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【小田原市】彫刻家・横田七郎の回顧展 生誕120年、2会場で約130点

タウンニュース

木彫「めざし」と木版「ポンコツの山」(小田原市提供)

小田原を拠点に活動した彫刻家・版画家の横田七郎(1906―2000)の生誕120年を記念した回顧展(小田原市主催)が、12月18日(木)から24日(水)まで小田原三の丸ホール展示室で開かれる。市内に数多くの屋外彫刻が残るなど、小田原に根を下ろして創作に励んだ横田の歩みを作品を通して振り返る。

市内には「二宮尊徳回村の像」(尊徳記念館)など、横田が手掛けた多くの野外彫刻が残されている。回顧展は、主に2018年に寄贈された530点ほどの作品と資料の中から約140点を厳選。作品のテーマ別に、三の丸ホール(約40点・観覧無料)と松永記念館(約100点・2026年1月10日(土)〜、観覧料500円)の2カ所で展示する。

多彩なモチーフに挑む

1906年に台湾で生まれた横田は、油絵画家を目指して18歳で来日。彫刻家の佐藤朝山に師事した。

20代前半のころ、身近な食べ物や生き物をモチーフとした木彫作品が日本美術院展覧会で初入選。戦後は小田原市内の中学・高校で教鞭をとりながら創作に励み、木彫だけでなく木版画の分野にも進出した。

60代から70代にかけては、中国の古代文字「金文」をもとにした作品をはじめ、インドを訪れて遺跡や人々の暮らしに着想を得た作品を生み出した。その後も南米やアフリカを旅しながら創作を続け、晩年はラグビーや相撲、バレエなどスポーツ・芸術分野を題材にした作品など多様なモチーフに挑戦し続けた。

回顧展には、修業時代に昼食当番で焼いた「めざし」の木彫(30年)や、廃車がうず高く積み上げられた様子を木版で表現した「ポンコツの山」(72年)など、横田の独特な感性が光る作品が並ぶ。

市郷土文化館の学芸員は「横田七郎は、小田原市内に今もなお野外彫刻が多く残される身近な作家。93歳で亡くなるまで、生涯にわたり多様なモチーフに果敢に取り組んだことを改めて知っていただく機会になれば」と話している。

三の丸ホールの展示は午前10時から午後5時。問い合わせは市生涯学習課郷土文化館係【電話】0465・23・1377。

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