スマホサイズのパックロッドでバスは釣れる?アウトバックパピーを実釣インプレ
仕舞寸法18cm──iPhoneより少し長いだけ、500mlペットボトルより短いロッドが登場しました。テイルウォークの「アウトバックパピー」です。三分割+振り出し式で実現したこのサイズは、本当に実戦で使えるのか。編集部が東京・弁慶堀のバス釣りで試してきました。
文と写真◎Basser編集部
1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。
iPhone並みのサイズ感を実現したアウトバックパピー
釣りフェスティバルで二度見したロッドがありました。テイルウォークの「アウトバックパピー」です。三分割+振り出し式で仕舞寸法は18cm~。iPhoneより少しだけ長く(「17」の高さは約15cm)、500mlペットボトルより短い。一般的なマルチピースロッドの仕舞寸法は30cmを超えることが多いなか、これはスゴいサイズ感です。
振り出しとジョイントの合わせ技で18~22.5cmという仕舞寸法を実現!
普段使いのバッグに入れっぱなしにできる携帯性
小型のクリアケースなどに入れて持ち運べば破損リスクも低く、普段使いのバッグに入れっぱなしにしておく気になります。僕たちの仕事でいうと、ノートパソコンのケースやカメラバッグ、車のグローブボックスに収まるのが嬉しい!詳細な説明は避けますが、「サオの存在がバレない」というのはさまざまな面で福音なのです。ジェームズ・ボンドだってワルサーPPKを丸出しで持ち運ばないですよね。
ラインナップはスピニング6機種(ベイトも欲しい!)。とくにそそられたのはS41LやS48ULといった超ショートな番手です。これまで4ft台のロッドでバス釣りをしたことはほぼありません。独特の趣きがありそうです。
手のひらと比べてもらえるとその小ささが伝わるかと。ルアーを入れるクリアケースに入れても持ち運ぶのがオススメです
東京都・弁慶堀でショート4本を実釣テスト
というわけで僕(ササキです)と編集部オオタニのふたりで東京都・弁慶堀へ。赤坂見附のど真ん中にある都会のオアシスでパピーを使ってみましょう。持ち込んだのはS41LとS48UL、S50UL、S50L。ショートな4本です。仕舞寸法が短いことによるメリットはインプレ抜きで伝わるはずなので、メインテーマは実際に釣りをしてみた感触です。
パピーはルアー専用に設計されたわけではなく、ウキやサビキ、穴釣りなど、あらゆる釣り方で小・中型の魚をねらうことを想定して作られてます。4ft台をラインナップしているのは子どもが使うことも想定しているから。バス釣りにはマッチするのでしょうか?
インプレを行なったのは東京都・赤坂見附にある弁慶堀。手漕ぎボートでのバスフィッシングが楽しめる貴重なフィールドだ
10gオーバーにもばっちり対応するキャスト性能
5月末の弁慶堀。僕がまず手に取ったのはS48ULです。適合ルアーウエイト表記は1~5gですが、まず結んだのはミニプロバズ。このルアー、メーカー表記は1/8oz(3.5g)ですが、実測値は10g。いい加減にもほどがあると言わざるを得ないですが名品です。僕がマルチピース系のロッドを使う場合、サオは一本のことがほとんどなので、表記ウエイトを大幅に超えたルアーも気持ちよく投げられることはとても大事なのです。
上/S48ULとS50Lを手にするササキ。弁慶堀はウイードだらけなのでまずはノーシンカーやバズベイトでスタートしました。ラインはPE0.6号
表記を超えるウエイトも投げられるブランクの粘り
いざキャストしてみるとまったくムリなく投げられます。テーパー表記はレギュラーですが、根元までグニャっと曲がるタイプではなく適度なハリがあるのがいいのでしょう。さすがに1/2ozのスピナーベイトは投げにくかったですが、10gちょっとまでのルアーは問題なく扱えます。弾性が高すぎない粘りのあるブランクなのでウエイトの対応幅はかなりありそうです。5gのステルスペッパー70S、4.7gのラウダ―50も試してみましたがこれはドンピシャという気持ちよさ。
この日ササキとオオタニが投げたルアーたち。ルアーウエイトへの対応幅は表記以上に幅広いと感じました
4ft8inのショートロッドが生む軽快な操作感
そして、4ft8inの振り心地は「軽快」のひと言。キャストやアクション時のダイレクト感が増す印象があります。そして弁慶堀にはオーバーハングが多いのですが、天井がある場所で振り回してもノーストレス。これは釣果に直結しそうです。
ボウワームヌードルのネコリグに変えてシェイクも試してみるとこちらも短さがいい方向へ作用している気がしました。いつもより細かく操作できている感触があります。これはポッパーの首振りでも同様でした。
UL10gオーバーのルアーという組み合わせでもキャストは気持ちよかったです。写真のロッドはS48UL。さすがのショートロッド。軽快に触れてキャストが決まります
オオタニはS50ULでスナッグレスネコリグをセレクト
オオタニはS50ULをセレクト。オオタニはネコリグ人間なのですが、この日最初に結んだのはスレンダースキャット4inにN・S・Sフック#2/0という組み合わせ。「けっこう重めのネコリグも余裕で投げられますね」とスタートしていましたが、さすがに5ftジャストのウルトラライトパワーだとフッキングに難があるんじゃ……?まぁ、やってみましょう。
S50ULでネコリグをひょいひょい投げるオオタニ。ウルトラライトにスナッグレスネコリグはミスマッチなのでは?
んで、釣れたのか?弁慶堀での実釣結果
釣りのほうはどうだったのか。まずウイード周りの表層でバズベイトやステルスペッパーを巻いて不発。オオタニのネコリグにも反応がありません。
カナダモを中心としたウイードが繁茂している。この日は55cmクラスのバスも目撃!
常連の矢吹さんは午前中だけで40cmアップを連発
すると常連の方(矢吹さん)が40cmアップを釣っているのを目撃。オールを漕いで急行して撮影させてもらいました。なんとすでに2匹目!まだ出船から1時間もたっていないのに!
午前中だけで40cmクラスを3匹釣っていた矢吹さん。ギルネストについたバスをギーラカンスの秘密技で釣っていました
ギーラカンスのI字系セッティングでギルネストのバスをねらう
話を聞くと、シェードのシャローにブルーギルのベッドがあり、そこにバスも入っているそうです。ギーラカンス3inのアゴにネイルシンカーを入れ、マスバリをチョン掛けして泳がせているとバイトしてきたそうです。要はおさかなセッティングのI字版。泳ぎを見せてもらうと、全国のフィールドで釣れまくることを確信しました。お礼とともに「僕は真似しますが、今後誰にも教えないでください」とお願いして釣り再開。
ギルのことは頭になかったため、ギーラカンスは持ってきていません。「リグごと貸してください」と言いそうになりましたが、その寸前に「なかなか買えなくて……」という言葉を聞いて急いで飲み込んだ次第です。
矢吹さんはギーラカンスの多彩な使い方を開発してました。マスバリと合わせてスイミングさせたり、ネコリグでホワホワさせたりとレパートリー多め!
レイダウン下の見えバスはバイトするもすっぽ抜け
教えてもらったスポットを見に行くと、ウッドカバーの周りにギルもバスもごっそりいるではないですか!ギルネストの周りに40cmアップが3匹ほどいるのも確認。ありがとう矢吹さん……。
ルアーをボウワームヌードル8inのノーシンカーワッキーに変え、レイダウンの下にいたバスの前に投げるとあっさりバイト。でもすっぽ抜け。その後ギルネストの近くに投げてフォールさせるとラインが走りますがこちらもすっぽ抜け。他力本願のち自責の嵐です。
オーバーハングが多い弁慶堀には5ft前後のショートロッドがぴったりでした。このレイダウンの下にいた見えバスがボウワームヌードルを食べてくれましたがすっぽ抜け!
オオタニがネコリグで35cmをキャッチ
涙を拭いていると近くのオオタニのパピーがぶん曲がっているではないですか!ブッシュにウイードが絡む場所をネコリグで撃つと一発回答があったそうです。スナッグレスネコリグでしたが、S50ULで問題なくフッキングが決まっており無事ランディング。35cmクラスのキレイな魚でした。
オオタニ「やった~!パピーオオタニを名乗ろうかな」
スレンダースキャット4inのネコリグでキャッチした35cmクラス。ロッドはS50UL。いえいえ、しっかり掛かりました。フォール一発でラインが大走り!キャスト、操作ともに軽快でダイレクト感のあるロッドでした
6機種すべてがバス向き、生活に寄り添うロッド
結論として、6機種ともバスフィッシングにバッチリなのは間違いなさそうです。どの番手もバーサタイルな設計なので、好みのレングスやパワーを選べばよさそうです。今回はショートロッドを使いましたが、重めのルアーを投げたりカバーに絡めたりするならS62MLがオススメ。6ft2inで適合ルアーウエイトは3~10g。それでも仕舞寸法は22.5cm!
パピーは生活に寄り添ってくれるロッドだと感じました。「オレはいつでもやれる」という気持ちが幸せを生んでくれますよ。
通勤用のリュックにパピーとリール、ルアー、ライフジャケット、そしてノートパソコンを入れてもまだ余裕あり。ロッドがコンパクトだと気が楽です
※このページは『Basser 2026年8月号』に掲載した記事を再編集したものです。