子育て家庭にぴったり! 最新「加湿器」BEST3「安全・静か・お手入れいらず」はコレ!〔専門家が厳選!〕
子育て家庭で役立つ便利家電を紹介するシリーズ「子育て家電」。第4回は、乾燥と風邪の対策として欠かせない「加湿器」を紹介。安全面やお手入れ面にすぐれたものを家電ライターの田中真紀子氏に聞いた。
【写真➡】安全&お手入れラクチンな“加湿器BEST3”を見る田中真紀子さんは、子育てと仕事の両立に悩みながら、家事をラクにする家電に魅了され、家電ライターにまでなったという逸話の持ち主。そんな田中さんが“ママ目線”で本当に役立つ「子育て家電」を厳選します。
●PROFILE田中真紀子(たなか・まきこ)
家電ライター。子育てと仕事の両立に悩む中、家事をラクにしてくれる白物家電、自宅用美容家電に魅了され、家電専門ライターに。最新家電を200以上所有し、常に生活者目線で情報を発信。
今回は、乾燥&風邪対策に欠かせない「加湿器」の最新アイテムと便利機能を深掘りします!
乾燥だけでなく感染症対策にも加湿器
部屋の空気が乾燥していると、肌がカサつくだけでなく、風邪を始めとする感染症にかかりやすくなるおそれもあります。鼻や喉の粘膜はウイルスや菌の侵入を予防する役目がありますが、乾燥することでバリア機能が低下します。さらに、ウイルスは低温・低湿度を好むため、乾燥している部屋ではウイルスが繁殖しやすくもなるのです。
そこで活躍するのが加湿器です。ただ、加湿器には、「超音波式」「スチーム式(加熱式)」「気化式」、それぞれのメリットを組み合わせた「ハイブリッド式」の4タイプがあり、どれを選んだらよいか悩ましいところです。
また、乳幼児のいる家庭は、衛生面はもちろん、転倒やヤケドなどの安全面、お昼寝を妨げない静音性なども視野に入れなければなりません。とはいえ、お手入れはラクなものがいい。
乳幼児のいる家庭にもベストな加湿器について、田中さんに聞きました。
衛生面と安全面で乳幼児にも◎な「気化式」
「どのタイプの加湿器もメリット・デメリットがあるため一概にはいえませんが、乳幼児がいる家庭におすすめなのは、衛生面と安全性でバランスがいい“気化式”加湿器です。
一般的に、加湿器本体には給水用のタンクと、タンクの水を受けるトレイがあります。トレイにたまった水は、ぬめりやすく菌が繁殖しがち。その菌をどれだけ空気中に広げないかという点では、水の粒子が小さく菌や白い粉が飛散しにくい気化式がすぐれています。
水を気化させるため菌が空気中に広がるリスクが低いですし、熱くならないのでヤケドの心配もないでしょう」(田中さん・以下同)
ただし、気化式は静音性やお手入れのしやすさに課題があると続けます。
「気化式は、水にひたしたフィルターにファンの風を吹きかけるため、構造的には音が大きくなる傾向があります。選ぶ際には、音をどれだけ抑える工夫がされているかが、ポイントです。
また、フィルターを使用しているため、定期的にフィルターとトレイのお手入れをする必要も。汚れ具合によっては重曹やクエン酸でつけ置き洗いし、乾燥させるなどかなり面倒ですが、今は、使い捨てにすることでお手入れ不要にしているものもあります」
コンパクトで静音性にも優れアロマも楽しめる「超音波式」
気化式以外の加湿器も、それぞれの“長所”が自分のニーズに合い、“短所”をカバーする機能があれば一考の価値は大いにありとも。
まず、トレイの水に細かい振動を与え、霧状にして空気中に噴霧し加湿する超音波式。
「静音性にすぐれているほか、コンパクトでデザイン性が高く、アロマやライティングを楽しめるモデルが多いことも特徴です。
ただ、トレイに菌があってもそのまま放出されてしまうため、菌が繁殖しないよう、こまめにお手入れする必要があります。裏を返せば、超音波式の中でもサッとお手入れしやすい工夫がされている製品を選べば使いやすいでしょう。中には、菌が飛散しにくいよう、加湿用の水を一度加熱する機能が付いたものもあります」
衛生的でお手入れもラクな「スチーム式」
お手入れの手間を省ける製品が多いのは、「スチーム式(加熱式)」だと言います。
「スチーム式は水をヒーターで加熱し、その際に出る水蒸気で加湿するというシンプルな構造。それゆえお手入れするパーツが少ないのが特徴です。
洗う場所は、水を入れるタンクのみ。そのタンクも、水を沸騰させることで殺菌できるため菌が繁殖しにくく、日常的なお手入れは、タンクを“すすぐ”だけ。カルキが気になってきたら、クエン酸でお手入れすればOKです」
ただし、湯気(水蒸気)による加湿のため、吹き出し口は熱く、ヤケドのおそれがあります。そのため、安全面に配慮した製品を選ぶことがポイントに。
「電気ポットや電気ケトル同様、転倒した際にお湯が漏れにくい構造のものや、フタにロックがついているなど、万一のときもお湯が漏れにくい工夫がされている製品を選ぶと良いでしょう」
このほか、気化式、超音波式、スチーム式(加熱式)、それぞれの長所を“いいとこどり”したハイブリッド式も見逃せないと言います。
最後に、田中さんが厳選したおすすめ加湿器3点を紹介します。
「フィルター」と「トレイカバー」が使い捨て!のハイブリッド式
使い捨てのフィルター(別売り)とトレイカバーを導入して人気が高いのが、「ハイブリッド式加湿器LXタイプ」(ダイニチ工業/¥45,100~49,500税込)です。
「気化式で利用する風を温めた、温風気化×気化式のハイブリッド式。設定湿度になるまでは温風で加湿スピードを上げ、設定湿度に達したら通常の風に切り替わります。
加湿フィルターやトレイには抗菌加工がされていますが、さらにお手入れの手間を省くなら、購入時に付属されている『カンタン取替えトレイカバー』(3枚¥1,650税込)と、別売りの『カンタン取替えフィルター』(2個¥3,300税込)を取り付けて。どちらも汚れたら取り替えるだけでOKで、お手入れなしを可能にしました。
さらに気化式ながら、運転音は13~40dBで、テレビが見られるレベルの静音性も実現しています」
A3コピー用紙1枚分のスペースがあれば設置できる。部屋の大きさに応じて2種類あり、「HD-LX1024」はプレハブ洋室27畳・木造和室16畳まで、「HD-LX1224」はプレハブ洋室33畳・木造和室20畳まで。
写真提供:ダイニチ工業
購入時に備え付けの「抗菌気化フィルター」を、別売りの「カンタン取替えフィルター」(写真左)に取り替えれば、3ヵ月、水洗いもクエン酸洗浄も不要。3ヵ月後は新しいフィルターに取り替えるだけ。「カンタン取替えトレイカバー」(写真右)は1シーズン6ヵ月洗わずに使える。1シーズン終えたら、トレイカバーは捨てるだけでOK。 写真提供:ダイニチ工業
ヤケド対策にも配慮したスチーム式
お手入れのしやすさで人気のスチーム式(加熱式)。幼い子どもがいると高温の水蒸気が心配ですが、田中さんの推しは安全面に配慮した「スチーム式加湿器EE-TA60」(象印マホービン/¥28,380税込)です。
「沸騰させた水を65℃まで冷ましてから部屋を加湿します。さらに『チャイルドロック』『ふた開閉ロック』『転倒湯もれ防止構造』を搭載。フィルターがなく、菌も発生しにくいのでお手入れもラクです。また静音性が高いので、就寝中でも音を気にせず使えます」
フィルターやトレイはナシ! お手入れするのは、水を入れるタンクだけ。部屋の大きさはプレハブ洋室17畳・木造和室10畳まで。 写真提供:象印マホービン
唯一お手入れが必要なタンクは、月1回程度、ぬるま湯に溶かしたクエン酸と水を入れ「クエン酸洗浄モード」をONにするだけで自動洗浄してくれる。 写真提供:象印マホービン
コンパクトながらパワフルに加湿するハイブリッド式
コンパクトさも重視したい人におすすめなのは「加熱超音波式加湿器 スチーム アンド ミスト L 8.0L」(ティファール/¥34,000税込)です。加熱式と超音波式の長所を兼ね備えたハイブリッド式です。
「コンパクトながらハイパワーで、プレハブ19畳もの広い部屋をスピーディーに加湿できます。タンク内の加湿用の水は加熱されるため、菌の繁殖を抑えます。あたたかい加湿、冷たい加湿それぞれ3段階の設定ができ、部屋の温度に合わせて調整できるメリットも。スチームの吹き出し方向は360度自由に変えられるため、置き場所にも困らず便利です」
幅18.6×奥行30.7×高さ38cmとコンパクトながら、暖かいスチームとミストで部屋をうるおす。アロマも楽しめる。適用床面積はプレハブ洋室19畳・木造12畳まで。 写真提供:ティファール
お手入れが面倒なフィルターやトレイはなく、洗うのはタンクのみ。タンクを外さず上から給水でき、タンクを外しての給水も可能。 写真提供:ティファール
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これまで加湿器といえば、「大きくて場所を取る」「お手入れをサボると不衛生」「お手入れが面倒」といったイメージがありましたが、今回選んだ製品はそれらを払拭する新しいものばかり。お手入れをサボっていた人は、この冬、買い替えを検討しても?
取材・文/桜田容子
※価格は2024年12月20日時点の実勢価格、編集部調べです。