レジィは「現代の術師ってどうなんだい?」と問いかけている――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第16回:レジィ・スター役・青山穣さん
TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」が、2026年1月8日(木)より放送中です。
放送にあわせ、アニメイトタイムズでは連載インタビューを実施。第16回はレジィ・スターを演じる青山穣さんの登場です。
現代文明と土着的な「呪い」が共存する本作の世界観をどう受け止めたのか。そして、台本に書かれていない瞬間にまで声を吹き込み、レジィという人物をどう立ち上げていったのか。作品への独自の視点と、キャラクターを確立するための細やかな工夫。第10話を経て深まるレジィの存在感について、じっくり語っていただきました。
【写真】『呪術廻戦』第3期 青山穣が確立するレジィという術師【インタビュー】
藁人形の実物を目撃!? 人間と呪いの関係性
ーーまずは『呪術廻戦』という人気シリーズへの出演が決まった際の心境をお聞かせください。
レジィ・スター役・青山穣さん(以下、青山):この作品はオーディションだったのですが、役が決まった時のことをよく覚えています。オーディションテープを出してから、しばらくして「青山さん受かりました!」という電話が来たんですよ。「そうなの!?」と驚いて、「人気の作品に出れて嬉しい」と話していました。その瞬間、不注意で交通事故に遭いそうになってしまったんです。
ーーえっ!?
青山:いや〜、本当に驚きました。その時に「ビッグタイトルって命がけなんだ」ってハッとしたんですよ(笑)。
ーー(笑)。レジィという強敵を任されたわけですもんね。
青山:「ちゃんと気合い入れてやれよ」って言われてる気がして「生半可じゃダメだ」という気持ちになりましたね。
ーー無事で良かったです。青山さんは、出演者コメントでも「藁人形を見た」とおっしゃっていて、エピソードに事欠かないですね(笑)。
青山:僕にも呪いがあるんですかね? 小学校の頃に一度見たことがあるんですよ。あれは……怖いぜ? 真夜中の神社に行って、釘を打つって怖すぎる。だから、中々大したものだと思いますよ。キャラクターたちは皆、呪術を使って戦っているんだから(笑)。呪いのエネルギーには恐ろしいものがあります。
ーーバトルシーンやかっこいいキャラクターも見どころですが、「呪術」をテーマにしている点も特徴的ですよね。
青山:第3期の冒頭もそうですが、近代的で美しい現代建築の中に呪霊が蠢いているでしょう。そのコントラストが面白い。人間が文明を発達させて、作り上げてきたものと、その根底にある呪いが混ざり合っているようです。都会的な場所で、前時代的な呪いの物語が展開する。この呪いというものが近代文明に対する一種のアンチテーゼにも感じられますよね。そういうことまで感じさせる、見事な画面が創られていると思います。
ーー凄く面白い視点ですね。文明と土着的な呪いが混ざり合っている。
青山:僕の子供の頃なんて、スマホなんかないし、どんどん人間や社会が変わっていくわけでしょう。それに比べて、人間の精神は果たして進化しているのか。「そういう呪いや負の感情から逃げ切れずに潰されてしまう」みたいな印象を受けましたね。
レジィというキャラクターを“確立”する
ーーそれで言いますと、レジィは過去からやってきた受肉した術師です。
青山:そうなんですよ。彼はやっぱり現代とは少し距離があるようにも感じます。目の前には現代の術師たちがいて、「この社会や街はどうなっているのか、見物に来ている」という側面もありそうです。
伏黒(恵)に対して、「現代の術師ってどうなんだい?」と問うているのかもしれない。実際、僕もレジィを演じる時には、観察している感じをちょっと多めに出したいなと思いました。
ーーどうやってその感覚を表現したのでしょうか?
青山:アドリブ的なことですけども、戦っている最中に少しづつ声を入れていく感じです。『呪術廻戦』もそうですけど、今のアニメって戦闘が速いでしょう? 声を入れていくのが大変なんですよ(笑)。
矢継ぎ早に画が動いていくシーンって、声を入れない人も多いんだけど、なるべくレジィは余裕を持って、伏黒を見ている感じがあっても面白いかなと。少し笑っているような、戦いや観察を楽しんでいるような雰囲気が伝わるようにしました。
ーーレジィの飄々とした姿や、戦略的に状況をコントロールしていくスタンスが伝わってきます。
青山:映像を見ると「個人的にはもっと入れりゃ良かったな」とも思いました(笑)。台本には「レジィの顔がアップ」とか画面の状況だけ書いてあって、セリフがないところなどがあるわけです。そういう特に指示もセリフもないところに、入れてみようかって考える。そうすることで、キャラクターの奥行きや気持ちが蓄積されていくと思うんですよ。今のアニメって映像が凄いから、入れなくても成立するんだけどね、僕はやりたい。
ーー画面の説得力に任せるという表現もありますもんね。
青山:そうですね。何も書いていないシーンに対して、マイクの前まで行って声を出すっていうのは勇気がいることです。声を入れすぎて、邪魔になってしまってもいけない。そこは難しいし、いろんなスタイルがあって良いと思います。
些細なことかもしれないんだけど、そういう積み重ねによって、キャラクターが際立つと思うんです。僕じゃない人に決まっていたら、もうちょっと無口なレジィになっていたかもしれないですね(笑)。
青山さんが「再契象」を使うとしたら?
ーーレジィは昔の術師ではありますが、術式自体はかなり近代的というか、変わった面白い術式ですよね。
青山:「再契象」ですね。昔はどうやって戦ってたんだろう……ツッコんではいけない気もしますけど(笑)。あれは拾ってきたレシートでも大丈夫なんですかね? だって、あれを全部レジィひとりで買うのは大変ですよ。
ーー原付きやホテルの宿泊なども再現できて、便利ですね。ちなみに、青山さん自身はレジィの術式が使えたら、何を「再契象」しますか?
青山:無人島を「再契象」して、そこで余生を過ごしたいですね。海の近くで豪邸も「再契象」して釣りでもしながら、のんびり暮らす。食べ物は、コンビニとかスーパーのレシートを集めておけばいいでしょ? 足りなくなったら船を「再契象」して島を出て、またレシート集めて戻ってくればいい(笑)。
ーー夢のような生活です(笑)。
青山:最高だよ。あと、映画や舞台・演劇の半券でその作品を見ることができたら嬉しいです。まだまだ見たことのない作品って沢山ある訳じゃないですか。映像化や配信もされていないような、その当時に生きていた人間にしか見ることのできなかったものが見れたら幸せだと思います。
ーー対峙した伏黒恵を演じる内田雄馬さんとのアフレコはいかがでしたか?
青山:内田さんは、人間的にもナイスガイですし、芝居も上手。術式とか物語の設定について聞くと、打てば響くようにポンっと教えてくれて。最初から『呪術廻戦』に出演しているから、色々教えてくれて助かりました。
ーー次回の放送では、伏黒との戦闘も佳境を迎えます。視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
青山:体育館にて、ふたりの決着がつくと思います。過去の術師であるレジィが、現代術師の代表のひとりとも言える伏黒とどういう風に戦って、どんな面白い「再契象」をして、決着がつくのか。ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。
[インタビュー/タイラ]