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トム・クルーズも大絶賛!『トップガン マーヴェリック』に比類する今夏最高の体感映画『ツイスターズ』はスピルバーグ製作の竜巻モンスター映画

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トム・クルーズも大絶賛!『トップガン マーヴェリック』に比類する今夏最高の体感映画『ツイスターズ』はスピルバーグ製作の竜巻モンスター映画

全米No.1ヒットの竜巻モンスター映画、日本上陸

言わずもがなの巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮×『ジュラシック・ワールド』の製作陣によるアクション・アドベンチャー超大作『ツイスターズ』が、8月1日(木)より全国公開となる。

キャストには、ジャンルを問わず演技派として活躍する“次世代のアン・ハサウェイ”ことデイジー・エドガー=ジョーンズや、『トップガン マーヴェリック』で世界的大ブレイクを果たした“ネクストブラッド・ピット”ことグレン・パウエル、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』ほか話題作に引っ張りだこなアンソニー・ラモスなど、今後のハリウッドを牽引していく新世代のスター俳優たちが集結。そして監督は、『ミナリ』でアカデミー賞6部門ノミネートを果たしたリー・アイザック・チョンが務める。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

全米初登場No.1の大ヒットスタートを切り、すでに公開済みの世界中でも驚異的な興行収入を記録している本作。イギリスで行われたプレミアでは、あのトム・クルーズが一緒に鑑賞していたキャストの肩をブンブン揺さぶるほど大興奮していたことも報じられているが、そんなトムのリアクションにも納得の面白さなのだ。

大迫力の竜巻映像は夏休みに映画館の大スクリーンで観るのにピッタリだし、気象科学のSF的エンタメ化との好相性、立場や意見の相違を乗り越える友情、個人としての選択を尊重する親子愛などなど、もはやこれは映画として100点満点なのでは? と太鼓判を押したくなる、まさに『トップガン マーヴェリック』と比類するレベルの傑作である。

竜巻はモンスターだ! 絶対に逃げられない恐怖

『ツイスターズ』を観て改めて驚かされるのが、日本を含むアジアではなかなか真似できない規模感と懐の深さ。広大すぎる草原、どこまでも突き抜ける空、人種もジェンダーも社会階級も関係ない個性と魅力あふれる登場人物たち――。そして映画冒頭、主人公ケイトたちを襲う竜巻モンスターの迫力は、「話題の『ツイスターズ』、どんなもんじゃい!」と映画館に乗り込んだ観客たちを一人残らず釘付けにするだろう。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

人の力では到底太刀打ちできない“自然の脅威”は我々もよく知っているし、その絶望がモンスターのごとき形をともなって襲いかかってくる様子には実際、体の底から震えがくる。

本作に登場する竜巻モンスターの姿は、まさに「捕食」という表現がしっくりくるもの。ぐっと手を伸ばしてヒトの身体を掴み、力任せに渦の中に引きずり込んでくるような、しかも“富士山よりも高く、新幹線より速い”という、これは絶対に逃げられない……! と絶望させる恐ろしさがあるのだ。

それでいて本作は、SFなガジェットや魔改造クルマなどジャンル映画ならではのケレン味もモリモリで、ジャンル映画好きをワクワクさせてくれる仕掛けだらけ。しかも2時間ほぼジャストの上映中、ダレる瞬間がビタイチ無いテンポの良い構成も見事と言うほかない。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

デイジー・エドガーやグレン・パウエルの魅力が炸裂!

本作がエンタメとして楽しめるのは、もちろんキャストの貢献もあってこそ。デイジー・エドガー=ジョーンズ演じるケイトは、まるで薄い陶器のような繊細さの中に芯は曲げない強さと賢さが滲み出ていて、誰もが応援してしまうであろうヒロインぶり。実はめちゃくちゃインテリなのだが、田舎育ちの奔放さを垣間見せるところが猛烈にキュートだ。

ケイトとは一見正反対のように見えるものの、彼女の“おきゃん”な部分と共鳴するのが、グレン・パウエル演じる竜巻チェイサーのタイラー。ムチムチに鍛え上げられた肉体と、確かな知識に裏打ちされた自信で多くの竜巻ファンを惹きつけるカリスマぶりは眩しいばかり。吹替の津田健次郎ボイスもハマりすぎで思わずニヤリとしてしまう。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

そしてアンソニー・ラモス演じるケイトの旧友ハビは、竜巻リサーチ会社の若きCEO。彼もケイトも“生存者の罪悪感”に囚われている感があるのだが、ラモスが持つ“ラテン系のファン・ジョンミン”とでも例えたくなる人間くささが非常に魅力的で、物語的には損な役回りでもあるのだが、随所で重要なカギとなる存在だ。

また、青山穣が吹き替えるジャーナリストのベンもコメディ・リリーフとして超優秀。ほかにも『ヘルボーイ』(2019年)などで大活躍中のサッシャ・レインや、『NOPE/ノープ』(2022年)で鮮烈デビューしたブランドン・ペレア、『マンダロリアン』(2019年~)シーズン3に登場し強烈な印象を残したケイティ・オブライアンなど、竜巻チェイサーのメンバーたちにも注目したい。

ハビ率いるリサーチ会社(インテリ)とタイラー率いるチェイサー(愚連隊)の対決構造は、モンスターの“取り扱い”をめぐって対立する怪獣映画のようで、映画ファンの心をくすぐる。それがケイトとタイラーの凸凹コンビの結成を期待させつつ、安易な恋愛展開に持ち込まないところも好ポイントだ。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

なぜ“人情派”のアイザック・チョン監督が抜擢されたのか?

なんでもエンタメ化するアメリカらしく、竜巻だって立派なショーに仕立ててしまう。愛好家たちが竜巻モンスターを追って全米各地をツアーする様は、デッドヘッズならぬ「ツイスターヘッズ」とでも呼びたくなる熱狂ぶりだ。その象徴的存在が、中継動画配信でカリスマ的な人気を誇るタイラー。ただし、そこに搾取的なごっつぁん構造はない。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

カイジュウが踏み荒らした街はフィクションだが、竜巻には実際に被害者がいて、誰もが人生を左右するような決断を迫られている。映画的には脇役である被害者たちの姿を終盤の重要なシーンに据えたのは、たびたびアメリカ内陸~南部に甚大な被害をもたらしている竜巻モンスターに対し、製作陣が真剣に向き合った結果だろう。

また、登場人物たちが“双子の竜巻モンスター”と対峙した際に「藤原の効果(Fujiwhara Effect)」という言葉が出てくるように、どこかで聞いたことがある気象学用語も飛び交う。「竜巻は、半分科学(見えるもの)で半分宗教(見えないもの)」というセリフなどは、おもわず普段使いしたくなるような含蓄にあふれている。

『ツイスターズ』©︎2024 UNIVERSAL STUDIOSWARNER BROS.ENT.& AMBLIN ENTERTAINMENTINC.

天気を司るものは、人命を救うことができる――。本作は“現実世界に存在するモンスター”を描いた映画であり、『ミナリ』の大ヒットで人情派というイメージが強かったアイザック・チョン監督の抜擢が大正解だったことも証明した、あらゆる映画ファンにおすすめしたい傑作である。

『ツイスターズ』は2024年8月1日(金)より全国公開

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