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スピッツ初の大規模展覧会開幕! 視覚だけじゃない、聴覚へのこだわりもハンパない『SPITZ,NOW! 〜ロック大陸の物語展〜』レポート

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『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

スピッツにとって初めての大規模な展覧会『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』が開幕した。アルバム『ひみつスタジオ』と全国ツアー『SPITZ JAMBOREE TOUR ’23-’24 “HIMITSU STUDIO”』の全貌に迫る展示品や映像に、2013年以降のバンドの足跡を辿る展示を加えた、ファン必見の内容だ。ベテランアーティストや洋楽アーティスト以外の日本のバンドで、これほど大規模な展覧会は極めて珍しい。さすがスピッツ。早速エレベーターに乗って、六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューを目指そう。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

入口をくぐると正面にどーんと現れるのは、巨大なツアーロゴ(約4.2m×2.4m/重さ
290kg)とスケートボード(約1.8m×6m/重さ165kg)、プライヤーにはさまれたイチゴ(約5m×3.5m/重さ365kg)。ツアーのセットに組み込まれていたオブジェだ。想像よりはるかにデッカイ、圧倒的存在感。ここにメンバー自らの音声ガイドが聴けるQRコードがあるのでチェックしよう。あとで必ず役に立つ。イヤフォンかヘッドフォンを忘れずに持っていこう。ここが第1章「巨大オブジェ&ツアーヒストリー」。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025



続く第2章は、楽器と衣装が置かれた「オンステージ再現」。もちろんロボットのi-Oくんもいる。ギターやベースを紹介するプレートが付いているので、楽器好きは要チェックだ。モニターでツアーの映像も見られる。めちゃくちゃ音がいいのは、長年スピッツを知るエンジニア・髙山徹氏がミックスを手掛けているから。この展示会、視覚だけじゃない、聴覚へのこだわりがハンパない。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025



第3章は「楽屋再現」。会場によって形は異なるが、「ある日のツアー楽屋」はこんな感じらしい。隅に置かれた、普通のトランクの5倍くらいありそうな衣装ケースは実際にツアーで使っていたもの。衣装も本物。メンバーそれぞれに「楽屋用楽器」が用意されているのも初めて知った。さすがスピッツ。草野マサムネ×junaidaの歌画本『ひみつストレンジャー』もさりげなく置かれている。そして隣の第4章「ロック大陸漫遊記 ラジオの部屋」では2018年から続く『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』(TOKYO FM/JFN38局ネット)のブースを再現したセットと、台本や、マサムネ手描きの「ROKUCHAMU」の原画も見られる。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

第5章は「スピッツ秘宝館」。アルバム『見っけ』(2019年)のジャケットに登場する「ミノムシさん」にまつわるエピソードは、音声ガイドで楽しもう。『小さな生き物』(2013年)のジャケットの「リリエンタールグライダー」もかっこいいが、なんたって目を惹くのは本物!の「モニャモニャくん」。『醒めない』(2016年)のジャケットに登場するあの子。可愛い。連れて帰りたい。でもかなりデッカイのでたぶん部屋には置けない。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

続いては、「VR体験」と題した来場者参加型アトラクション。これが凄い。4台の360度カメラで撮影した8K映像による1曲を、最新型VRゴーグルと数多くのスピッツ作品を手掛ける髙山徹氏によるMIXをFOCAL社のプロ用ヘッドフォン「Listen Professional」で楽しめる。気づけばステージの上にいる。目の前で草野マサムネが歌ってる。後ろを振り向くと満員の観客の熱狂が見える。﨑山龍男と目が合う。右から左へ、田村明浩がすごいスピードで駆けてゆく。三輪テツヤはステージの向こうのほうでギターを弾きまくる。臨場感がハンパない。必ず体験してほしい。曲は会期中に3回変わる(第1期「跳べ」[期間:11月8日~11月28日]、第2期「オバケのロックバンド」[期間:11月29日~12月19日]、第3期「めぐりめぐって」[期間:12月20日~1月15日])ので、何度来ても楽しめるはずだ。

さらに、2021年にWOWOWの特別番組『優しいスピッツ a secret session in Obihiro』のために行ったライブを、映像とパネルで振り返るコーナーもある。

そして第7章は「未来へ」として、スピッツからの4つの質問に答えるコーナー。思い思いの答えをカードに書いてメンバーへ届けることができる。さて、あなたはなんと答える? ここが展覧会の終着点。楽しかった。

おっと、もう一つ大事な場所がまだ残っていた。この展覧会のために作られたオリジナルグッズのショップだ。デザインが可愛い。種類が多い。そしてお手頃価格。さすがスピッツ。

『SPITZ,NOW! ~ロック大陸の物語展~ Special Supporter マイナビ』展示風景、東京シティビュー、2024-2025

ここでは触れなかった、細かい見どころもまだまだある。ゆっくり歩いて立ち止まって、楽しみ方は自由形。『SPITZ JAMBOREE TOUR ’23-’24 “HIMITSU STUDIO”』を観た人はもちろん、観ていない人も問題なし。スピッツらしさ満点の大規模展覧会は、2024年11月8日から2025年1月15日まで東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催。チケットは日時指定での販売となっている。

取材・文=宮本英夫 撮影=大橋祐希

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