日本酒好きが口コミで通う西宮の隠れ家割烹『和味旬彩 㐂喜(キキ)』 西宮市
『和味旬彩 㐂喜(ワミシュンサイ キキ)』(西宮市)は、甲子園エリアで日本酒好きの間で密かに評判を集める割烹料理店。取材のきっかけは、「珍しい日本酒が飲めて、料理も驚くほどおいしい」という話を耳にしたことでした。店主が一品一品に真心を込めてつくる料理と、全国から仕入れた選りすぐりの日本酒が堪能できる、知る人ぞ知る名店です。
カウンターに立つのは、かつて神戸の『松廼屋』や『西村屋』で修業を積んだ店主。開業から今年で7年を迎えます。常連客との交流をきっかけに「唎酒師(ききさけし)」の資格も取得し、日本酒の知識にも磨きをかけてきました。
「お客様に育てられた店」と語るその背中からは、料理と酒、両方への真摯な姿勢とお客様への感謝の想いがにじみ出ています。
カウンターにはワイングラスがずらりと並び、料理と日本酒を楽しむためのひと工夫が感じられます。
日本酒は常時15~17種類が揃い、仕入れによって銘柄は入れ替わるスタイル。「勝駒」や「新政」といった通好みの銘柄に出会えることもあり、タイミングが合えば、幻の銘酒「十四代」に巡り合えることもあるとか?
店内はカウンター席のみで構成され、全体に落ち着いた雰囲気。お客様同士や店主との距離も近く、初めて来店でもどこか安心感があります。週末は満席になることも多く、予約が安心。比較的ゆったり過ごせる平日は、静かに料理と日本酒を楽しみたい方にとって狙い目といえるかもしれません。
まず最初に注文したのは、「お刺身三種盛り」と季節の地酒。好みの銘柄がワイングラスで提供され、香りを楽しみながら味わえるのも魅力です。
今回選んだのは、1合サイズ。運ばれてきた瞬間、思わず声を出してしまうほどびっくり。大きな器いっぱいに敷き詰められた氷、その上に透明な徳利とグラスがセットされていて、見た目にも涼しげで華があります。冷酒の温度を保つための工夫でもあり、器ごとひんやりとした手触りもまた心地よい演出のひとつです。
一口飲めば、舌の上でさらりと広がり、お刺身の味を一層引き立ててくれました。
次はお酒にあう魚料理「銀だらの西京焼き」をおすすめしてくれました。味噌の香ばしさと脂の乗った身が絶妙で、箸が止まりません。私が気になったのは、添えられた朴葉(ほおば)の飾り。聞けば、ミョウバンで湯通ししてから手でもんで葉脈を浮かび上がらせているとのこと。
薄く透けた模様が照明に照らされ、まるで工芸品のような美しさでした。食べられない飾りにまでこだわりが光っていました。
「日本酒ってどう選んだらいいのかわからなくて…」と尋ねたところ、店主が取り出してくれたのが、この手書きの「味わいチャート」。
香りの高さ(フルーティーさや熟成香)と、味わいの濃さ(軽快〜濃厚)と、日本酒が4タイプに整理されていて、初めてでも自分の好みが見つけやすいく、選ぶ楽しさが広がるうれしい配慮でした。
元々は割烹料理のお店として始まったこの店に、日本酒好きが自然と集まってくるのには理由があります。ひと皿ごとの味わいが、日本酒の香りや余韻に不思議とよく合い、気づけば盃が進んでしまう。
酒を知る人の舌に響く、そんな料理がここにはありました。
場所
和味旬彩 㐂喜 (ワミシュンサイ キキ)
(西宮市甲子園五番町1-4)
営業時間
11:30~14:00
※お昼は予約制(前日まで)
17:00~22:30
定休日
水曜日