湘南暮らしのリアル|葉山に移住したaihanさんが語る「自分に必要なものが見えてきた暮らし」
東京都世田谷区から葉山町へ移住した、デザイナーのaihan(あいはん)さん。
現在は、夫婦二人で葉山町の戸建てに暮らしています。
移住して一年が経ち、葉山での暮らしに馴染んでいく中で、aihanさんは「自分に必要なもの」が少しずつ見えてきたといいます。
湘南人ライターとしても活動するaihanさんに、移住のきっかけ、住まい探し、実際に暮らしてわかった葉山のリアルを伺いました。
画像出典:aihanさん
aihanさんのプロフィール
居住エリア
葉山町
家のタイプ
戸建て(建売)
家族構成
夫婦二人暮らし
移住前の居住地
東京都世田谷区
移住時期
2025年3月
移住のきっかけ|海や山のある場所で暮らしたかった
aihanさんが湘南で住まいを探し始めたのは、仕事の関係でこのエリアに通う可能性が生まれたことがきっかけでした。
最初から葉山に決めていたわけではありません。
むしろ、家探しは一つずつ自分に合う場所を確認していく時間だったといいます。
「茅ヶ崎とか藤沢も海はあるんですけど、少し波が強い感じがして。逗子や葉山の方は、海が穏やかで、山があって、自分に合う気がしました」
画像出典:aihanさん
もう一つ大きかったのが、都心の刺激から距離を置きたいという感覚でした。
世田谷に住んでいた頃、住んでいた場所自体は静かな環境でしたが、休日になると、つい新宿へ出かけていたといいます。
「新宿に行けば何かある。でも、人も多いし、うるさいし、すごく消耗するんです。それでも行くことをやめられないところがありました」
aihanさんはそれを「新宿依存」と表現します。
欲しい本があるなら、必ずしも大型書店に行く必要はない。
それでも何かを求めるように足が向いてしまう。刺激はある、でも疲れる。
移住は、その刺激との距離を自分で取り直すための選択でもありました。
画像出典:aihanさん
ライフチェンジ|いくつかの出来事が重なった
移住の理由は、一つではありません。いくつかの出来事が重なり、移住は徐々に現実味を帯びていきました。
その中でも印象的だったのは、トルコへの一人旅のエピソードでした。
「トルコって、猫がすごく街に溶け込んでいるんです。公園のベンチに座っていたら、猫が膝に乗ってくるような感じで。街の人がみんな優しいから、猫も安心しているんだと思いました」
旅先で長い時間、猫と触れ合ったこと。
それは、猫と暮らせる家に住みたいという気持ちを強くする出来事でした。
当時住んでいたマンションはペット不可。理事会でペット可にできないか相談したこともありましたが、実現しませんでした。
新宿から離れたい。
猫と暮らせる家に住みたい。
湘南で仕事をすることになった。
夫婦の仕事にも区切りが見えてきた。
そうしたタイミングが重なり、aihanさん夫婦は移住へと動き出します。
住まい探し|日当たり、高台、少し海が見えること
住まい探しは、持っていたマンションを売却するところから始まりました。
不動産会社に相談しながら、SUUMOなどの不動産サイトも見て、毎週末のように湘南エリアへ。茅ヶ崎、藤沢、鎌倉と内見を重ねました。
藤沢方面では飛行機の音が気になりました。以前、横田基地の近くに住んでいたことがあり、飛行機の音に悩まされた経験があったからです。
鎌倉には憧れがあったものの、人の多さが気になりました。
そうして少しずつ、逗子、葉山と三浦半島を南下していきます。
画像出典:aihanさん
大切にしていた条件は、日当たりの良さと高台であること。ハザードマップも確認しながら、災害リスクも含めて考えました。
「今の家を見に来た時に、この家がダメだったら、もう買うのは諦めて賃貸で考えようと思っていました。でも来てみたら、すごくいい場所で。日当たりが良くて、静かで、海も少し見えて。この家だったら欲しいなと思いました」
画像出典:aihanさん
現在の住まいは、葉山の高台にある戸建て。光がよく入り、山の気配も近く、窓からは少し海も見えます。
理想だけではなく、通えるか、働けるか、日々の移動に無理がないか。現実的な条件を一つずつ確認した先に、今の住まいがありました。
暮らしてわかったこと|風と虫も、この場所の一部
実際に暮らしてみて、想定外だったことはなかったのでしょうか。
「風がめっちゃ強いんです。季節の変わり目とか、本当にすごいんですよ」
自転車は倒れ、カバーは飛ばされる。玄関先に置く戸別収集用のゴミ箱まで飛ばされそうになる。
どう固定するか、どう風を避けるかを日々考えるようになりました。
「東京で感じた台風くらいの風が、日常的に来る感じです」
もう一つは、虫。
画像出典:aihanさん
「虫がちょっと大きい気がします。玄関のドアの取っ手にこれくらいのカマキリがいて、どうしようってなったこともありました」
光に集まる虫もいる。玄関のライトの位置にも工夫がいります。
それをaihanさんは、ただ嫌なものとしてだけではなく、「彼らの生活圏に自分が入り込んでいる」と受け止めています。
「お邪魔します、という感じですね」
笑うaihanさん。
人とのつながり|取材をきっかけに広がるつながり
地域とのつながりは、移住してすぐに深まったわけではありません。
「正直、この1年はあまり地域とのつながりはなくて、仕事ばかりしていました」
ただ、湘南人で記事を書くようになってから、だんだん顔見知りが増えてきたといいます。葉山の焼き菓子店を取材したあと、古着屋を取材したら、その二つのお店が仲の良い友人同士だったこともありました。
「葉山の素敵なお店って、だいたい友達同士だったりするんですよね」
取材先の人から「今度ごはんに行こう」と声をかけてもらうこともあり、それがとても嬉しかったとaihanさんは話します。
北鎌倉のイベントで知り合った人が、たまたま別の取材先の人と友人だったこともありました。
人と人との距離が近く、つながりの密度が濃い。そんな葉山らしさを、ライターとして活動していく中で感じるようになったといいます。
移住して一年。
ようやく友達づくりが始まったような感覚もあるそうです。
葉山で暮らして変わったこと|気分転換の行き先が変わった
移住してよかったことを尋ねると、aihanさんは「都心から離れたことで、気持ちに余裕が生まれた」と話しました。
実家の近くには多摩川があり、子どもの頃は草むらの自然の匂いを感じながら暮らしていたそうです。大人になり、都心で暮らすようになってからは遠ざかっていた感覚。
葉山に来て、山からの風や自然の匂いに触れたとき、その感覚が戻ってきたのかもしれません。
以前は気分が塞ぎ込むと、新宿に出かけていました。けれど今は、そういう時はとりあえず海に行く。そうすると、気持ちがすっきりする。
「自分に必要だったのは、こっちだったんだなって、ちょっとわかったんです」
画像出典:aihanさん
葉山で暮らすようになってからは、野菜との距離も近くなったといいます。
葉山ステーションや逗子駅近くの直売所で、地元の野菜を買う。東京では見かけなかった赤い大根をサラダに入れる。ピクルスにすると、色が鮮やかで食卓が明るくなる。
家の中には、aihanさんが初めてDIYで作ったテーブルもあります。環境が変わり、心に余裕が生まれたことで、「今までやってこなかったことをやってみよう」と思えるようになったそうです。
aihanさんは決して、都会を手放したわけではありません。
「都会も好きではあるんです。でも、今はバレエを観に行くとか、本当に必要な時にしか都会に行かなくなりました」
逗子駅から都内まで、乗り換えなしで1時間程度。行きたい時には行ける、その距離感も、aihanさんには合っていました。
画像出典:aihanさん
移住を考える人へ|イメージだけで決めない
「移住先を決めるには、実際に足を運んでみることが大事」と、aihanさんは話します。
湘南と一言でいっても、エリアによって街の空気は違います。
実際に暮らす場所として見た時、観光で訪れるのとは別の感覚が必要です。
たとえば夜遊びをしたい人に、葉山は少々物足りないかもしれません。
一方で、静けさや自然の近さ、都心との距離感を大切にしたい人には、選択肢になりうる場所です。
最後に|自分に必要なものを見つける暮らし
aihanさんの移住は、理想の暮らしをそのまま手に入れた話ではありません。
風が強い。虫が大きい。ゴミ箱が飛ばされそうになる。それでも、その不便さごと今の暮らしとして受け止めているのが印象的でした。
葉山での暮らしは、aihanさんにとって、何かを大きく変えるというより、自分の感覚を少しずつ取り戻していく時間なのかもしれません。
画像出典:aihanさん
湘南人では今後も、湘南エリアへ移住した方々の暮らしのリアルをお届けしていきます。
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