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祖母のスナックを孫が継承、喫茶店として生まれ変わった「館」【福岡市博多区】

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祖母のスナックを孫が継承、喫茶店として生まれ変わった「館」【福岡市博多区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々を魅了します。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。ミドル層以上の方はノスタルジーを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡や福岡近郊にある「レトロを感じられる喫茶店」や個性的な喫茶店・カフェをご紹介しています。

「館(やかた)」は、櫛田神社のすぐそばに佇んでいる

 

今回ご紹介する「館(やかた)」があるのは、福岡市博多区冷泉町。

まずはアクセス方法から。福岡市民はもちろん、全国的にも有名な「櫛田神社」の楼門前からスタートします。

 

 

楼門の前を走る「博多通り」を北へとしばらく歩きます。

 


すると右手に「館」が現れます。櫛田神社から距離にしてわずか40メートル、所要時間わずか1分で到着。「櫛田神社の道向かい」とも言える近さです。

 

 

こちらがお店の外観。落ち着きのあるその佇まいは、歴史ある博多の街並みに違和感なくなじんでいます。

 

 

ライトアップされた屋号の「館」の文字がひときわ目立ちます。

 

 

昭和初期を連想させるモダンなデザインの電飾看板も立っています。

 

 

2本の太い柱とアーチ型壁で構成された入口。重厚な取っ手が付いたドアを開け、店内へと入りましょう。

 

 

半世紀前の空気を閉じ込めたような、レトロさ満点の店内空間

 

入店するとまず目に飛び込むのが、個性的な形をしたカウンター席。カウンターテーブルの手前側が半円形になっています。そして天井に目を向けると、カウンターテーブルと同じ形の意匠になっているんです。

 

それもそのはず、「館」の前身となるお店がオープンしたのは、約半世紀前の1975年(昭和50年)。このような独特の建築構造は、現代のお店ではなかなか見られません。

 

 

カウンターテーブルを反対側から見るとこのような感じです。壁面には極太フレームの鏡が取り付けられています。渋みのある朱色のラウンドチェアもレトロで素敵です。

 

 

カウンターの向かいに目を向けると、アーチ状の窓を模した装飾を施した木製の壁があり、その一部にはデザインタイルが埋め込まれています。

 

 

味のある丸テーブルと、豪華なファブリックが張られた椅子。これは長年博多の喫茶文化を牽引し、惜しくも2025年5月に閉店した「珈琲のシャポー 土居町本店」から譲り受けたもの。

 

 

注目すべきは博多通りに面したカウンター席。細長い窓から通りを行き交う人々の様子を眺めつつ、ゆっくりくつろぐことができるんです。

 

 

 

店内の随所に設置されたステンドグラスのライトが、レトロでムーディーな雰囲気を演出してくれています。

 

 

店内に絶えず流れ続けるモダンなBGMの出所は、かつて「オーディオ御三家」と呼ばれた「山水電気(SANSUI)」のスピーカー。最大の特徴は、サランネット(前面保護部)に職人技が光る「木製格子組」を採用している点。家具のような気品と音響性能を両立させた、オーディオ黄金期を象徴する名機なのです。

 

 

壁面の一角には大きな博多の古地図が掲げられています。江戸時代の博多の街並みが詳しく記されているので、来店した際には現在の博多の街と比べながら見てみるのもおもしろいですよ。

 

 

そして店内でも特に印象的なのがトイレ。

全面に深みのある朱色の花柄タイルが張られ、大きな鏡には豪華な装飾が施されているこのトイレからも、半世紀前当時のレトロでモダンなデザインを感じることができます。

 

 

喫茶「館」が誕生した経緯

祖母が半世紀営んだ店を受け継いだ「館」の2代目店主。

 

元々この場所では、現店主のおばあさんが「館」という屋号のスナックを営んでいたそうです。開業したのは1975年(昭和50年)、おばあさんが40歳の時でした。

スナック館は開業以来、地元博多部の人々はもちろん、櫛田神社の近くという立地もあり、山笠関係者の人々もたくさん訪れ、さぞかし人気だったそうです。

 

そうして約半世紀に渡り営業を続けられてきましたが、コロナ禍による緊急事態宣言を機にお店は営業したり、しなかったりを繰り返すようになり、近年はおばあさんの体調面も考慮してほとんどお休みしていたそうです。

 

今後のお店の存続について親族で考えていた時、白羽の矢が立ったのが孫の現店主でした。当時EC系の仕事に就いていましたが、20代の頃に飲食業での勤務経験があったこともあり、意を決して事業承継することを決意。

 

勤めていた会社を退職し、スナックから喫茶店に業態を変更。「館」という屋号はそのままに2代目店主となり、2025年10月に喫茶店として「館」を再オープンするに至ったそうです。

 

ちなみに、再オープンに際して「珈琲のシャポー 土居町本店」のテーブルや椅子を譲り受けることができたのも、かつてのスナック時代からのご縁によるものなんだとか。

 

レトロな空間の中で楽しみたい喫茶メニューの数々

 

それでは恒例のメニューチェック。

 

ドリンクはコーヒーや紅茶を筆頭に、メロンクリームソーダや濃厚ミルクセーキ、生搾りレモンスカッシュといった懐かさを感じるものまで揃っています。また、トーストやたまごサンドといった軽食に、瓶ビールやレモンサワーなどのアルコールやおつまみもありますよ。

 

 

代表的なメニューをいくつかご紹介しましょう。こちらは「たまごサンド(税込800円)」と「完熟バナナ・オーレ(税込850円)」。

たまごサンドは軽くトーストしたパンに、濃厚なたまごサラダがぎっしりサンドされており、黒胡椒が良いアクセントになっています。

そして完熟バナナ・オーレは、文字通り完熟バナナの風味と甘さがしっかりと感じられ、どこか懐かしさも感じる一品。表面にチョコチップがトッピングされているのもポイントです。

 

 

こちらは「ショコラテリーヌ(税込750円)」と「ホットコーヒー(税込700円)」。

ショコラテリーヌとは濃厚なチョコレートケーキのことで、生チョコのような濃厚で力強い食感と滑らかな口溶けが特徴。こちらにも黒胡椒がトッピングされているのがポイント。ハンドドリップスタイルで抽出されたコーヒーと一緒に楽しみたいデザートです。

コーヒーカップをよく見ると金色のシルクハットのロゴがあしらわれています。実はこのカップもテーブルや椅子同様、「珈琲のシャポー 土居町本店」から譲り受けたものなんです。

 

 

 

ということで、今回は福岡市博多区冷泉町にある「館」をご紹介させていただきました。

おばあさんの代から半世紀にわたり営んできた「館」は、現代では珍しい建築意匠や当時の空気感がそのまま息づいており、昭和レトロが好きな人はきっとたまらない空間だと思います。

なお、夜も営業しているので、夜の喫茶店の雰囲気を楽しみたいという方にもおすすめですよ!

 

 

【館(やかた)】
■住所:福岡市博多区冷泉町6-16
■アクセス:福岡市地下鉄七隈線「櫛田神社前駅」より徒歩5分
■営業時間:水・木 15:00〜22:00/金・土、祝前日 15:00〜24:00/日 13:00〜18:00
■定休日:月・火曜
※営業日・営業時間・メニューに関しては変更の可能性もありますので、詳しくはインスタグラムにてご確認ください。
■Instagram:@yakata_hakata

 

 

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