宗教ごとの火葬の仕方とは?神式・キリスト教式の火葬の違いを解説【増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック】
神式・キリスト教式の火葬
神式の火葬祭
神式では、火葬前に炉前で「火葬祭」という儀式を行います(→P74)。火葬が終わると墓所に向かい「埋葬祭」を行うのが正式ですが、近年は遺骨を自宅へ戻し、五十日祭まで安置することが多くなっています。
火葬場から帰った人は、「帰家修祓の儀」で身を清めてから家に入ります。その後、祭壇に遺骨を安置し、仏式の還骨法要にあたる「帰家祭」を行います。最後に手伝ってくれた人への慰労のために直会を催します。
キリスト教式の火葬祭
キリスト教のお葬式は土葬が前提なので、火葬後の儀式はとくにルールはありませんが、一般的な流れは次の通りです。
カトリックでは、火葬の直前に神父による不祷、聖歌斉唱などを行います。神父がいない場合は聖書を朗読後に聖歌斉唱するだけのケースもあります。
プロテスタントは、火葬場で賛美歌斉唱し牧師による祈祷を行います。遺骨は自宅に安置し、賛美歌を歌い、祈りを捧げます。
神式・キリスト教式の火葬までの流れ
神式
火葬祭では、炉前に霊璽、遺影、榊(さかき)などを置きます。斎主が祭詞奏上の後、一同で拝礼し、喪主から順を追って玉串奉奠を行います。
家に入る前に帰家修祓の儀を行うので、手水(ちょうず)と塩を用意しておきましょう。遺骨を仮霊舎(かりのみたまや)に安置し、帰家祭を行ったら、手伝ってくれた人への慰労と感謝を込めて直会を催します。
①火葬祭
炉前に祭壇を設置し、斎主が祭詞奏上し、玉串奉奠を行う。
②火葬・収骨
仏式と同様に行う(⇒P74)。
③帰家修祓の儀
火葬場から帰ったら身を清め、斎員がいる場合はお祓いを受ける。
④帰家祭
仮霊舎に遺骨と霊璽を安置し、順を追って玉串奉奠を行う。
⑤直会の儀
斎主、斎員、親族、会葬者を酒食でねぎらう。
キリスト教式
①最期の祈り
カトリック:神父による祈祷、聖歌斉唱など。神父がいない場合、聖書朗読後に聖歌斉唱するだけのケースもある。
プロテスタント:賛美歌斉唱、牧師による祈祷、献花などを行う(⇒P74)。
②火葬・収骨
収骨は、仏式とちがい、1人ずつ順番にお骨を骨壺に入れていく。
③茶話会
お酒は出さず、茶菓子でもてなす。
※上記の流れは一部省略したもの。また、地域や宗派によって内容が異なる。
【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年