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<高級チョコを……夫に?>バレンタインは3年連続で高級チョコ?……相手の真意は!?【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

私は木村ワカコ(27)。夫のユイトと4歳の娘スズと3人で暮らしています。ユイトとは、私が学生のときに知り合いました。2歳年上のユイトのおおらかさに私が惹かれ、アプローチ。私の大学卒業を待って結婚し、すぐに娘が生まれました。幸せな暮らしをしていますが、私は会社に勤めて働いた経験がありません。そのためユイトが毎日会社に行ってどのようなことをしているのか、想像がつかないのです。

そのぼんやりとした不安が大きくなるのが、バレンタインデーの時期です。おととしから、私には気がかりなことがあるのです……。

今日は2月14日、バレンタインです。結婚当初、バレンタイン当日にチョコレートをプレゼントしたい私と、仕事でどうしても遅くなってしまうユイトでモメていました。いえ……ユイトは優しいので怒らなかったのですが、私が勝手にすねていました。結婚5年目となった今は、バレンタインのチョコレートは週末に渡すことにしています。

4歳のスズはちょっぴりおマセさん。もうバレンタインを知っています。今日は朝から、パパへのチョコレートを作るんだと張り切っています。幼稚園に送っている間も自転車の後ろでスズが、どんなチョコレートを作ろうか、パパ喜ぶかな、などと大声で話していました。

4歳児とのチョコレート作りは大変でした。湯せんで溶かすだけでも大騒ぎ。手についたチョコレートをなめて大はしゃぎ。かわいく装飾する前に溶かしたチョコレートは再び固まりはじめ……。でも、そのドタバタが楽しい時間でした。夜になり、ユイトが帰ってきました。

夫のユイトが私に渡してきたのは、デパートで人気の高級チョコレート店のギフトボックスです。職場で手渡されるそうで、そのまま私にくれるのです。

はじめてこのギフトボックスを見たときはおととしのことで、ぎょっとしました。それまで「今どきは義理チョコの文化がないから、職場ではもらわないかなあ」と言っていたのに……。

ボックスには「木村課長へ。坂下」と書かれたカードが添えてあります。

この時期はいつも忙しいユイト。仕事で疲れ切っているらしく、夜帰ってきたら寝るだけです。なので今年もチョコレートのことも、坂下さんのことも聞きそびれてしまいました。

義理チョコはないと聞いていたのに、もらってくるのはどうしてでしょうか。なぜ、いつも高級なブランドのチョコレートなのでしょうか。あっさりと私に渡してくるから、ユイトにとっては大したことではないのかもしれません。でも、毎年渡してくる坂下さんの気持ちは? このもやもやした気持ちをどうすればいいのか、私はわからないのです。

「本当に義理チョコ?」モテる夫に不安はふくらむばかり……

ユイトとスズのやり取りを微笑ましく思いながら、私はラッピングされた箱を取り出しました。休日になり、今週も忙しかったユイトにやっとチョコレートを渡すことができました。デパートの催事場で1時間も悩んで決めたものです。

2人はウキウキと自宅を出ていきました。ようやくゆっくりできる。ふと、坂下さんからユイトへのチョコレートの箱に目が留まりました。いつも私とスズで食べていますが、今日はせっかく1人だし、コーヒーでも淹れてゆっくり味わいたいと思います。

ユイトがあっさりとチョコレートを私に渡してくるので、浮気は疑っていません。でも、職場の義理チョコにしては、ちょっと豪華すぎる気がして……坂下さんの片思い? と想像がふくらみますが、家庭がある男性を一方的に好きになるのは不毛でしょう。ユイトに聞けないままずるずると来てしまって、自分のことながら呆れます。

私とユイトが付き合い始めたのは私が大学1年生、ユイトが3年生のとき。はじめてやってきたバレンタインデーの時期、ユイトはサークルの同期や後輩からいくつかチョコレートをもらっていました。 ユイトにやんわりと聞いてみましたが、「ただの義理チョコだよ」とあっさり流されてしまいました。けれどなんとなくの予感は当たるもので……。

だから坂下さんから高級チョコをもらったとき、「もしかして」と思ってしまったのでしょう。気持ちが顔に出てしまったことで、スズにも心配されてしまいました。

その後、休憩を終え部屋を片付けていると、ユイトの仕事鞄から何かが落ちました。スズがバレンタインのときに書いていた手紙です。

あらためて読むと「パパ だいすき」のかわいい文字が踊っています。スズがこれを書きながら、「大切なひとに贈る手紙だからね」と大人びたことを言っていたのを思い出しました。

スズとユイトの顔が浮かびました。坂下さんからのチョコレートの箱を見ていたときにスズが、「ママ、大丈夫?」と言ってきたことも。あのときの私はきっと怖い顔をしていたのでしょう。

私が大切に思うのは、ユイトとスズです。大切な人にモヤモヤをうまく言えなかったり、心配をかけてしまったりしている自分が、なんだか嫌だと思えました。 ユイトがもらってきているチョコレートは、恋愛の意味ではなく、何か他の好意かもしれません。モヤモヤしたままより、はっきりユイトに聞いたほうがいい。サバサバしている人にとっては遅すぎるかもしれませんが、私はようやく決心できました。

好意アリ?ナシ?妻に浮気を疑われてしまった夫の反応は……

水族館から帰ってきた娘のスズの腕には、大きなぬいぐるみが抱えられています。ユイトとスズとの幸せな生活。たかがチョコレートでモヤモヤするなんて、私はどうかしていました。

だけど、毎年モヤモヤするのはもうやめたいんです。意を決し、「ユイト、ちょっと聞きたいことがあって……」私は話を切り出しました。

「どういう関係なの?」私は坂下さんについて率直に尋ねます。ユイトは不思議そうに「関係……? 部下だけど」 「でもただの部下が毎年あんな高級チョコレートをくれるものなの? カードも添えて……」 するとユイトは……。

ユイトは黙って私の話を聞いていましたが、急に笑い出しました。

ユイトは大笑いしたあと、涙をぬぐいながら話してくれました。「坂下さんは俺の部下。ワカコより1つ下かな? 真面目な子でさ、会社に入って1年くらいで、ストレスで体調を崩してしまって……」

ユイトは優しい顔で微笑みます。ああそうだ。私はユイトの優しいところが大好きなのです。それなのに勝手に想像をふくらませて……。恥ずかしくて顔が熱くなりました。

ユイトが明るく返事をしてくれて、事情も聞けたので私の気持ちもすっかり晴れました。モヤモヤしたままでいなくてよかった、心底そう思いました。

ユイトは仕事の話を家ですることはほとんどありません。だから仕事での人間関係も知らず、気づくと心配がふくらみがちでした。私に職場経験がないことで、気後れしていた部分もあったように思います。あらためて自分の気持ちを伝えることの大切さを学びました。毎年律儀にチョコレートをくれる坂下さんに、私は会ったことがありません。でも、真面目で礼儀正しい坂下さんに、今まで勝手に想像してごめんなさいの気持ちもこめて、幸せになってほしいと思いました。


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