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母乳に含まれる「オリゴ糖」で猫や犬の腸内環境改善が判明

ねこちゃんホンポ

猫や犬の腸内環境を整えるミルクオリゴ糖

イリノイ大学の研究チームが行った研究により、ミルクオリゴ糖を猫や犬のペットフードに添加することで犬猫の腸内環境が改善されることが明らかになりました。

近年、ミルクオリゴ糖は成人用のサプリメントとしても人気があり、ミルクオリゴ糖が添加された乳児用粉ミルクも流行っています。

一方、ミルクオリゴ糖は猫や犬のペットフードの添加成分としても注目されています。

製品開発

スイスのバイオ技術会社Gnubiotics Sciencesは、2019年に世界で初めて動物の腸内環境を整える「プレバイオティクス製品」として、ヒトミルクオリゴ糖に似せて作った物質「GNU100」を発売しました。

このGNU100の安全性や嗜好性、腸内環境の改善効果についてアメリカのイリノイ大学の研究チームが犬と猫を対象に研究試験を行ました。

その結果、安全性や嗜好性については申し分なく、長期間与えることで腸内環境も整うことが確認されたのです。

研究で明らかになった猫と犬の母乳の違い

イリノイ大学動物化学部栄養科学科のケリー・スワンソン教授によると、これまで動物のミルクオリゴ糖についてはほとんど研究されておらず、今回の研究は犬と猫のミルクオリゴ糖の特徴を詳細に調査した初めての研究だそうです。

研究ではまず、犬と猫の母乳に含まれるオリゴ糖を特定しました。

犬の母乳では、現在乳児用の粉ミルクにもよく使用されている3種類のオリゴ糖が特定。この3種類のオリゴ糖で犬の母乳に含まれるオリゴ糖の90%を占めています。

猫のオリゴ糖の種類

猫の母乳は犬よりもさらに複雑で、主に「15種類」のオリゴ糖が全オリゴ糖の90%を占めていました。

新たに分かった犬と猫のこうした違いから、オリゴ糖が犬や猫の新生仔の健康状態や栄養状態に対しどのように作用するのかを今後さらに調べる必要がありそうです。

確かな安全性と嗜好性、腸内環境の改善効果

次に、動物を使わず生体外でGNU100の成分に毒性がないことを確認した後、GNU100を混ぜた油脂でコーティングしたドライフードを犬と猫に与えました。

また、比較対象としてGNU100を混ぜていない油脂でコーティングしたドライフードも選択できるようにしました。

その結果、子猫と子犬はGNU100を含有するフードを迷わず選び、猫に関してはGNU100を含有しないフードの約18倍のGNU100含有フードを食べたのです。これにより、GNU100の嗜好性が十分に高いことが確認されました。

さらに、今度は成犬と成猫にいくつかの異なる濃度でGNU100を混ぜたドライフードを半年間与え続け、便の質や栄養消化性、血液代謝物を調査。

腸内代謝物と腸内細菌叢の変化を評価したところ、健康面で有害な作用は認められず、腸内環境には予想通りの改善が認められました。

今後に期待

スワンソン教授は、新生仔や高齢の犬猫、あるいは免疫機能に障害のある犬猫を対象とした研究であればもっと大きな効果を得られたかもしれないと考えています。

また、理論上プレバイオティクス製品は腸内の善玉菌を増やし悪玉菌の増殖を抑える働きがあるため、抗生物質による治療を受けていたり、大きなストレス下にある動物がこうした製品を摂取すれば腸の不調などを防ぐことができるかもしれません。

いずれにしても、今回の研究はミルクオリゴ糖が犬や猫の腸内環境に及ぼす効果を確認するための貴重なデータとなったようです。

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