<社会人野球・都市対抗大会東海地区2次予選>三菱自動車岡崎、3年連続で本大会出場の切符つかむ! 東京ドームで躍動誓う静岡県勢
社会人野球の都市対抗大会東海地区2次予選は29日、第6代表決定戦を行い、6月5日から約3週間にわたって続いた全日程を終了した。
第1代表はトヨタ自動車(豊田市)、第2代表は西濃運輸(大垣市)、第3代表はホンダ鈴鹿(鈴鹿市)、第4代表は三菱自動車岡崎(岡崎市)、第5代表はヤマハ(浜松市)、第6代表は王子(春日井市)に決まった。
27日に行われた第4代表決定戦は三菱自動車岡崎が、ヤマハを7−3で破り、昨年の第1代表決定戦の雪辱を果たして3年連続15度目の本大会出場を決めた。
この試合に7番一塁手で出場した伊藤大地選手(29)=浜松商高出=、ベンチ入りした鈴木翔也投手(24)=静岡高出=と近藤愛斗投手(19)=浜松開誠館高出=ら静岡県勢が本大会での活躍を誓った。
伊藤「ドームで暴れたい」
伊藤選手は浜松商高から岡崎入りし12年目。今年の予選は2試合に途中出場し、第4代表トーナメント1回戦から3戦続けてスタメン入り。計6安打を放ってチームを勢い付けた。ヤマハとの第4代表決定戦では、守っては一塁線への鋭い打球を好捕し、攻めては七回に8球粘って四球をもぎ取るなどベテランらしい役割を果たした。
「ヤマハには勝っている印象がなくて。負けっぱなしは悔しいし、意地が見せられて良かった。今日はたまたま出られただけで、チームが勝つために、少しでも貢献できたならそれでいい。(本大会出場)権利を取れたので、次は日本一に向かって、力を蓄えてドームで暴れたい」
鈴木「強み出していく」
鈴木投手は静岡高時代に2017年の秋季県、東海大会で優勝し、明治神宮大会出場、18年の選抜大会(甲子園)を経験した技巧派左腕で、関西学院大を経て入部3年目。昨季は都市対抗本大会と日本選手権のマウンドを経験したものの、今季の調子はいまひとつ。予選は東邦ガスとの第3代表トーナメント3回戦での登板にとどまった。
「去年は思うようにできていたけれど、今年は何もできていない。(本大会では)補強選手も入ってくるし、チームにもいいピッチャーが多い。ポジションを取られてしまっているので、本戦までに自分の強みを出していかないと。いつでもストライクを取れる変化球を増やし、コントロール、精度を上げるなどやるべきことをやっていく」
近藤、直球の質に手応え
浜松開誠館高3年の夏、甲子園に出場した近藤投手は入部2年目の今季、初めて予選を経験し3試合に登板した。1年目は「初めてのJABA大会(長野)でボコボコにされて通用しなかった」。高校時代は球速を求めて149キロをマークしたが、社会人は球速では打ち取れないことを痛感。今季は「より強い、質のいい球」にこだわってきた結果、「140キロ台前半でも差し込めるようになった」と手応えを感じている。
「都市対抗予選は負けたら終わり。会社を背負っているプレッシャーと緊張もあり、思ったように投げられなかった。まだ東京ドームのマウンドで投げたことがないので、あと2カ月間練習して(本大会の)マウンドに立てるようにする。(ドラフトイヤーの)来年は必ずプロに行きたい」
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
都市対抗の醍醐味の一つが応援合戦。今年から全ての代表決定戦が午後6時開催のナイターとなり、会場は大勢の観客でにぎわいました。三菱自動車岡崎にとって岡崎レッドダイヤモンドスタジアムはホームグラウンド。第4代表決定戦のスタンドでは、本大会と見まがうほどの気合の入った応援が繰り広げられていました。スタンド中段に陣取ったそろいの黒の上下、赤い帽子を身に付けた団体=写真=は新入社員の皆さんだそうです。