静かに息づく懐かしい家で雑貨と向き合い自分を探す 築約100年の古民家雑貨店『のんきなリス』で美しい時間を過ごしてきました 淡路市
淡路市北山ののどかな田園地帯の一角に、『のんきなリス』という不思議な名前の雑貨店が昨年オープンしました。築約100年の古民家が店舗の同店。記者はある晴れた夏の日に訪れました。
伊弉諾神宮近くの県道88号線上に見える看板。ここがお店の駐車場です。ここからお店には、緑濃く川が流れる小道を抜けて徒歩約3分。
同店は淡路島でカフェ・宿泊施設の運営、焼き菓子販売等を手掛け、約20年にわたり島のカフェ文化を牽引してきた株式会社KOZORASOUの新たなお店。作家物のアクセサリーや器、アジアの生活雑貨、古物雑貨など様々な品物を販売しています。
玄関で靴を脱いでお店に上がります。目の前に広がるセピア色の空間。まるで蚤の市のようにたくさんの品々が、年代を帯びた家具や棚の上に整然と並んでいました。
静かな音楽が流れる中、ゆったりとした気分で、自分の暮らしにピッタリとはまるピースを探す幸せ。外とは違う穏やかな時間が、この家の中には流れています。
日本全国からオーナーが探した作家による作品を幅広く取り扱う同店。店内では、各作家を個別にクローズアップした「POP UP SHOP」も、随時開催されます。
こちらは2階の屋根裏部屋。太い木の梁が見事です。この部屋はギャラリーとして使われるほか、個展やワークショップ等も時折行われます。
雑貨選びに疲れたら、「小さな喫茶室」でほっと一息。座敷席では、季節のスイーツやドリンクが頂けます。この日は、桃のケーキとグレープフルーツソーダを頂きました。
古い木のテーブルに座って、小さなお庭を眺めながら頂く緩やかに甘いケーキ。大きく切られた桃を頬張ると、ふと何とも言えず懐かしい感覚にとらわれます。
自家焙煎珈琲「のんきなリスブレンド」は、古民家の重厚感を苦味と深みで表現しつつも、心落ち着く柔らかさのある味わい。KOZORASOUの焙煎所で、ていねいに作られる逸品ブレンドです。
「喫茶室はカフェとしてでなく、お買い物の休憩の場としてご利用頂けたら」と、同店広報担当者は話します。
また同店では、入店できるのは中学生以上から。親御さんが子どもに気を取られることなく、自分自身の時間を楽しめるようにとの配慮だそうです。
ふと見つけた野の花に夢中になって、せっかく集めたドングリさえぽろぽろ落としてしまう「のんきなリス」。店名は、そうした “のんきな自分”を大切にしながら、自分の"好き"を再確認する場所であるようにとの想いから付けられたそうです。
実は記者もお店の大ファン。訪れるたびに小さな柄杓や、古道具や、インド製の写真立てなど、脈絡のない物ばかり買ってしまいます。まさに、緑の野原でお宝を見つけたリスの気分。
静かに息づく懐かしい家で、雑貨を通して自分と向き合うかけがえのないひととき。次は初秋に色づく小道を抜けて、自分の中の「のんきなリス」にまた会いに訪れたいと思います。
場所
のんきなリス
(淡路市多賀760-4)
営業時間
10:00 ~17:00
※喫茶は11:00~
駐車場
駐車場住所:淡路市多賀760-4
※店舗は駐車場から徒歩3分