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“にこ食”においで!多世代交流の子ども食堂 釜石・平田地区 地域結ぶ、笑顔つなぐ

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 釜石市平田地区の子どもと高齢の住民らが集う「にこにこ食堂」が5月24日、上平田ニュータウン集会所で開かれた。同地区で100歳体操に取り組む「平田いきいきサークル」(藤澤静子代表、会員約30人)が主催する「子ども食堂」で、5回目となる今回は約40人が参加。お手玉を使ったゲームで遊んだり、食事を囲んでおしゃべりを楽しんだりと交流を深めた。

 子どもは平田小の児童を中心に13人が集まった。この日のメインメニューはカツカレーライスで、子どもには優しさという調味料を加えた「甘口」を用意。骨まで食べられるイワシの甘露煮、ワカメたっぷりのスープ、バナナなどが添えられ、大人も含めた参加者みんなのためバランスの取れたあたたかい食事を提供した。

おいしそうに頬張る子ども見つめて大人も笑顔に


 交流活動では、かごにお手玉を投げ入れる遊びで盛り上がった。はしゃぐ子どもたちの姿を年配者らは目じりを下げて見守り、会場は終始、和やかな雰囲気。塗り絵やジェスチャーゲーム、軽運動、合唱など多彩なプログラムを一緒に体験しながら楽しんだ。

子どもから高齢者まで一緒に玉入れを楽しむ


塗り絵やお絵描きを楽しんだりゲームで交流したり


幅広い年代が入り混じったジェスチャーゲーム


 カレーライスをおいしそうに頬張る女子児童(2年)は「からいのが好き」と食を進めた。同じテーブルを囲む“おばあちゃん”に積極的に話しかけ、「いろんなことを話しながら食べるの、楽しい」とにっこり。タオルを使った玉入れが印象に残った様子で、普段とは違った遊びを知る機会になったと喜んだ。

 「素直に話してくれるからいい」「小さい子と一緒に食事するのがうれしい」と高齢の参加者たちは目を細めた。平田地区の老人クラブ「ニュー悠々会」の佐藤清会長(81)は「子どもたちから元気をもらえる。生き生きするね」と明るい笑顔。登下校時の児童の見守りや地域の安全活動に取り組む菊池重人さんは(83)は「地域に子どもは少なくなった。こうした交流で顔を合わせ、コミュニティーづくりを盛り上げていければいい」と期待した。

たくさんの笑顔が集った平田にこにこ食堂


 釜石市内で子ども食堂の取り組みは2023年夏に始まった。2番目にスタートしたのが平田地区で、初回は24年3月に開設。全国的にも広がる子ども食堂は経済的な課題を抱える家庭の子ども支援という目的で設置されることも多いが、釜石では子どもの居場所づくりや地域住民同士の交流の場の提供などを目的に開設されている。

 平田地区の特徴は、地域住民でつくる団体の活動の一環という点。実施主体の同サークルでは週1回の体操のほか、月1回のサロン(食事会)活動を行っていて、サロン活動の数回を子ども食堂として世代間交流を楽しむ。サークルの役員らが中心になり、運営、食事を用意。食材や飲料水、帰りのおみやげなど市内の事業所から協力も得る。

地域住民が協力し運営。手作りのあたたかさを散りばめる


高学年の児童が運営をサポートし交流活動を盛り上げる


 サークル代表の藤澤さん(83)は「最近は道で会うと、子どもたちから『にこ食のおばちゃん』と声を掛けられたり。互いの見守りにもなっているのかな」と手応えを感じている。一方で、子どもの参加は伸び悩み、大人は“リピーター”と同じ顔触れが多く、参加者の開拓が課題。今回は高学年の児童に交流活動のサポートをお願いし、より積極的な関わり合い方を試してみた。「支え合える居場所をつくっていくため」と、運営方法は現在進行形。次回は9月の開設を予定する。

子どもと年配者が食を囲む様子を見つめる藤澤静子さん


子どもも大人も地域住民が集う「にこ食」はこれからも


 藤澤さんは回数を増やしたい考えだが、サークル役員の意見はそれぞれ。「ケンカしつつ、みんなで話し合えば、結果的にいい方にいく。それが今の形」と声がそろう。取り組みに協力する市の出先機関、平田地区生活応援センターの樋岡悦子所長は「運営メンバーは若い頃から何かを一緒に取り組んできた年代。無理のないよう、自分たちにできるペースで続けられる活動にしてほしい」と見守っている。

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