国立の案内人・俳優の宇梶剛士さん、「すた丼」発祥の店のエピソードを語る
MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。
今週のゲストも、俳優の宇梶剛士さん(国立市出身)。「国立のことを53年分話すつもりで来ました!」とおっしゃるだけあって、多摩のソウルフード「すた丼」のルーツの話から地元の人気喫茶店や居酒屋、おすすめの散歩コースまでご紹介いただきました。エピソードの端々に出てくる同級生や先輩の名前に宇梶さんと「国立」の密接ぶりが伝わってきます!
国立の案内人・俳優の宇梶剛士さん(国立市出身)
土屋:先週に引き続き、今週のゲストの方をご紹介です、俳優の宇梶剛士さんです!
宇梶さん:よろしくお願いします。
土屋:ほんとは先週、「国立市」のおすすめの美味しいごはんやさんなどの情報を聞く予定だったんですよ。それが文房具屋さんの「金文堂」の話になって(笑)。
宇梶さん:スーパー「さえき」もね、先輩なんで(笑)。
つる子:(笑)。
宇梶さんおすすめの国立スポット①「ロージナ茶房」
土屋:なので、今日はいろんなお話を伺えればと思います。まずは、「国立」でよく行っていたスポット、お店をご紹介していただきたくて。今もある所が多いと思いますので、この放送を聴いて行ってみてもらえたらと思います。まずは、おすすめスポットを教えてください!
宇梶さん:はい、「ロージナ茶房」ですね。
土屋:僕は昔、ロジーナ茶房って間違えて呼んでたんですよ。これは文房具屋さんの「金文堂」の角を入った所ですよね。
宇梶さん:二軒目くらいですね。
土屋:煉瓦敷の良い所なんですよね。
宇梶さん:そう、半地下になっていて。あと2階もあって。ここ数年はお見かけしてないですけど、よく奥の席でおそらく「国立市」が出来た頃から住んでた「一橋大学」とか「国立音大」を卒業されたようなご老人方が集まって、いろんなアカデミックな話をしてくるのが聞こえてくるんですよ。
土屋:木造で階段を登るとギシギシいってね。
宇梶さん:僕ね、劇団の舞台のチラシをよく持っていって、<貼らしてください!><あそこ、空いてますよー>って、よく貼らしていただいたんですよ。
土屋:レトロな雰囲気で、絵画が飾ってあって。僕のイメージだと、食事の量が多い。
宇梶さん:多いですね。カレーを一人で頼むとふうふう言いますよ(笑)。美味しいから最後まで食べますけど。二人でシェアした方が良いかもしれません。
つる子:へえ。喫茶店なんですよね。
宇梶さん:喫茶店なんですけど、食事がしっかり出来るんですよ。ハンバーグなんかめちゃめちゃ美味しいし、パスタからメニュ~は多いんですけど・・・プリン!
土屋:ああ!
宇梶さん:昔風のプリンで。今はプリンはとろりが主流じゃないですか。ぷるんとしていて。あと、お店のオリジナルのゼリーも美味しいんですよ。
土屋:ここで大盛りを食べようろすると、お店の人に拒否されるんですよ、<やめた方がいい>って。
宇梶さん:<一度、食べてからにしなさい>って。
つる子:(笑)。量が多いというのは学生さんのためとか?
宇梶さん:それも大きいじゃないんでしょうか。量が多くて、味も美味しいですよ!
土屋:「ロジーナ茶房」はいろんな名物メニューがあるから。1回行っただけじゃ食べきれない。
宇梶さん:そうですね、パスタの種類も多いですしね。
土屋:「ロジーナ茶房」はずっと昔から通われていたんですか?
宇梶さん:もう、子供の頃からですね。うちの母親も喫茶店をやっていた時期があって。うちはコーヒー豆をガリガリやるのは子供の役割だったので。いろんな喫茶店は行きましたね。今はもう無いですけど「ロージナ茶房」の並びに「邪宗門」という喫茶店があって。
土屋:ああ! ちょっと入り口の看板がカッコいい、、、。
宇梶さん:そうそう。
土屋:あそこの通りも良いのよ!
宇梶さん:突き当たりにあった「野ばら」! あそこは閉店したんですけど。
土屋:そうなんですか!?
宇梶さん:同級生なんですよ(笑)。
土屋&つる子:(笑)。
宇梶さん:「増田書店」の増田も同級生でね(笑)。で、「野ばら」は別の所でね。その倅はネックレスのすごくオシャレな店をやってますよ、「国立駅」のそばで。クボって言うんですけど(笑)。
土屋:知り合いばっかりですね(笑)。その「ロージナ茶房」は石原慎太郎さんや坂本龍一さん、忌野清志郎さんもお気に入りの場所という。一度行ったら忘れられないですよね。
宇梶さん:ええ、忘れないと思います。みなさん、いろんな喫茶店に行ってらっしゃると思いますけど、「ロージナ茶房」はほんとに居心地の良いお店ですよね。
土屋:長居ができる。入り口を入ったところすぐに階段が上がるところあって。
宇梶さん:そう、その階段を上がると2階で。右側に1階のフロアが広がっていて、その階段の裏に座ると4人がけで奥に座った人が頭が斜めになる席があって。ここが隠れ家みたいなんですよ(笑)。
土屋:「ロージナ茶房」は広い! けっこうどこまでも席があって。
宇梶さん:去年、「ロージナ茶房」で同窓会をやりました。
土屋&つる子:ええ!?
宇梶さん:60、70人はいましたね。2階でね。
つる子:そんなに広いんですね!
土屋:貸切もできるってことですか?
宇梶さん:あ! これ、もしかしたら、同級生が頼み込んで貸切にしてくれたのかもしれない・・・。
土屋:人情味溢れてるってことですね。上品な感じだけど、そういうところも大切にしているという。
宇梶さん:はい。
土屋:僕はよく「いたりあ小僧」というお店のスパゲティを食べてましたね。
宇梶さん:はいはい、僕の中学の先輩ですね(笑)。
土屋:ああ、そうですか!
宇梶さん:<おまえはロージナ派かよ><オレはいたりあ小僧だ>みたいな会話があって、曖昧な返事をしてました(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:立ちションの看板の「いたりあ小僧」。
宇梶さん:そうそう。
宇梶さんおすすめの国立スポット②居酒屋「おばこ」
土屋:では、宇梶さんおすすめの国立スポット、2つ目を教えてください!
宇梶さん:「おばこ」!
土屋&つる子:「おばこ」!?
宇梶さん:旭通りにある居酒屋ですね。僕の中学の先輩ササハラ・ヨウジさんがやってらっしゃって。ヨウジさんのおやっさんの代からあるから、50、60年はやってるんじゃないですかね。
つる子:へえ。
宇梶さん:僕も20歳になって堂々とお酒が飲めるようになった頃に・・・
土屋:20歳になって堂々と飲める、それは当然ですよね!
宇梶さん:あとは・・・あまりに色っぽいお店もね(笑)。それまでは固唾を飲んでる(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:“固唾を飲んでる”、最高ですね(笑)。
宇梶さん:ここはみんなで行って親父さんに<静かに飲め!>って言われたり。この店はほんと賑わっていて、ここの“黒い煮込み”!
土屋:黒い煮込み!?
宇梶さん:これは絶品! ご飯にそのままぶっかけてもいいですね。キャベツと一緒に出てくるんで、キャベツと食べてもいいし。僕は最近、“煮込み豆腐”といって、煮込みに豆腐が入ったものを主に頂いているんですね。これは美味しいですよ。いろんなところで煮込みを食べたけど、“真っ黒い煮込み”って見たことないかな。
つる子:見たことないです!
宇梶さん:プチトマトの串とかホルモンの串とか、うずらの卵の串とかもあって。それが煮込みのところに漬けてあるので、それも頼めるんですよ。
つる子:ああ、いいですね!
土屋:「おばこ」には、宇梶さんは人生で何時間いますかね?
宇梶さん:1回行くと、最低6時間はいる(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:そうとうですね(笑)。
宇梶さん:そうですね、200回として・・・(笑)。いや、200回じゃきかないな(笑)。だって、年間10回ってことは無いですから。
土屋:「おばこ」は今も営業中ですか?
宇梶さん:やってます! 日曜は休みです。あとは大抵やってますね。
土屋:旭通りにある居酒屋さん。ちょっと和な感じの居酒屋さんなんですね。
宇梶さん:そうですね、お店の側面に輪が2つ付いてます。心地よい、気の良いお客さんもいますよ。
土屋:一見さんもOKですか?
宇梶さん:全然 OKです! 一見さんほどよく扱ってもらえるかも(笑)。
つる子:(笑)。
宇梶さんおすすめの国立スポット③「すた丼」
土屋:宇梶さんの国立のおすすめスポット、3つ目はなんでしょうか?
宇梶さん:これはもう、「すた丼」の店ですね。全国チェーンの「伝説のすた丼」というお店があるじゃないですか、あそこの発祥の地ですね。ここのお店の名前は「サッポロラーメン」という、比較的スマートな名前と言いますか(笑)。
土屋:あ、そうか、「サッポロラーメン 国立本店」。
つる子:これが「すた丼」の店ですか。
宇梶さん:“名物すた丼、お待ちかえりできます”という。ここのオヤジがわりと早く亡くなって。僕がヤケになってオートバイに乗ってる時、オヤジに<うるせぇ!>って怒鳴られてね。<うちの店の前を通る時はエンジンを切って通れ!>って言われて。当時、ヤケになっていたみんな、お店の前までオートバイで走ってきて、店の前でエンジンを切って、チェーンのカラカラって音だけで通り過ぎて。50メートルくらい行ったらまたボォーンと走り出して。
つる子:(笑)。
土屋:宇梶さんがうるさかったわけではないんです、「国立市」が静か過ぎたんです(笑)。たまたまオートバイの音が聞こえた時代があったということですね、「国立」では。
つる子:(笑)。
宇梶さん:・・・えー、次へ進めます(笑)。
土屋:でも、ここが「すた丼」の元祖ですもんね。
宇梶さん:オヤジが生きてる頃に、いちばん厳しくしごかれたフナツというのが、今は店の跡を継いで。オヤジの時と同じ味を守ってます。
つる子:素敵な話!
宇梶さん:「国立市」にある大学、「一橋大学」とか「東京女子体育大学」とかが食べに来て。すた丼の大盛りがラーメンのどんぶりで出てくるんですよ。食べ切った人の名前が壁に貼られていて。
土屋&つる子:へえ!
宇梶さん:女子の名前もけっこうあって。スポーツをやってる子でしょうけど。
土屋:宇梶さんの名前も?
宇梶さん:いえいえ、一年で名前が満杯になるので。
土屋:なるほど。
宇梶さん:僕は若い頃、ほんとにお金が無くて。1回目の高校をクビになってから(笑)。
土屋:しょうがない、価値観の違いですから。
宇梶さん:工事関係の仕事をしてたんですけど、すぐお金を使っちゃうから金が無くて、「すた丼」が食べられなかったんですよ。「すた丼」よりも150円か200円安い、チャーシュー丼というのがあったんですよ。そればっかり食べていて。で、20歳過ぎたくらいから「すた丼」。
つる子:へえ!
宇梶さん:中学の頃は親のお金で飯が食べられるじゃないですか。そういう時は「すた丼」を食べてました。
土屋:チャーシュー丼も美味しいんですか?
宇梶さん:うまいんですよ! チャーシューがご飯の上に敷き詰められていてモヤシがドンと乗っかっていて。特製の醤油ダレみたいなのがかかっていて。
土屋:「すた丼」は「国分寺」にもありますよね?
宇梶さん:オヤジが生きてた時に出した支店が「国分寺」と「小金井」の南で。
土屋:なるほど。
宇梶さん:オヤジが亡くなってどうするとなった時に、「国立」の店はフナツが継いで。当時働いていた「すた丼」の詳細がお分かりになる方が広めたいと言って全国展開したんですよ。
土屋:そういうことなんですか。
つる子:映画になりそうな話ですね。
土屋:「なんなら宇梶さんが声をかけたら「国立」中の人が集まるんじゃないですか! 知り合いばかりですよ?
宇梶さん:たしかに。
土屋:だって、今日ご紹介くださっているお店をやってらっしゃる方は・・・息のかかったという言い方が良いのかわかりませんが(笑)。
つる子:(笑)。
宇梶さん:その言い方はダメだと思います! 精神的な結び付き、と言い直して頂けますかね(笑)。
つる子:(笑)。
宇梶さんのおすすめの国立スポット④「谷保天満宮」~「矢川緑地」
土屋:あとは、食べ物以外で、散歩コースというか、行ってみて欲しいところはありますか?
宇梶さん:「国立駅」を降りて「大学通り」を散策したり、「大学通り」「富士見通り」「旭通り」にある喫茶店とか。例えば、うちの娘世代だとタピオカ屋さんなど素敵なお店もあります。
土屋:はい。
宇梶さん:あと、 JR「南武線」の「谷保駅」を降りて「谷保天満宮」もわりと近いんですよね。200メートルくらいで間違いなく着くので。学問の神様ですから受験シーズンとか初詣にもおすすめなんです。その「谷保天満宮」も湧水なんですよ。
つる子:へえ。
土屋:「谷保天満宮」の境内には、鶏がいっぱいいる印象ですよね。
宇梶さん:ある時いないな、どうしたんだろうと思ったら、木の枝の上で寝てるんですよ(笑)。こんなデカい鶏が木の枝に乗るんだと思って。
土屋:宇梶さんが来るんでキケンだと思ったんじゃないですか。
宇梶さん:月並みなツッコミだなあ(笑)。
土屋:僕も安易だなと思って(笑)。
宇梶さん:ここでハッキリさせておきますけど、子供とお年寄りと動物はオレのこと怖がらないですよ(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:「大学通り」から「谷保天満宮」までゆっくり歩けば・・・
宇梶さん:のんびりで1時間くらい。「谷保天満宮」の奥を抜けて行くと湧水の川が流れていて。すぐそばに「中央高速」が通っているんですけど、田園風景が広がっていて。そこから「立川」方面に湧水を見ながら歩いて行くと、「ママ下湧水」があって。夏は沢ガニがいつもいて。そんな所をずっと歩きながら「青柳地区」を抜けて、「みのわ通り」という真北に向かう道を400メートルくらい歩くと、「国立」の名所の一つ「矢川緑地」。
土屋:ああ。
宇梶さん:ここは、日光の戦場ヶ原の20万分の1くらい、猫の額くらいの湿地帯があるんですよ。
つる子:へえ。
宇梶さん:“マムシに注意”という看板があったり(笑)。
土屋:そうなんですか!
宇梶さん:子供の頃、そこでカナヘビとかトカゲとかを捕まえて。クワガタもいましたし。「矢川緑地」はきれいな湿地帯で。
土屋:ほんとに「国立」ってコンパクトシティというか、いろんなものがありますね!
宇梶さん:あと、国立の縦に「大学通り」には喫茶店があるけど、東西に「桜通り」があって。ここの周りにも喫茶店とか飲食店がありますね。
土屋:「谷保」にはスナックもありますしね。
宇梶さん:僕は「国立」に8歳からいるから、53年分くらい話そうと思っていて(笑)。
土屋:いや、そうなんですよ! 台本上には紹介するものがいっぱいあったんですよ。宇梶さんが野球をやられていた話なども伺おうと思ったんですけど。
宇梶さん:自分の話より「国立」の良い所を言って頂ければ。
土屋:最後に、宇梶さんからメッセージがありましたら・・・。
宇梶さん:伝言がありましたら、居酒屋「おばこ」さんの方に(笑)。間違いなく、僕の方に届きますので。
つる子:(笑)。
土屋:そうだ、いろんな店長さんにね。
宇梶さん:はい、スーパー「さえき」でも(笑)。
土屋:2週に渡ってたっぷり「国立」の話を伺いました。国立の案内人俳優の宇梶剛士さんでした。ありがとうございました!
宇梶さん:ありがとうございました!