トルコの名物料理『サバサンド』 実はどんな魚で作っても簡単で美味しい?
世界に冠たる美食大国トルコの名物料理、サバサンド。汎用性が高く、色んな魚で美味しく作ることができます。
トルコ名物「サバサンド」とは
欧州とアジアの交点にあり、古くから世界各地の文化の集積点であったトルコ。肥沃な海と農地に恵まれ、様々な食材を駆使して作られるトルコの料理は、中華料理、フランス料理等と並び「世界三大料理」のひとつにカウントされます。
そんなトルコ料理のなかで、日本で最も知られているものといえば何でしょうか。トルコライスと答える人もいるかも知れませんがあれは日本で生まれた料理であり、それを除外するとおそらく「サバサンド」になるのではないかと思います。
サバサンドはその名の通り、サバを揚げ焼きにしてパンに挟むというシンプルなもの。しかしひとくち食べていると予想以上に美味しく、これは名物料理になるなと納得させられます。
トルコで人気なワケ
サバサンドは各地で作られていますが、もともとはトルコ最大の都市イスタンブールの名物料理。
ボスポラス海峡というアジアとヨーロッパを分ける海峡の両岸に位置(つまり、ひとつの都市がアジアとヨーロッパに分かれる!)するイスタンブールは、海峡につながる入江である金角湾もあり、四方を海に囲まれています。
この金角湾や海峡で大量に採れたサバを使用して作られてきたのがサバサンドなのです。かつては釣り人がこれらの海にかかる橋の上からサバを釣り、それを屋台に卸して小遣いを稼ぐシーンも見られたといいます。
どんな魚で作っても美味
このサバサンド、筆者もしばしば自宅で作ります。ただし毎回サバを使うわけではなく、我が家ではいろいろな魚を使ってこの料理を作ります。サバを使っていないのにサバサンドとはこれいかに?と思う人もいるとは思いますが、この場合のサバサンドは「料理名」として取り扱わせていただければと思います。
その「サバサンド」の作り方ですが、まずは魚のフィレをたっぷりのオリーブオイルで焼きます。ここでの「たっぷり」は我々日本人の考えるそれよりはるかに多く、ほとんど揚げに近い焼き方です。トルコでは素焼きですが、他の地域では衣を付けることもあります。
そしてそれを半切りにしたフランスパンに挟み、玉ねぎとレタスをスライスして挟み、仕上げに塩コショウとレモン果汁を(できれば大量に)振ったら完成! サバで作ると青魚ならではの味わいと脂のノリを楽しめますが、白身魚や淡水魚でもこの調理法なら非常に美味しくなります。
個人的に美味しいと思ったのはアメリカナマズで、皮付きのフィレで作ると皮目のトロッとした感じがとても良かったです。皆さんも是非好みの魚で作ってみてください。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>