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【福岡のちょっと贅沢ランチ】ひと匙の感動が記憶に刻まれる、シェフ渾身の欧風カレー

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白山舎料理

家族で、接待で、友人との食事会で、いつものランチよりちょっと贅沢に。ゆったりとした時間を過ごしたい方にオススメのランチシリーズ。第7回目は早良区小田部の住宅街にある欧風カレーの店「白山舎」を訪ねました。

名前からお気付きかもしれませんが、こちらは佐賀の名店「白山文雅」の福岡店。「白山文雅」といえば、洋食店からスタートし、フランス料理店、欧風カレー店と少しずつ形を変えながら長い歴史を刻んできた老舗です。
シェフの上野茂和さんは20数年前に初めて「白山文雅」のカレーを食べた時、その美味しさに衝撃を受け、その場で当時シェフだった杉保嘉津男さんに弟子入りし、10年かけてその味を受け継いだのだそう。師匠の引退に伴い2009年から「白山文雅」を引き継ぎ、さらに2017年には福岡市内に「白山舎」をオープン。現在、両店舗のカレーを上野さんが監修しています。
店内はカーテンで仕切られた半個室席もあり、周りを気にすることなくゆっくりとくつろぎの時間が過ごせそうです。

今回は9種のカレーの中から2種を選べる平日限定の「セレクトセット」をオーダーしました。メニューに加えてカレーの説明が書かれたリストがあり、読むとどれも食べてみたくなります。4名だったので2種ずつ8種のカレーをチョイス。いろいろ食べ比べてみたいなら数名で訪れるのがおすすめです。
セットは、季節のスープとシーフードサラダからスタート。なめらかなスープに色鮮やかなサラダ、どちらもていねいに作られていて、シェフの料理に対する真摯な姿勢が伝わってきます。

カレーの前に、ちょこっとだけバターライスがよそわれた大きなお皿が運ばれてきました。もちろん、ごはんこれだけではないのでご安心を(笑)。そして次々とカレーが運ばれてきます。

カレーの種類があまりに多く、正直「少し具材を変えたりアレンジしたりしただけでは?」と疑っていました。ところが、そんな予想は見事に裏切られました。どのカレーも驚くほど個性が際立ち、見た目からしてまったく異なります。ベースの味、使われるスパイス、具材までそれぞれが独立した一皿として丁寧に仕上げられており、シェフの情熱とこだわりがひしひしと伝わってきます。
どれから食べようか迷いつつ、まずはこの店の顔ともいえる伝説の欧風「ビーフカレー」からいただきます。開業以来絶やすことなく使い続けている特製の煮汁で牛肉がとろけるほどやわらかく煮込まれており、深みのある色と艶がまさに王道の風格を感じさせます。
ひと匙すくって口に運ぶと、まずふわっと広がるのは優しい甘味。そして時間差で押し寄せてくる濃厚な旨味とスパイスの香りに、思わずため息。複雑で重層的な味わいに「カレーって、こんなに奥深いんだ」と唸らされるばかり。まさに一皿で物語を語るようなカレーです。
そして次に玉ねぎをじっくりと炒めた「辛口ジャワカレー」をひと口。こちらも甘味から始まり、塩味、辛味へと変化していきます。あ~、これも好き! 次は上野さんの代になって生まれた「伊万里牛キーマカレー」「辛口タイ風グリーンカレー」「文雅流ハヤシライス」をいただきます。どのカレーも口に入れるたびに、衝撃が走ります。
キリッと辛味の効いたものから、「フルーツカレー」のような優しい味のカレーもあり、親子3代で来られるお客様が多いというのにも納得。こちらを食べたら、今度はあちら……、と軽めに仕上げられたバターライスもカレーの風味を引き立て、お代わりが止まりません。

「白山文雅」のカレーとの出会いで人生が変わった上野さん。「師匠の味を守りながらも、時代の嗜好に合わせて慎重に進化させています。種類は違えど、“ひと口で感動を与えるカレー”作りが永遠のテーマ。幅広い層が楽しめて、接待でも使えるカレー店にしたいですね」。

白山舎
福岡市早良区小田部6-13-20
092-707-7161

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