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ヤクルト優勝!2年連続最下位から頂点に立った最大の要因とは?

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東京ヤクルトスワローズの清水昇と今野龍太,ⒸSPAIA

6年ぶりの栄冠!前年最下位からの優勝は6回目

マジック2としていたヤクルトが26日、2015年以来6年ぶり8回目のリーグ優勝を決めた。

DeNA戦(横浜)の初回に先制を許したものの2回に同点に追いつき、3回にはサンタナ、中村悠平の連続タイムリー二塁打などで一挙4点。DeNA先発の今永昇太をこの回で引きずり下ろした。

先発の高梨裕稔は4回1失点で降板したが、その後は小刻みな継投でリードを死守。今季を象徴するような試合展開で、高津臣吾監督の采配がまたもハマった。その後、2位・阪神が中日に敗れ、大混戦の2021年シーズン覇者となった。

前年最下位からの優勝は、前回のヤクルト以来6回目。2年以上連続で最下位だったチームの優勝は1960年の大洋、1975年の広島、2001年の近鉄、2015年のヤクルトに続き5回目となった。

光った中継ぎ陣の安定感

優勝の要因は村上宗隆を中心としたリーグトップの強力打線、新外国人選手たちの活躍、高卒2年目の奥川恭伸の成長など複数ある。その中でも大きいのが、中継ぎ陣の奮闘だ。

ここまで中継ぎの防御率3.24はリーグ2位。昨年の4.33(リーグ5位)から1点以上も改善した。しかし開幕から順風満帆だったかというと、そうではない。

守護神として期待されていた石山泰稚は不振に陥り、交流戦を前にその座をマクガフに譲っている。その直後には、開幕から16試合連続無失点と抜群の安定感を誇り、7回の男となった近藤弘樹がアクシデントで離脱した。梅野雄吾が近藤の役割を担うも6月下旬で登録を抹消され、いまだに一軍には戻ってきていない。

不振や故障で開幕前に描いていた青写真通りにことは進まなかった。

離脱者が出てもカバーできる厚み

それでも石山の代役をマクガフが務め、近藤、梅野と相次いで離脱し空席となった7回は、今野龍太がしっかりと埋めた。石山は調整を経て持ち場こそ違うものの、終盤戦では勝ちパターンにつなぐ役割をしっかりと果たしている。

また勝ちパターンへの繋ぎや火消しとして、坂本光士郎や大西広樹、そして星知弥が調子の善し悪しを見ながら起用されてきた。持ち場が決まっていない中、1試合のなかで複数回にわたって肩を作り、期待に応えている。

後半戦からは本来先発のスアレスと田口麗斗も中継ぎに配置転換され、それぞれ結果を出している。特にスアレスは中継ぎに転向してから8試合連続無失点。マクガフの休養日には守護神を任され、見事にセーブを挙げた。

10月21日の広島戦で失点を喫し連続無失点は途絶えたものの、役割変更を苦にしていない。今シーズンのスアレスは、先発での白星をあげ、ホールドとセーブもマーク。まさにユーティリティーとしての働きを見せてきた。

シーズン途中にサイドスローにフォーム変更した大下佑馬は、ホールドのつく場面での登板こそ少ないが、30試合で防御率3.72。フォーム変更後は、23試合の登板で18試合を無失点に抑えた。


ここまでホールドを挙げた投手は合計12人にものぼり、セ・リーグでは巨人と並んでトップの数字となっている。

また5ホールド以上の投手は合計9人で、これはセ・リーグトップとなっている。継続的に僅差の場面で投入される投手の多さは、すなわち安定した成績を残した投手が多いことの裏返しだろう。

リーグ断トツのホールド数


そんな彼らを中心にチーム全体では149ホールドを挙げている。これはセ・リーグで断トツの数字。すでに2019年の阪神が記録した145ホールドのセ・リーグ記録は超えた。2019年に楽天が記録した150ホールドのNPB記録更新も時間の問題だ。

個人を見ると日本記録を更新した清水昇が50ホールド、シーズン途中から7回の男に定着した今野龍太が28ホールド、現在は守護神のマクガフが14ホールドで続く。

近年のプロ野球では、9回に投げる守護神は当然として7回以降に投げる”勝ちパターン”の3人を固定するのが常識となった。そのうち1人でも欠けると継投が機能しなくなるケースが多い。

それが今シーズンのヤクルトには当てはまらない。不振や故障で離脱する投手が出ても、その他の投手たちでカバーし、ホールドそして勝利を積み重ねてきたのである。

まだシーズンは終わっていないが、このままいけば規定投球回に到達する投手は不在となる可能性が極めて高い。それでも勝利を積み重ねてきたのは、中継ぎ陣の力に他ならない。強力打線に目が行きがちだが、今シーズンのヤクルトは中継ぎの力で栄冠を勝ち取ったのだ。

※成績は2021年10月24日終了時点

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記事:勝田聡

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