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東広島芸術文化ホールくららが開館10周年 市民の「鑑賞」と「発表」後押し 音響抜群と評価が高い大ホール

東広島デジタル

プロからも高く評価される大ホール

 東広島芸術文化ホールくらら(東広島市西条栄町、平田泰館長)が2026年4月で開館10周年を迎えた。開館以来、東広島市の文化発信拠点として、プロのアーティストのコンサートなど数多くの催事を提供してきた。平田館長に思いを聞いた。(日川)

「これからは育成にも力を入れたい」と話す平田館長

― 10周年を迎えた思いは。

 10年を経て〝西条にくららあり〟と広く周知されてきたと実感があります。また感動と共感を多くの方に体感していただきました。立地・多目的利用・自主事業・音響・舞台設備等、魅力ある施設として今後も貢献し、皆様の期待に応えたいと思います。

― 大ホールは音響の良さに定評があると聞いています。

 特にクラシック関係者からは「音の濁りがなく、演奏したままの音がクリアに返ってくる」と高く評価されています。NHK交響楽団がリピート公演をしたり、広島交響楽団が毎年、定期公演を行ったりするのは、評価の証だと思っています。一方で、ポップスの分野でも、音にこだわるアーティストには好評を博しています。例えば、南こうせつさんは毎年、コンサートを開かれますし、岡村孝子さんも継続的に公演を行っています。多目的施設ではありますが、ホール部分は音楽鑑賞のクオリティーに、こだわっていますね。

― 小ホールも評判です。

 小ホールはフラットでの利用も可能で、音楽の演奏に限らず、展示会やイベントなど多様な使い方ができるのが特徴です。もちろん、音響も大ホールに劣らないレベルで優れており、東京のアーティストが、わざわざ録音目的で利用されたこともあります。

― 市民の創作活動も支えています。

 大小ホールでは、芸術発表のほかに、学会などコンベンションにも利用できます。小ホールでみると、稼働率は8割に達し、多くの市民の芸術・創作活動の場にもなっています。
 また、3階には、防音の練習室やサロンホールも備えており、リハーサルやミニコンサートなどにも活用できます。

― 市民参加型の事業にも力を入れています。

 くららでは年間50件以上の自主事業に取り組んでいます。市民に芸術の機会に触れてもらおうと、市民参加型の取り組みにも力を入れており、その一つが4年前から行っているダンス事業です。例えば「みんなdeダンス」と銘打って、とにかく踊りを楽しもうという表現活動は、2歳の幼児から80代のシニアまで幅広い世代の人たちに参加してもらい、ゼロから作品を創り上げていきます。その過程には、大きな感動があります。

― 10周年を記念した事業の柱は。

 何といっても8月1日に開催する松井秀太郎さん、ナカリャコフさん、児玉隼人さんの3人のトランぺッターによる「トランペットの祭典」です。世界が認める3人の一期一会のコラボです。聴き逃してはもったいないかな、と思うほどです。8月29日には、東広島市立美術館との連携事業「立川志の輔らくご会」を開催します。

― これからの思いは。

 子どもたちの「育成」です。将来、東広島から世界に羽ばたくアーティストを育てていきたいと願っています。「東広島市くららジュニアオーケストラ」「音楽アウトリーチ」「参加型表現活動」など、子どもたちに「本物」に触れる芸術普及活動を増やしていきます。東広島という地域から芸術のたねをまき、地域文化の発展に役立ちたいと思っています。

くららのここがいい!利用者の声を紹介

 本格的な音楽や舞台を楽しめるようになり、生活が潤うようになりました。舞台と客席が近いから、演奏する側と一体感を感じるのも魅力です。(高屋町・60代女性)

 音楽のサークルに入っています。日頃の練習場所はもちろん本番の演奏会もくららを利用します。映画「ドライブ・マイ・カー」の舞台にもなったホールで、初めて演奏したときの感動は一生の宝物です。(西条町・50代女性)

 声が客席に飛びますし広がります。とても歌いやすいホールです。広島県内にも多くのホールがありますが、音響レベルの高さは、一、二を競うのではないでしょうか。(広島市・40代オペラ歌手)

 『広島飛ばし』のことが話題になっていますが、逆に、東広島はくららがアーティストを呼び込む施設になっているのではないでしょうか。(黒瀬町・40代女性)

 JR西条駅の近くにあり便利です。館内には、飲食店や「こもれび広場」があるので、催事がないときでも、友人と気軽に立ち寄ることができます。(河内町・70代男性)

くららが東広島に果たした役割

※関係者の取材をもとに編集

point1 一流の音楽・舞台公演が東広島市で鑑賞できるようになった

 これまでは広島市などに行かないと見ることができなかった全国区の公演が、地方都市の規模で鑑賞できる環境が整った。

point2 市民が芸術の「観客」から「出演者」になった

 くららの充実した大小ホールは、市民の芸術活動の発表する機会を大幅に増やした。

point3 子どもや若者たちの文化体験が増えた

 子どもや学校向けの芸術鑑賞会やワークショップなどが増え、子どもから大学生まで文化体験の機会が広がった。

point4 地域ネットワーク構築に貢献できた

 多機能複合施設として、市民サークル(団体)の芸術文化活動の活性化に貢献した。

point5 「文化都市」のイメージが強まった

 音楽イベントの他、文化フェスティバルや学会、講演会の拠点。東広島市の中心市街地にあり、文化の街というイメージが強まった。

くらら10年の軌跡

開館(2016年度)~現在(2025年度)までの主な公演ピックアップ(年度順)

2016年度
◇4/8 くららこけら落とし公演「小林研一郎指揮 日本フィルハーモニー交響楽団」 ソリスト/千住真理子(ヴァイオリン)
◇4/16 くららピアノ開きコンサート 仲道郁代ピアノリサイタル
◇10/18 平成28年度 松竹大歌舞伎 (主演/市川猿之助・坂東巳之助)

2017年度
◇8/5 南こうせつコンサートツアー2017
◇10/28 美輪明宏講演会

2019年度
◇5/6 演劇「春のめざめ」(出演/伊藤健太郎・栗原類・岡本夏美)
◇11/19 NHK「うたコン」 生放送(出演/谷原章介・城田優・ゴスペラーズ・水森かおり)

2021年度
◇10/1 くらら開館5周年記念事業 野村万作・萬斎 狂言の世界2021 ~狂言三代~
◇1/16 Super Brass Starsスペシャル・ライブ(出演/中川英二郎・エリックミヤシロ・本田雅人)

2022年度
◇7/24 NHK交響楽団 東広島特別公演
◇10/16 「ドライブ・マイ・カー」アカデミー賞受賞記念上映会 ※くららがロケ地に
◇6/26 小曽根真 No Name Horses ~THE BEST~

2023年度
◇9/23 イ・ムジチ合奏団~結成70年記念公演~

2024年度
◇10/18 THE ALFEE 50th Anniversary 秋の祭典
◇2/5 くららUTA(出演/Little Glee Monster)
2025年度 第21回ヴィータ・ムジカーレ・オペラ 歌劇「アイーダ」

プレスネット編集部

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