小さくて安い! 「HomePod mini」は10,800円(税別)でiPhoneとの連携も抜群
米アップルは2020年10月13日(現地時間)、オンラインイベントを開催し、スマートスピーカーの新モデル「HomePod mini」を11月16日に発売すると発表した。アップルストア価格は10800円(税別)。3万円以上する「HomePod」と比べると価格を1/3に抑えた。
小さな球状ボディでも音質にこだわり
HomePod miniは声で操作できるスマートスピーカー。HomePodと同じようにつなぎ目のないメッシュ生地で覆われた球状ボディの中に、同社が設計したフルレンジドライバーやパッシブラジエーターを搭載。360°の音場を作り出すための独自のアコースティックウェーブガイドも備える。
また、Apple Watchに使われる「S5チップ」を搭載しており、複雑なアルゴリズムをリアルタイムで処理し、どんな音量レベルでもバランスのとれた正確なサウンドを楽しめるという。4つのマイクが連携してノイズを遮断することで、音量が高くてもユーザーの「Hey Siri」という声はしっかりと聞き取ってくれる。
上部にはバックライト付きの「Touchサーフェス」を搭載し、タッチ操作で音量の調整や再生/一時停止が可能。HomePod同様、Siriを呼び出すと光る仕掛けが盛り込まれている。HomePodと連携してマルチルームオーディオを楽しんだり、2台のHomePod miniを使ってステレオ再生したりすることもできる。
iPhoneとの連携機能も充実
年末までには新しいHandoffを提供することも明かされた。iPhoneに昨年搭載したU1超広帯域チップを利用した機能で、HomePod miniの近くにiPhoneがあることを認識し、iPhoneをHomePod miniに近づけると、視覚と聴覚と触覚で連携したことを知らせてくれる。物理的に接続したようにiPhoneとHomePod miniを接続し、シームレスに音楽を再生することができるという。
HomePod miniで再生できるのは「Apple Music」はもちろん、ポッドキャスト、iHeartRadio、RADIO.COM、Tunelnなど数千のラジオステーション、さらに、PandraやAmazonのような他社サービスも数か月後には利用できるようになるという。
HomePod miniの操作に利用するSiriは、同社によると10億以上のデバイスで利用されており、1か月に250億以上のリクエストを処理しているという。Siriは年々進化しており、過去3年間でより速くより簡潔になったほか、音声認識は2倍正確になり、知識は20倍以上になっている。
HomePod miniの真骨頂は、iPhoneとの連携機能。メッセージを送ったり、カレンダーの予定を確認したり、電話をかけたり、iPhoneを探すこともできる。「Hey Siri、おはよう」というと、その日の天気やスケジュール、リマインダーなどを一度に知らせてくれるのも便利だ。家族の声を認識しているので、子どもが話しかければ子どもスケジュールを、お父さんが話しかければお父さんのスケジュールなどを教えてくれる。スマートホームの司令塔としての役割も果たせる。
伝言機能の「インターコム」
新機能の「インターコム」は、HomePod miniから別の部屋のHomePod miniにメッセージを送れる伝言機能。iPhoneやiPad、Apple Watchなどにも対応しており、家の外からHomePod miniにメッセージを送ることもできる。
オンラインイベントではプライバシーとセキュリティに配慮して設計されていることも強調された。HomePod miniは、タッチか「Hey Siri」という言葉でSiriを呼び出すまで、ユーザーがしゃべったことを外に出すことはなく、リクエストとApple IDが関連づけられることもない。録音した音声をAppleに保存させるかどうかはユーザーが選択できる。パーソナルリクエストはiPhoneがユーザーいっしょに家にある時だけ機能し、スマートホームアクセサリーとのやり取りはすべて暗号化されているという。