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モンテッソーリ教育では遊び=お仕事!おもちゃやパズル、家事を紹介

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幼児はつねに、手をぎゅっと握ったり、両手を一緒に使えるように練習しています。もっと上手にできるようになるお仕事を紹介します。【解説】シモーン・デイヴィス(国際モンテッソーリ協会(AMI)認定モンテッソーリ教師)

執筆者のプロフィール

シモーン・デイヴィス

国際モンテッソーリ協会(AMI)認定モンテッソーリ教師。ブログ・インスタグラムMontessori Notebookではモンテッソーリのちょっとしたヒントや読者からの質問に答え、世界中の親を対象にオンライン・ワークショップを開いている。オーストラリア出身。現在は家族とともにオランダ・アムステルダムに在住。ジャカランダ・ツリー・モンテッソーリスクールを立ち上げ、親子クラスで指導を行っている。

訳者プロフィール

宮垣明子(みやがき・あきこ)

和歌山県出身。翻訳者。『奇跡の動物家族~命をつなぐ』(K&Bパブリッシャーズ)、『内向型のままでも成功できる仕事術』(辰巳出版)など翻訳多数。保護猫と暮らして三年目。

本稿は『おうちモンテッソーリはじめます』(永岡書店)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

お仕事の種類


①目と手を一緒に

幼児はつねに、手をぎゅっと握ったり、両手を一緒に使えるように練習しています。それがもっと上手にできるようになるお仕事を紹介しましょう。

ひもを使ったお仕事

ひもを使うと、幼児は手をしっかり握るようになり、目と手を一緒に、スムーズに動かせるようになります。ひもを使って、両手を同時に動かす練習もできます。

▼1歳前の赤ちゃんは、フックにかけた大きい輪っかを外してまたかけられる

▼小さな幼児なら、輪っかをいくつも使って、大きなものから小さなものへ順に並べてかけられる

▼赤、青、黄の3色のフックに同じ色の輪っかをかける遊びもある。最初は、フックの色に関係なく輪っかをかけて遊ぶが、そのうちに赤の輪っかが青のフックに掛かっていることに気づくと、赤の輪っかを赤のフックに移して、色を合わせるようになる

▼それができるようになったら、輪っかをフックにかけるのではなく、テーブルに置いて横に動かして並べる。これは「体の中心線を越える」動きにつながる。手を体の片方の側から、おへそを越えて反対側へと動かす動きができるようになる

▼輪っかを並べられるようになったら、次はビーズのひも通しに移ろう。まず子どもに木のビーズを何個か渡し、それを30㎝くらいの木の棒に通す遊びからはじめる

▼それができるようになったら、次はビーズを靴ひもに通す。靴ひもの端、3~4㎝のところに木の留め具をつけたものを用意する。留め具がついていた方が、小さな子にはやりやすい

▼最初は大きめの木のビーズを、普通の靴ひもに通すことから

▼ビーズはだんだん小さいものへ、靴ひもはだんだん細いものへ替えていく

ひも通しは両手をうまく使えるようになるお仕事。子どものできに合わせて、ビーズの大きさや、ひもの太さでいろいろなタイプを作れる。1歳4か月くらいから

落とすお仕事

このお仕事では、容器のなかへ物を入れるという動きを学び、そこから物は置いたところに必ずある、いったん目には見えなくなっても、ちゃんとその場所にあるということを理解できるようになります。

▼1歳前の赤ちゃんは、箱にボールを入れたり、ハンマーを叩きつけて穴にボールを押し込む遊びを楽しむ

▼1歳ごろになると穴の形に合わせて物を押しこむようになるので、円柱を筒に押しこむ遊びを始めてみよう。それができるようになったら、サイコロとか、三角柱のような形のものを試すといい

▼指先が器用になってくると、子どもはポーカーのチップのような大きなコインを細い切れ目に押しこむようになる。わたしのクラスでは、カギつきの貯金箱にコインを入れるのが子どもたちに大人気

貯金箱を使うと、小さなコインをつまんで、投入口に落とす動作がうまくなる。わたしの教室では1歳4か月くらいの子どもが夢中になっている

開けたり閉めたりするお仕事

いろいろな容器を開けたり閉めたりするのも、子どもの手を発達させるのによいお仕事です。

▼使わなくなった、留め金がついたポーチや空きビン、カチッと止まるタイプの保存容器、ファスナーで開ける財布などにいろいろな宝物を入れておいて、子どもに自由に開けさせる。宝物は小さな人形とか、サイコロやこま、キーホルダーなどがいい

▼カギをかけられる箱をいろいろ用意して、子どもにタイプの違うカギをかけたり、開けたりさせてみる。南京錠もおもしろい。箱の中にはちょっとしたものを入れておく

子どもは古い財布や、ふたのついたビン、保存容器などに入った小さな宝物を見つけるのが大好き。ファスナー、押しボタン、留め金など、開け方が違うものだと楽しめる。1歳半頃から

フックと輪ゴム、ナットとボルトを使ったお仕事

これは手先を器用に動かせるようにするお仕事です。

▼板につけたフックからフックに輪ゴムを引っ張ってかける遊びで、力加減を調整できるようになる

この活動で目と手の協応がどんどん進んでいく様子は、見ていて楽しい。ペグに引っ掛けて輪ゴムを伸ばす動作は、実はかなりの集中力がいる。大きい子になるといろんな形に輪ゴムをひっかけることもできる。2歳頃から

▼片方の手でボルトをしっかり持ち、もう片方の手でナットを回してしめる遊びをすると、両手を一緒に使う動きを身につけられる

▼いろいろなサイズのナットとボルトがあると、子どもは大きさごとに並べられるようになる

これはナットとボルトを小さいものから大きいものまで並べ、ナットをボルトに留めるもの。まずボルトをぴったりの大きさの穴にはめ込んで始める。大きい幼児が好きなお仕事。2歳頃から

選ぶお仕事

1歳半くらいになると、物を色や形、大きさで分けることに興味を持ち始めます。同じジャンルのものをいろいろ集めてあげましょう。子どもと一緒に海岸や森、庭で拾い集めるのもおもしろいですね。

まとめて大きな入れ物に入れ、そこから子どもがより分けるお仕事です。小さな入れ物をいくつか用意しても、仕切りのついた容器のなかで分けても。

▼2、3種類の色や大きさ、形があるボタン

▼2、3種類の貝殻

▼殻がついたままのナッツ。2、3種類あるのが望ましい

形、大きさ、色で分けるのは楽しい。小さなボタンを色別に分けるお仕事なら、2歳頃から

手で触って中身を当てる遊び

中身が見えないような袋に、いろいろなものを入れます。子どもは袋の中に片手を入れて、手触りだけでそれが何かを当てます。その逆に、大人が名前を言ったものを手触りで袋の中から取り出す遊びもおもしろいでしょう。

2歳半くらいになると、手触りだけでそれが何かを当てるのがおもしろくなります。そこで袋の中に入っているものを、手で触って当てる遊びをしてみましょう。いわゆる、箱の中身はなんだろな? ゲームです。

▼袋の中には、何かテーマを決めてそれにまつわるものを入れてもいいし、特にテーマもなくいくつか入れてもいい。同じものを2個ずつ入れても

▼カギやスプーンなど、形がはっきりわかるものを。動物のおもちゃなどは、意外に手触りでは区別がつかないもの

これは中に入っているものが何かを、外側から手で触って当てるお仕事。テーマを決めておくのもいいし、袋をいくつも用意して、同じものを当てるのもいい。難しいのは、家にあるもの、というヒントだけで何が入っているかわからない袋かもしれない。2歳半くらいから

パズルのお仕事

赤ちゃんやまだ小さい子でも、パズルをばらばらにするのは好きです。小さい子にはピースが板の型にぴったりはまるような、型はめパズルがいいでしょう。1歳半になると、単純な形のピースならはめられるようになります。

▼小さい子はまず、ピースが大きい、3つから5つでできる型はめパズルから始めるといい。最初は自分でピースを外せないかもしれないが、それも手先が器用になるための練習。難しいようなら、大人が外すところをしてみせると、子どももそれを真似てできるようになる

▼1歳半を過ぎると、ひとつのピースがもう少し小さくなった9ピースの型はめパズルや、型はめでないパズルもできるようになる

▼それができるようになると、次はジグソーパズル。すべてのピースが同じ大きさの一般的なジグソーパズルや、ピースが木などの何かの形になっているものなど、いろいろな種類を。ピースの数が増えるほど難しくなる

幼児には5ピースぐらいのものがちょうどいい。つまみの部分は子どもに持ちやすいよう小さく。1歳半頃から

▼注意したいこと

子どもと大人では、ジグソーパズルの作り方が違います。大人はまず角を見つけ、枠を作っていくのが普通ですが、子どもはピースを全部見て、どれがどこにはまるかを考えています。子どもが初めてジグソーパズルをするときには、まず大人が先にしてみせるか、はまりそうなピースを2個ずつ渡して一緒にやるのがいいでしょう。だんだんとひとりで全部できるようになります。

▼モンテッソーリでない


おもちゃはどうすれば?

モンテッソーリスクールは家庭とは違います。モンテッソーリスクールには市販のおもちゃは置いていませんが、家庭で自由に遊ぶときには、市販品でもよく考えて選んだものを使ってもいいでしょう。これからモンテッソーリを始めるなら、すでに家にあるおもちゃをよく見てみましょう。お気に入りのものだけ部屋に置いておき、もう使っていないものはどこかに寄付しましょう。いずれまた使いそうなものは箱に入れてしまっておいてもいいでしょう。

▼モンテッソーリでも


使えそうな市販のおもちゃ

▼デュプロやレゴのブロック
▼木のブロック
▼はたらく車や緊急車両、農場で使う車などのミニカー
▼農場にいるような動物のおもちゃ
▼日常生活をテーマにしたプレイモービルのセット(プリンセスとか海賊とか、ファンタジー系のものは避ける)
▼木製の転がるボールセット
▼外遊びで見つけてきた自然のもの
▼お道具セット
▼電車遊びのセット
▼ボードゲーム

お仕事の種類


②音楽や動き

音楽

人間はみな体を動かすものですし、どこの国にも古くから伝わる歌や踊りがあるものです。でも、家庭で子どもに音楽を楽しんでもらうのに、大人がプロ並みの演奏をする必要はありません。大人が音楽を楽しんでいれば、子どもも楽しむでしょう。一緒に歌を歌うのもいいですし、楽器を演奏したり、子どもが作るリズムを真似したり、子どもの動きをそっくり一緒にやったり、音楽をかけて、急に止めるといったゲームをやるのも楽しいものです。

幼児もできる楽器はいろいろあります。

▼マラカスやタンバリン、ひょうたん、シェイカーなど、振って音を出すもの

振って音を出す楽器は、音楽の入り口としてはいちばん簡単だろう。マラカスにはいろんな種類があるから、卵マラカスや昔ながらの取っ手のついたマラカスなど、たくさんそろえるのも楽しい。どの年齢の幼児にも

▼シロフォン、ドラム、トーンブロックなど、棒で叩いて音を出すもの

楽器を打つ、叩くといった動作はどの年代の幼児もできる。トライアングルや太鼓、トーンブロック、シロフォンなどがいいだろう。小さい幼児は、必要であれば大人と一緒に(トライアングルを打つときに持ってあげるなど)。どの年齢の幼児にも

▼ハーモニカやリコーダーなど、息を吹き込んで音を出すもの

幼児はハーモニカやリコーダーのような、シンプルな作りの楽器が好きだ。リズムや速さ、音の大きさ、音階などを感じることだろう。大きい子向け

▼オルゴールなど、ハンドルを回して音楽を演奏するもの

ハンドルを回して音楽が流れると、幼児も楽しんでいる。小さい子は最初のうち少し手を貸してあげる必要があるかもしれない。ハンドルを回すときに、大人が押さえておいてあげるといい。小さい子向けには大きめの、固いものを。大きい子には写真のような小型のオルゴールを持たせると、回すのが難しくて楽しめるだろう。どの年齢の幼児にも

音楽を聴くこともよいお仕事です。昔ながらのやり方かもしれませんが、CDプレーヤーや古い型のiPodなどの音楽プレーヤー(音楽しか入れられないもの)なら、子どもが自分で聞きたい曲を選ぶことができます。子どもがひとりで広げられるダンス用のフロアマットもあるといいですね。音楽がかかると体を揺らし始める子どもは多いです。家族で楽しんだり、見たりするようなその国ならではの踊りもありますし、「バスにのって」や「あたま かた ひざ ポン」のような遊び歌を歌いながら体を動かすのもおもしろいでしょう。

▼コンサートもお勧め

子どもをコンサートに連れていくのもいいですね。子ども向けのコンサートもたくさん開催されていますし、終了後に楽器を見せてもらえるイベントもあります。

体を動かす

子どもが体を動かせる機会をできるだけ作りましょう。

▼走る

▼ジャンプする

▼スキップする

▼その場でぴょんぴょん跳ぶ

▼腕でぶら下がって移動する(サルが木の上を渡るように)

▼自転車に乗る

ある程度身長のある子なら、ペダルのないランニングバイクのほうが昔ながらの三輪車よりおもしろいかもしれない。二輪車に乗って、自分の足で進む感覚が楽しめる。慣れてくれば勢いをつけて両足を地面から離したり、体でバランスを取ることもできる。これは自転車に乗るときに役立つ。ゆっくりと自分のペースで乗るうちに、普通の自転車も補助輪なしで乗れるようになるだろう。2歳頃から

▼登る

▼滑る

屋内で使える滑り台もある。高さは子どもの身長に合わせて変えてあげよう。子どもは滑り降りるのも、反対側から登るのも楽しめる。公園にある滑り台を使う場合、ひとりでも上り下りができるものが望ましい。どの年齢の幼児でも

▼バランスをとる

▼ボールを蹴る、ボールを投げる

外で使えるボールが何種類かあると、子どもは蹴ったり、転がしたりしながら、筋肉をうまく使い、体を鍛えることができる。なにより楽しい。ボール遊びには広いスペースを取れる場所がいいだろう。どの年齢の幼児でも

できれば、庭や近くの森、公園、広場、海岸、山、川、湖など、屋外で体を動かしましょう。

スペースさえあれば、屋内で体を動かすこともできます。

子どもは隠れるのも好き。毛布や椅子、ハンモックやテントなどを使って隠れる場所を作ってみましょう。草ぼうぼうの庭も、かくれんぼには最高ですね。

自然のなかで、いろいろなものを拾い集めたり、道端で見つけたもので工作をしたりするのも、子どもにとっては外遊びの楽しみのひとつ。どんどん外に出よう。そのためには、防水加工の上着をぜひ用意して! どの年齢の幼児でも

▼お仕事の種類


③日常生活

おうちのなかの家事

モンテッソーリ博士は、学校を立ち上げたばかりの頃に、子どもたちが教室を片づけたり、自分のことは自分でしたり、友だちの手伝いをしたり、学校の雑事を手伝いたがることに早々に気づきました。そこで子どもでもうまくできるよう、小さいサイズの道具を用意したそうです。

子どもがいる人は、幼児でも家のお手伝いをしたがることをよく知っていることでしょう。自分で自分のことをしたり、部屋を片づけたりといった家事に参加したいと、子どもは思っています。大人は面倒に思うこともありますが、幼児は家事が大好きなのです。それに、家事に参加させると子どもに落ち着きが出るものです。

家事を手伝うと、手順を身につけることができます。皿を洗うお手伝いなら、テーブルからお皿を下げ、エプロンをつけてから、皿を洗って拭くという一連の流れを覚えられます。

子どもと一緒にやると、どうしてもゆっくりになりますし、目を離すわけにはいきません。それに、あまり仕上がりがよくなくてもしょうがないと思わないといけないでしょう。バナナを切ってと言ったらぐちゃぐちゃにつぶれていたり、豆のすじを取ってと頼んだら端が残っていたり。それでも、最後までやると子どもはぐっと成長します。

▼日常生活に必要なスキルを身につける

わたしは、子どもが自分からやろうとするうちにちゃんと基礎を身につけるといいといつも言っています。小さいうちに、家事など日常生活に必要なスキルが身につくと、子どもは自分のことは自分でできるようになりますし、ほかの人の世話(ペットも含めて)をしたり、まわりのことに気がつくようになるのです。

子どもが家庭でできるお仕事を紹介しましょう。

▼植物の世話

植物に水をやる、葉っぱについたほこりを払う、種をまく、小さな花びんに花を活ける(水やり用の小さなじょうろと、花びんに水を足す用の小さな水差しを使う)

花を飾るにはいくつかのステップがあり、幼児は手先の器用さや、物を運ぶ、水を注ぐといったものを、家を美しく飾りながら学んでいくことができる。最初に、幼児は水道から小さめの水差しに水を入れ、それをこぼれても受けられるようトレイに載せる。小さいじょうろを使って、花びんに水を注ぐ。花びんに花を挿し、それを花びん用の敷物の上に置く(これも集中力を高めるために良い)。水が飛び散ったところは、スポンジで拭こう。1歳半頃から

▼料理の準備

野菜を洗う、卵をかき混ぜる、自分が食べる分のコーンフレークを小さな容器からスプーンですくって皿に入れ、小さな容器から牛乳を注ぐ

▼おやつ

子どもの手が届く場所におやつコーナーを作り、その日食べていい分のおやつを、子どもと一緒に毎日入れておく。そこから食べられる分だけ自分で出して食べる、果物の皮をむいて小さく切る、クラッカーにジャムを塗る、オレンジを絞ってジュースを作る、小さな水差しから自分で水を注いで飲む

幼児でも自分のおやつを自分で作ったり、料理のお手伝いをしたがる。子どもの小さな手でもうまくできるような道具を見つけよう。最初のうちは多少の補助は必要だろう。たとえば、リンゴの皮をむくときはまず大人がむくところを見せ、それから大人がリンゴを持って、皮を全部むき、むいた皮をボウルに入れ、終わってからコンポストに入れるのは子どものお仕事だ。リンゴの皮むきは3歳ぐらいから

▼食事

テーブルに食器の準備をする、使った食器を片づける、皿を洗う

子どもが自分のお椀やお皿、カトラリー、コップを出せるように、低い棚にしまっておこう。ランチョンマットにはお皿やカトラリーを置く位置に印をつけたものを

▼パンを焼く

生地をこねる、材料を量る、材料を入れる、かき混ぜる

幼児でも材料を量ったり、木べらで粉を混ぜたり、生地をこねたり、抜型を使ったり、できたパンにデコレーションをしたりすることができる。それにもちろん、焼きあがったら味見も。1歳頃から

▼掃除

床を掃く、ほこりを払う、こぼしたところを拭く、窓を拭く、鏡を磨く

小さめの掃除用具をいつでも使えるよう準備しておこう。ほうきやモップ、チリトリ、ブラシ、手袋型のぞうきん、スポンジなどがいいだろう。子ども用の掃除用具があれば、子どもは家をきれいにすることを覚える。子どもは床を掃いたり、モップをかけたり、ゴミを取ったりするのが大好きだ。チリトリとブラシを使うと細かいゴミまで集められるし、両手を同時に使ういい練習にもなる。1歳頃から
窓拭きをするうちに幼児はスプレーを使えるようになる。ぎゅっと握る動作を何度も繰り返すと握力がつく。窓にスプレーしたら上から下へとスクイージーをかけ、乾いたぞうきんで拭く。水か、水に少しお酢を混ぜたものを使うと窓がぴかぴかになる。1歳半頃から

▼ペットの世話

エサをやる、イヌの散歩を手伝う、ペット用の水を入れる

▼自分のことを自分でする

鼻をかむ、髪をとかす、歯を磨く、手を洗う

大人がちょっと準備をしてあげれば、子どもが自分のことは自分でできるようになるチャンスはたくさんあるし、ひとつできればもっとやりたいとなってくるもの。髪をとかすとか、鼻をかむとか、手を洗うとかができるようになりたいと子どもは思っている。1歳3か月くらいから

▼着替える

靴下を履く/脱ぐ、靴の面ファスナーを留める、Tシャツを着る、ズボンを上げる/下ろす、コートを着る、ファスナー/留め金/ボタン/靴ひもの開け閉めの練習

▼洗濯の手伝い

汚れた衣類を洗濯カゴに入れる、洗濯機に洗うものを入れる、洗剤を洗濯機に入れる、洗い終わったものを洗濯機から出す、乾いた衣類をたたむ

▼家に泊まりにくる


お客様のために準備をする

ベッドメイキングをする、お客様用のタオルを出しておく、おもちゃを片づける

▼スーパーでの買い物

絵を描いた買い物リストを作る、買い物袋を棚から出す、買い物カートを押す、買い物袋に買ったものを入れる、買ったものを入れた袋を持つ、家に着いてから買ったものを袋から出す

▼ボランティア活動

人助けを学ぶのに早すぎることはない。我が家では、子どもが小さい頃から週に1度は近所の老人ホームにお年寄りを訪ねていた。お年寄りは赤ちゃんや小さい子に会うのを1週間のうちでいちばんの楽しみにしてくれたし、子どもたちも小さい頃から、誰かの役に立つことは素敵なことだという意識が身についた

家事のお手伝いをするメリット

家事をすると子どもは素直に楽しむだけでなく、いろいろ大切なことを身につけます。

▼自分が責任を持ってやることは何か、子ども自身がちゃんと考える

▼子どもと大人が一緒に何かを作ったり、練習したりして、その活動をできるようになる

▼一緒にすることで、絆が生まれる

▼家事を覚えるには毎日の繰り返しが大切。そこから集中力がつく

▼子どもは自分も家族の一員だという意識を持ち、自分も家族のために何かしていると思えるのがうれしくなる

▼家事にはいろいろな手順があるが、子どもに集中力がつくと、手順を増やすこともできる

▼家事でたくさん体を動かすうちに、指先が器用になり、大きく体を使えるようにもなる。水をこぼさずに注げるようになる、こぼしたらスポンジで拭けるようになる

▼家事をするなかで、たくさんの言葉に触れることができる。何をするか大人と話しあったり、台所用具や食材、掃除用具の名前を覚えたりする

▼子どもは新しいスキルを身につけ、自分のことを自分でできるようになり、自信を持つ

▼一緒に家事をするときのポイント

何をするにしても、楽しくやることを心がけましょう。面倒に思う前にやめましょう。そして、いつでも学ぶ心を!

▼洗いたいものだけ洗うようにする。子どもに使わせるなら水と粉せっけんか、旅行用の小さいボトルに入ったシャンプーを

▼子ども用の掃除用品を準備する。テーブルにこぼしたときすぐに拭けるよう、手袋型のふきんや、床にこぼしたとき用に子どもサイズのほうきやモップを

▼2歳以下の子どもには、手順が1つか2つの作業がいい。それができるようになってから、少しずつ手順を増やす。たとえば、最初はエプロンをつけるところだけ自分で。そこから、使い終わったらテーブルを拭くとか、汚れた服を脱いで洗濯カゴに入れる、といったように、作業を増やす

▼その作業を自分でやったということが大切。できは二の次。子どもがやると時間がかかるし、仕上がりもきれいとはいえないが、子どもはそのスキルを学んでいる途中なのだ。家事ができるようになれば、大人になってもずっと自分でするようになる

▼その子ができる方法を考える。まだ小さいうちは、簡単なことを。1歳半の子どもがたくさん服が入った洗濯カゴを運びたがるなら、そのなかからTシャツだけ取り出して運んでもらう。あるいは、洗濯カゴよりも夕食の準備でレタスを洗っておいてと頼んでみよう。2歳を過ぎたら、もっといろいろできるようになる

▼カゴやトレイ、収納ケースなどに、子ども用のお手伝い道具を入れておく。たとえば、窓ふきに使う道具はこのカゴというように

▼お金をかける必要はない。家庭にあるもので、お財布に優しい遊びを考えよう。誕生日やお祝い事のプレゼントには、数あそびのセットや、木製の子ども用ほうきなども候補に加えてみては

なお、本稿は『おうちモンテッソーリはじめます』(永岡書店)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。 詳しくは下記のリンクからご覧ください。

※⑥「[家庭でのモンテッソーリ教育・準備編]」の記事もご覧ください。

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