勝負事で負けることが我慢できない子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
勝負事で負けることが我慢できない
ゲームで遊んでいるとき、自分が負けたり、一番になれなかったりすると大騒ぎ。遊びが中断してしまうことも少なくありません。
例えば、こんな状況
トランプでババ抜きをしているとき、取れる枚数が少ないとイライラしだすLちゃん。一番になれないと、いつもカードをぐちゃぐちゃにして泣き叫びます。
あなたならどうする?
1.保育者がわざと負けて、毎回勝たせてあげる
2.気を遣いすぎず、「負け」の経験も積んでもらう
【解説】おすすめは2!
特に4歳前後からは勝ち負けの意識が強く表れるようになり、勝負事をすると大騒ぎになるケースも少なくありません。しかし、わざと負け続ける、必ず一番を譲るといったように配慮しすぎるのは考えもの。負けても我慢する心が育たず、かえってこうした状況が長引いてしまう可能性も少なくありません。
考えられる背景
「ゲームをやるなら、一番になれないと意味がないよ」
勝ちたい気持ちが人一倍強い子もいます。負けたときに、「どうしても勝ちたかったのに!」などと強烈な感情が生じやすいのかもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
勝ち負け以上の価値基準を教えていこう
勝つことだけがゲームの意義ではなく、勝ち負け以上の(勝ち負けと関係ない)価値基準があることを少しずつでも教えられるといいですね。例えば、ピンチな状態に陥ったとき「ドキドキするね」と声かけしたり、「前よりうまくなったね」とその子の成長を褒めたりしつつ、ルールを守る大切さも同時に教えていきましょう。おともだちを応援する、励ますといった経験も大切です。
考えられる背景
「勝てないなんて信じられない、くやしいよ!」
まだ勝負事の経験が少なく、「勝つこともあれば、負けることもあって当然」という感覚を習得できていない可能性もあります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
保育者が立ち直る姿を積極的に見せて
あらかじめ「一番になるのは一人だから、負けることもあるよ」などと伝えてからゲームを始めてみましょう。また、負けても大丈夫だという気持ちを養うために、保育者が意識的に「立ち直る姿」を見せるのもおすすめ。
「負けちゃったよ、くやしい!」とネガティブな気持ちを表現した上で、「次は頑張るぞ!」と切り替える様子を、言葉に出しながら見せるイメージです。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・おもしろいゲームだね
・ドキドキして楽しいね
・さっきより上手だよ
・くやしいね、次は頑張ろう
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史