必ず加入しよう!ライダーの義務「自賠責保険」
ライダーにとって義務でもある「自動車損害賠償責任保険」(以下、自賠責保険)には誰もが加入していることでしょう。それでも実際の交通事故現場では、自賠責保険に加入していない無保険車による事故が起こっているなど、未加入者がいます。国土交通省(国交省)では毎年9月に「自賠責制度広報・啓発活動」を実施しており、無保険車の違法性の周知や加入促進、自賠制度に関する認識度の向上を目的に広く働きかけています。特に近年では電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車やモペッドなど、自賠責保険加入が義務となる新たな車両が登場してきていることもあって、一層力を入れた広報・啓発活動を展開しています。
自賠責保険に未加入の車両に乗車していると法律で罰せられるので、うっかり更新し忘れていることがないよう、自賠責保険の重要性や未加入時の罰則、更新に際してのチェック項目をご紹介します。
自賠責保険・共済とは
自賠責保険・共済の正式名称は「自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済」と言います。交通事故を起こした際の被害者への損害賠償の補填など、被害者への救済とともに加害者が負う経済的な負担を補填する保険・共済制度です。
自賠責保険・共済への加入は義務?
原動機付自転車(以下、原付)や電動キックボード(特定原付)、モペッド(ペダル付き原付)などを含むすべての自動車はこの自賠責保険・共済への加入が義務付けられており、未加入での運行は法律違反です。
自賠責保険・共済による補償
補償の対象は人身事故による対人損害賠償のみで、物損事故は対象になりません。自賠責保険・共済による損害賠償の補填の支払限度額は、事故の被害者1人につき以下となっています。
死亡による損害最高3000万円後遺障害による損害最高4000〜75万円(後遺障害等級による)※障害による損害最高120万円※神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護:4000万円(第1級)、随時介護:3000万円(第2級)※上記以外の後遺障害 3000万円(第1級)~75万円(第14級)
国交省による自賠責制度広報・啓発活動
国交省は毎年9月、自賠責保険・共済の更新を呼びかける啓発活動を行っています。「自賠責保険への加入促進、無保険車運行の違法性の周知」「自賠制度に関する認識度の向上(自賠責保険の必要性を正しく理解すること、うっかり更新忘れをなくすことへの働きかけ)」が目的で、今なおゼロにならない自賠責保険・共済の未加入を根絶せねばなりません。
無保険車による事故の被害者に対して、自賠責保険・共済と同等の損害を補填する救済を行う「政府の自動車損害賠償補償事業」(政府保障事業)というものがあります。近年における政府保障事業の取扱件数及び支払実績がこちらです。
年度区分受付件数支払件数令和2年度ひき逃げ384330無保険17091合計554421令和3年度ひき逃げ338342無保険157157合計495499令和4年度ひき逃げ252206無保険12369合計375275
年間100件以上もの無保険車両による交通事故が起こっており、被害者・加害者ともに大きな負担を強いられています。こうした事案を少しでも無くすため、ご自身の車両の自賠責保険・共済が期限切れになっていないか、チェックしましょう。
自賠責保険に未加入もしくは期限切れのまま乗車していると
前述したとおり、自賠責保険・共済は加入が義務付けられている強制保険なので、たとえ交通事故を起こさなくても、未加入のまま運行していると法律違反となり以下の処罰を受けます。
・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
・違反点数6点 = 免許停止処分
この2つが課せられますので、必ず加入しましょう。
対象車両とチェック方法
それでは自賠責保険・共済への加入が必要な対象車両とチェック方法をご説明します。
対象車両
・自動車
・バイク・原付
・モペッド(ペダル付き原付)
・電動キックボード(原付及び特定小型原付いずれも)
・水色ナンバー登録のミニカー
近年、自賠責保険・共済への加入が義務付けられたにもかかわらず未加入のまま運行されているモペッドや電動キックボードがニュースやSNSで取り上げられています。どちらもバイクや原付と同様に自賠責保険・共済への加入が必須なので、お持ちの車両が未加入の場合は速やかに加入手続きをしましょう。
チェック方法
自賠責保険・共済に加入すると、上記のようなステッカーが交付されます。このステッカーを車両のナンバープレートの左上に貼りましょう。自賠責保険・共済に加入していても、この自賠責加入ステッカーが貼られていないと罰則があります。
ステッカーに記載されている「満期年」「満期月」が、自賠責保険・共済の満期期日です。上記のステッカーだと令和6年8月となります。お持ちの車両のステッカーを確認し、すでに満期期日を過ぎてしまっている場合は速やかに更新手続きをしましょう。
以下のウェブサイトにて、自賠責保険・共済を取り扱っている保険会社等が一覧でまとめられています。加入や更新手続きが必要な方は参考にしてみてください。
自賠責保険・共済を取り扱っている保険会社等の一覧 | 自賠責保険・共済ポータルサイト(国交省)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jibaiseki/about/contract/index.html
今すぐ愛車の自賠責ステッカーを確認しよう
交通事故に遭われた方々を救済するために国が義務化した自賠責保険・共済は、未加入の場合、厳罰に処されてしまいます。もしも未加入のまま交通事故を起こしてしまったら、自らが負う経済的負担が大きくなるのはもちろんのこと、被害者にも大きな負担を強いてしまうのです。特に近年、新たに登場したモペッドや電動キックボードによる事故が多発していることから、自賠責保険・共済の重要性に注目が集まっています。今一度ご自身の愛車の自賠責保険ステッカーを確認し、また周囲で自賠責保険・共済に未加入もしくは期限切れの車両があれば、そのオーナーへお声がけするか、下記の「無車検車・無保険(共済)車通報窓口」までお問い合わせください。
お問い合わせ先:自賠責保険・共済ポータルサイト(国交省) 、無車検車・無保険(共済)車通報窓口(国交省)