch程度のワーム
専用タックルを準備するには、最小15000円のお金がかかる。ここはお家の人と相談してみよう。
いざ実践!
アジは春夏秋冬釣ることができる魚だ。自由研究の季節となる夏は、アジのサイズは小さい。俗に「豆アジ」といわれるサイズで、なかなか難しいが、釣る確率を高めるために2つの重要ポイントがある。
1つめ。まずは、夕暮れの時間から釣り始めよう。この時刻にアジは沿岸に入ってくる。日没前後30分くらいは「夕マヅメ」といって、アジのおなかが空いている時間なのだ。ルアーへの反応も良くなる。
2つめ。アジは、夜に釣れやすい。そして、アジが溜まる場所は、常夜灯があたる範囲内だ。ここを狙い打つと、釣れる可能性が高い。あるいは、光が当たる範囲から、少し離れたあたりを狙ってみよう。
釣り方は、投げてまくだけ
アジングは、本気でやると奥が深い。数釣りするためには、高度なテクニックが必要とされる。
しかし、「とりあえず1尾」「できればもう3尾」という感覚なら、難しいことは考えなくていい。常夜灯下のポイントに入って、ルアーを投げて、ただ巻いてくるだけ。魚が突いてこなければ、少しだけルアーを沈めてみる。投げてから5秒数えて巻く、次は、10秒数えて巻く……。アジは海中のどこかの層に群れをなして溜まるので、その水深にうまくルアーを通すことができれば、必ず突いてくるはずだ。
「アジング」研究時の注意点
サビキ釣りも含め、ともあれ海の釣り、川の釣りも何でもそうだが、水辺でのレジャーフィッシングには危険がつきまとう。落水、転倒。一瞬の気のゆるみが、命取りになる。
水辺には、決してひとりで近寄ってはいけない。ましてアジングは夕刻から夜の釣りになる。必ず保護者同伴で一緒に出掛けよう。安全のために、ライフジャケット(落水すると膨らんで「ウキ」となるジャケット)は着用必須だ。
<井上海生/TSURINEWSライター>