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コンディション管理こそサッカー上達のカギ! リカバリー不足のまま高度な練習してもトレーニングの効果が十分得られない

サカイク

新学期から新しい環境の変化により、子どもたちにも疲労が見え始める頃です。

サッカーでは試合シーズンに入る中、暑さ厳しい夏も控え、コンディショニングへの意識を高めていきたいものです。

そこで今回は、Jリーガーのコンディショニングを担当され、現在ヴァンフォーレ甲府のフィットネスダイレクターである谷真一郎さんに、パフォーマンスアップにつながるコンディショニングの重要性についてうかがいました。
(取材・文 木村芽久美)

 

 

関連記事:ゴールキーパー練習に"テクダマ"を活用! テクダマ特有の「イレギュラー」と「ブレる軌道」がポイント

 

■リカバリー不足のまま高度な練習してもトレーニングの効果が十分得られない

練習場にくる時の子どもたちの歩く速度や表情でその日の疲労度やコンディションがわかると、谷さんはいいます。

せっかく良いトレーニングを行ったとしても、リカバリー不足で、心身が100%の状態で臨めなければ、トレーニングの成果は得られません。

「疲労度が高い状態でトレーニングを行うと、判断も鈍るし、体もうまく動かない。その状態でいくらトレーニングをしても結局いいプレーができないし、その状態でプレーを続けてしまうと、その動きが身についてしまい、悪循環を引き起こしてしまいます」

 
【お子さんの疲労をチェック】

 

■トレーニングの原則「超回復」とは、きちんとリカバリーすれば元の能力を超える回復力のこと

 

トレーニングで身体に負荷をかけた後、きちんと疲労回復をすれば、元の能力(コンディション)を超える回復力(超回復)が誰にでも備わっており、これは人が持っている身体の原則なのだといいます。

この超回復を導くためにも栄養や休息が必要であり、トレーニングと同様コンディショニングが重要なのです。超回復を導くためにはどのタイミングで何をするか、意図的にリカバリーの質を上げることが重要だと谷さんはいいます。

「疲労が溜まった下降線の体の状態を回復させ、超回復を起こす。それを繰り返していくことによって、体の状態が上向きになっていきます。その状態でトレーニングするから、サッカーが上手くなる。回復できないとケガのリスクも高まります

 

■朝の体重測定と自覚疲労度のチェックで疲労回復を確認することが重要

疲労回復がきちんとできているかどうか把握するために、谷さんがおすすめしているのが、朝の体重測定と「自覚疲労度」のチェックです。

自覚疲労度は一番いい状態を10点とし、毎日の疲労度を自己診断し、ノートやチェックシートに記入します。

コンディショニングチェックシートのDLは「関連記事」から

 

これはプロ選手もコンディショニングの一環として実践していますが、育成年代は10段階評価が難しい場合、5段階評価でもよいそうです。

育成年代にとって体重はとても重要で、減っている場合は栄養が足りていないということになります。

また身体だけでなく、心の状態も重要だといいます。

「自覚疲労度を記すことで自分の心と身体と向き合う習慣がつくことが大切です」

精神面の疲労は自覚疲労度に現れます。心身ともに疲労度の高い日が続いている場合は、トレーニング内容の見直しや休養を取る目安にもなるので、子どもの頃から意識して取り組むことが重要です。

 

谷真一郎(ヴァンフォーレ甲府・フィットネスダイレクター)
 
愛知県立西春高校から筑波大学に進学し、蹴球部に在籍。在学中に日本代表へ招集される。同大学卒業後は柏レイソル(日立製作所本社サッカー部)へ入団し、1995年までプレー。 引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行いながら、筑波大学大学院にてコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FCに所属し、2010年よりヴァンフォーレ甲府のフィジカルコーチを務める。 『日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチ』2020年よりヴァンフォーレ甲府のフィットネスに関わる活動に携わるフィットネスダイレクターに就任、現在に至る。また一般社団法人タニラダー協会の代表として体の動かし方に特化した講習会などの活動を全国で行っている。

【取得資格】
筑波大学大学院コーチ学修士
日本サッカー協会認定A級ライセンス
AFCフィットネスコーチ レベル2
日本サッカー協会認定キッズリーダー

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